氏 名(本 学 位 学 籍) みや は ら み ち こ 宮 原 美 知 子 学 博 の 種 類 薬 位 記 番 号 薬 士 第251号 学位授与年 月 日 昭 和60年12月11日 学 位 授 与 の要 件 学 位 規 則 第5条 学 位 論 文 題 目 各 種 二 トロ ソ尿 素 誘 導 体 の抗 腫 瘍 活 性 と 第2項 該当 そ の 作 用 発 現 機 作 に関 す る研 究 (主 論 文 審 査 委 員 教授 査) 鈴 木 康 一76一 男 教授 橋 本 嘉 幸 教授 南 原 利 夫 論 一 般 に ニ トロ ソ 尿 素 誘 導 体 文 容 〔RNHCON(NO)R'〕 物 群 で,R'が2-chloroethyl基 CON(NO)CH2CH2Cl〕 内 要 はDNAに 旨 対 して 強 い 親 和 性 を 有 す る 化 合 で あ る1一(2-chloroethyl)一1-nitrosourea誘 の 中 に はlnouselymphoidleukemiaL1210の 導体 〔RNH- 担 癌 動 物 に 対 して 著 し い 延 命 効 果 を 示 す も の が あ る こ と が 知 られ て い る 。 こ れ らの 抗 腫 瘍 性 ニ トロ ソ 尿 素 類 の 中 に は, ヒ トの 白 血 病,悪 性 リ ンパ 腫 ,脳 腫 瘍,胃 癌 な ど の 治 療 に 使 用 さ れ て い る も の が あ る 。 ま た,こ れ らの ニ トロ ソ 尿 素 系 抗 腫 瘍 剤 の 多 く は 不 安 定 で 水 に 溶 け ず,主 遅 延 毒 性 を 示 す た め,臨 要 な 副 作 用 と して 骨 随 に 対 して 床 の 場 に お い て は 使 用 法 が 難 しい 薬 剤 と さ れ て い る 。 しか し な が ら,ニ トロ ソ 尿 素 系 抗 腫 瘍 剤 は脳 血 管 関 門 を 通 過 し う る 数 少 な い 化 合 物 群 で あ る の で,ヒ トの 脳 腫 瘍 に 対 す る 化 学 療 法 剤 と して 特 に よ く用 い ら れ て い る 。 著 者 は,よ る 目 的 で,当 り 有 効 で しか も 副 作 用 の 少 な い ま た 安 定 性 の 高 い 抗 腫 瘍 性 ニ ト ロ ソ 尿 素 誘 導 体 を 得 合 成 化 学 研 究 部 で 合 成 さ れ た 多 数 の 誘 導 体 に つ い てratasciteshepatomaAH13 お よ びmouselymphoidleukemiaL1210腫 瘍 細 胞 を 使 っ て 動 物 の 腹 腔 内(ip)移 の 系 で ス ク リ ー ニ ン グ を 行 っ た 。 そ の 結 果,基 本 骨 格 の ニ トロ ソ 尿 素 に お け るN1お 植 一ip投 与 よ びN3の 置 換 基 の 構 造 の 差 異 が こ の2系 の 実 験 腫 瘍 に 対 す る 抗 腫 瘍 ス ペ ク トル の 差 異 に 大 き く影 響 して い る こ と が わ か っ た 。 そ こ で,各 化 合 物 群 の 中 か ら 三 種 の 代 表 す る 化 合 物 を 選 び,細 胞 レベ ル で の 効 果 お よ び 数 種 の 生 体 成 分 モ デ ル 化 合 物 と の 化 学 反 応 を 検 討 す る こ と に よ っ て 各 化 合 物 の2系 腫瘍 細 胞 に 対 す る そ れ ぞ れ の 作 用 機 作 を 推 定 した 。 〔1〕 化 学構 造 と抗 腫 瘍 作 用 検 討 した化 合物 を化 学構 造 に よ り分類 し,そ れ らのAH13とL1210細 命効 果 をTable皿 に 示 す 。TableIに 胞 移 植 動物 に対 す る延 は延 命 効 果検 討 の た め の 評価 方 法 と基 準 を 示 す。そ の 結 果, つ ぎ の よ うな 構 造 と活 性 の 相 関 が み られ た 。 1群AH13とL1210の n群AH13の 皿群L12ユ0の 両 系 に 有効 系にのみ有効 系にのみ有効 IV群 両 系 に 有効 な もの と,AH13の 系 に の み 有 効 な もの が あ った 。 V群 そ の 他 の 二 化 合 物 で あ り,特 に傾 向 は なか った 。 上 記 の よ うに,有 効 な 腫 瘍 系 に相 違 の あ る1,∬,皿 群 の化 合物 の 中 か ら,延 命 効 果 の 著 しい, つ ぎの 三 化 合 物 を 代 表 と して 選 び,そ れ らの 抗 腫 瘍 スペ ク トル に影響 を 及 ぼ す 因 子 に つ い て,生 物 学 的 な らび に化 学 的 な 比 較 検 討 を 行 った 。 一77一 TestSystemwithAH13AscitesHepatmaCells Donryurat,6rats/group,2-3groups Animals In・culati・n:エ06cells/rat,ip Evaluation: Control Criteria: Lifeprolongationeffectontumor bearinganimals(60dayssurvivors) Meansurvivaltime7-9days Criteria60DaysSurvivors * ± + 什 o/s o/s-i/s 2/6-3/6 4/6-6/6 *Thetreatedgroups ,inwhichnoanimalssurvived for60daysbutsurvivaltimeelongatedmorethan 彌cethatofthecontrol,wasclassif童edas±=・ TestsystemwithL1210LeukemiaCells Animals:CDFmouse,3micegroup,3-4groups Inocu乳ation:1051cellsノ 価ouse,ip Treatment:Days2and6,ip Evaluation:Tmeansurvivaltimeoftreatedanimals) /C(meallsurvivaltimeofcontrolanimals) % Criteria:CriteriaMax・T/C% 一<120 ア121-129 +125-199 ++>zoo TableI (1) 1一(2-Chloroethyl)一1-nitrosourea類 NO I R-N量 彗CONセC5畳 ゴCH2C1「 Ra , CHZ tosylate 、N \ 占(1・) AI墓13 十 41210 十十 (II) CHzCH211 CH・ 一 ・f\N/ 1 0 CH3CH, ll -CCH2CHZCNHCONCHZCHZCI Clb)Clb)0 十十 十 十寺 ・ 卜十 . ハCNU CiHgCil"13 十 十 十十 十十 十 土 ・ 卜十 十昏 1,3-Diary1-1-rlitrosourea類 NQ. i X NHCO X: 「 Y: 葦1 1愚 Y Cl C1星30 CH311 Cl Cl C督13 CH_03 土 一 一 一 C1 CH30 CH3C置130 十 十 十 に1司 Afll3 t 十 「 L1210 一 一 ecNu 一 十.十 TableII-1 一78一 櫓 1-M6thyl-1-nitrosourea類 〔 皿〕 Rl瞬O o9 CO吋 一CH3 1 担NU 「, 旧0 武8α ゴ 占・・M・`・"212一 αII&,R。,H 十十 ム1210 一 藍2- CH3-NCONH(CH2)6一 N 一 一 一 十 十 十 十 NO I CH3NCONH(CHZ)3 NOCH311 CH3NCONH-CHZ CH3-NCONH-CHCHZ CHZ一 R8霊 一 Ati13 CHゴNCOHH-C6鑓10陶 闘 噂 NO R監I ! 闘cON `CH3,C制2α C既3 一 N且13 CHゴ NONO ■, . NO g ・ CH3 1 N(CHを)3一 「 一 L1210 十 ・ ・ 一 十, 十 NO CIICH ● ,.3,3 一旧COMI-CCH ,2c層12?一 闘 CH3・C"3占 贋001l R量 一 蟹Cti 3-NCONH-CHZCHCHZ-CH3 R讐81塵 く工_. ¢rc恥Q.c馬 H↓H ↓H O O 天i田 「' L1210 一 一 鵬 鴨 一 十 一 十 十 一 土 , (N) 1,1仁Polymethylene-bis一(1-nitrosourea)類 瑚oサ 。サ' R即nCON"ICH21バNC。N-R 1}R口R巳 口H' , 10 17 "回 z 3 4 5 6 7 8 9 湖113 十 登 十十 十 † 十十 十' 土 土 十 十 一 一 Lユ210 十 十十 十壱 十 十 十 十 ' 2)R"=H H3 一α 累 2C量 且2C1'CH2C腿2CN-CH2CH扁C闘2 P8 266 P= AH13 一c職{〉 H, 鱒 十 十十 十「 卜 胃 げ 十.噂 耀 ご ・ X1210 土__ r NONO 3) 〔)・ ・歯一・CH・)・ 一歯・・く 〕 λ冠13 一 L1210 CV) そ の他 ㌣o?H3?H3撃o CH3CHゴNCONH一 守C鱒2CH2守 CH3 あ}1ユ3 L1210 NONO コ 一MIC。 凶一CH2C闘3 ロ lCH312CH-NCOM卜C腸2CII2昌MCON"CHIC置13⊃2 CH ユ 乙・己 里 十十 騨 ' TableII-2 一79一 十 1君 羊1一(2-chloroethyl)一1-nitroso-3一(3-pyridylrnethyl)ureaN-oxide(Ia) 1君 羊1,3-diphenyl-1-nitrosourea(Ila) 皿 群 〔皿〕 1)殺 ユ ーmethy1-1-nitrosourea(皿a) ニ トロ ソ尿 素 誘 導 体 の 細 胞 レベ ル に お け る 作 用 様 式 細胞効果の検討 上 記 三化 合 物 のAH13とL1210に 対 す る殺 細 胞 効 果 をinvivoで 検 討 した 。腫 瘍 細 胞 移 植 動物 に 各化 合物 を投 与 し,各 時 間後 に腹 水 の一 部 を採 取 して ト リパ ン ブル ー染 色 で 殺細 胞性 を検 討 し た。 結 果 はTable皿 に示 した。 CytostaticActivityofCompoundsinvivo , diedcellratio(B) treatment . dose, (mg/kg) , compd. 七ime(h》 after ハH工3 L1210 infection 30 2 24 98 72 DPhNU MNU CNPyUO 3 9 9 11 5 22 3 11 58 75 e 9 51 30 s 5 29 98 2 29 98 9 60 . 17 3 1 6 2 6 3 2 Table皿 IaはAH13に 対 して 投 与72時 間 後 に 殺 細 胞 効 果 を 発 揮 し,L1210に 相 性 に 効 果 を 発 揮 した 。HaはAH13で5時 間 後,L1210で2時 し た が 回 復 時 間 に も 差 が み られ た 。InaはAH13に で6%の 2)腫 殺 細 胞 効 果 を 発 揮 し,延 瘍 細 胞DNAへ 〔H〕一1)と で48時 間 後 にDNAの 間 後 に 殺 細 胞 効 果 の ピー ク を 示 は 殺 細 胞 効 果 を 示 さ ず,L1210に は 同量 投 与 の障害性の比較検討 のDNA障 害 を ア ル カ リ エ リュ ー シ ョ ン法 に よ り の 改 良 法 を 用 い てDNAのsinglestrandscissionの 24時 間 後 に はAH13の,48時 5時 間 後,L1210で2時 間 後 の二 命 効 果 と の 関 連 が み られ た 。 同 処 置 細 胞 群 の 一 部 を 使 って,そ 測 定 し た 。Parodiら は24と72時 間 後 に はL12ユ0のDNA鎖 間 後 にDNA分 み を 解 析 し た 。Ia投 与 分 断 が 観 察 さ れ た 。Iaで 断 が 多 く み ら れ た 。 皿aで はAH13で2時 分 断 が 観 察 さ れ た 。(Fig.1,2,3) 一80一 はAH13で 間 後,L1210 茎 い 器 畠:1、 難1譜 ・・ 灘 風.,鈎 血 △P93・.,陶 茎'膿1、1難1:翻 も ・。. 將 器::認1:認 包`斌b個 、。。 }ii.罵lii-\ i・ ・ 。 地_:笠 ..1き よ… ・ ・gA・ …… 儀ii、ll呼 ノ艦 ・ ・L。 1、`__薔 吾____ 濫二聴 紬 轟"oL巴 ■1麓 紬 甑 隠`△o"穐L凹.`邑 範`二 ■じ10n鴨Lu畠 腐 他 夏1 罷 ㌻ 欝ヨ1驚li鍔脳 言 ∴ ∴ 離 瀞 二 〔旺 〕 1)化 二 』`帯 ∴IL鈍 言2鰯 鰐 卜ロ ソ尿 素 誘 導 体 と 生 体 成 分 モ デ ル 化 合 物 と の 化 学 反 応 合 物Iaと 核 酸塩 基 お よ び タ ンパ ク質 の モ デ ル化 合物 と の反 応 ア ル キ ル 化 活 性 の 推 定 の た め にNBP試 薬 X 〔4一(4-nitrobenzy1)pyridine〕 弱 ア ル カ リ条 件 下 紫 色 の 呈 色 を 示 し た の で,Iaは とIaを 反 応 させ, ア ル キ ル 化 活 性 を 有 す る。さ ら に 核 酸 塩 基 の 窒 素 に 対 す る反 応 の モ デ ル 化 合 物 と し てpiperidineとIaと の 反 応 を 行 い,Chart1に 示す結果 を 得 た。 NO (NH ○ inMezCO.0ーC Q『C馬NHCONC即 占 ○ ・ …C馬Cl 正a inMeiCO,reflux CNCHzCHzN 十 Cr鵬 一(⊃ 占 Chart1 つ ぎ に タ ン パ ク 質 の モ デ ル 化 合 物 と し て 活 性 残 基 の あ る1ysineの 1ysine,cysteineの Chart2の ※NBP試 か わ り にN-acety1-DL-penicHlamineを 結 果 を 得 た 。 薬 ・ ⊂〉 ・馬{〉 … 一81一 か わ り にN2-acetyl-L使 っ て,Iaと の 反 応 を 検 討 し, NO1)Ha-acetyl-L-1yaine ◇C恥NHCO鵬 α,、 諾 α62H 0℃ く}・ ・C・ ・HC一 ・…CH器 恥 占Ia占 EtOH,H2SO4 ビほら CrC馬NHCONHC験C職C恥CHNHC。 、馬 占 憎:課 跳 離ll曽mine'F・ S蓄H ・C・ ・H N・C・C・+く}脚HCONHC馬 脚 δ Chart2 2)化 合 物Iaと 豆aとNBP試 核 酸 塩 基 や タ ンパ ク 質 の モ デ ル 化 合 物 と の 反 応 薬 と は 反 応 し な か っ た 。 つ ぎ にadenineやguanineと さ せ た と こ ろ,Chart4に び∵ 弱 ア ル カ リ条 件 下 で 反 応 示 す 生 成 物 が 得 られ た 。 儀、 び 脈♂ 鱒 曙 幣 na 鱒 伽 轡O綿 ・(知 鍔∼ 平 鼠:』 ぢ憲 露 む 贈鯉 。 ぬ 計一 心 雛 器1欝il黒・一惚::臨 職 通inMeOH一IXHC且 一H20 q=L:且),conc.H2SO` 35min,r.t. Aトacetyl-DLpcU' Chart4Chart5 ま た,HaとL-1ysineやN-acetyl-DL-penicillamineを 反 応 さ せ る と,Chart5に 示す生 成 物 が 得 られ た 。 3)活 性 中 間体 の抗 腫 瘍 作 用 ・・の灘 中間体 と考 え られ ・ 〈:}闘 用 投 与 で のinvivoの x⑪ ・一麟 抗 腫 瘍 作 用 を 検 討 し,TableWの 結 果 を 得 た 。isocyanate投 Do塊`川 四k罫1餌 60鴨i survivors 予 想 され る 活性 中 聞体 10 ・一・・駅 za io十zo 一・C… の併 用投 与 実験 ・・⇔ ・一・一 与で TIC;; ﹀ ○ などにつき,そ の単独 あ… は併 用増強を示し島 Compd,No. σ と 《:>NC・ ・ 邦 ∠ ンd命 メγn酔 興 磁e OO ﹀ 解c,lc 50十10 TableIV 〈}・C・ 一82一 〔且 〕 考 察 以 上 の デ ー タ お よ び 皿aの 文 献 で の 報 告 か ら 三 群 化 合 物 のAH13とL1210に 機 作 をChart7に 示 す よ う に 推 定 し た 。 い ず れ の 化 合 物 もDNAと 対 す る抗 腫 瘍 作 用 結 合 し てDNA分 そ の 後 の 障 害 の 進 行 や 修 復 の さ れ 方 に よ り 細 胞 集 団 が 死 滅 す る か,あ 断 を起 すが る い は 増 加 に む か うか が 決 っ て く る よ う で あ る。 1,n,皿 群化合物の抗腫瘍作用機作 →inAH13 treatmentDNAdamagerepairDNA 一一一>inLl210 DNAbreakage-excision repair 1 ・珪 ・H,ごL「.CH刃H・ ic「oss-1inkfo「mation謹 一 シDNAbreakage一 ゴ,ce】1d・a・h 一一ラcalldeath 甫 U inhibitionofrepair II _て){DNA瞬{一 L・DNAb・eak・ge一 皿 一一 『 一一一?・x・i・i・n・ep・i・ ∫DNAb「eakage→excision「epa'「 CH3 酬酬 ・cellg・ → ・el19・ ・舳 一「 L-Demethylation一 一一一一一一一一一一一一一一e一一一一一一一一一一一一一3cellgrowth a し_r》DNA_>celldeath breakage Chart馳7 こ れ ら の 研 究 は,今 後 合 成 さ れ る新 誘 導 体 の評 価 に役 立 っ もの と思 わ れ る。 一83一 …h 審 ニ ト ロ ソ 尿 素 誘 導 体 はDNAに 査 結 果 の 対 して 親 和 性 が 強 く,こ 要 旨 れ ら化 合 物 の 一 部 は 抗 腫 瘍 剤 と して 白 血 病 な ど の 治 療 に 使 用 さ れ て い る 。 し か し現 在 利 用 され て い る 薬 物 は 化 学 的 に は 安 定 性 が 低 く, 骨 髄 に 対 す る 毒 性 も 認 め られ る た め,よ り有 効 な 薬 物 が 求 め られ て い る。 本 研 究 は こ れ ら ニ ト ロ ソ 尿 素 誘 導 体 の 抗 腫 瘍 作 用 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し,種 物 を 合 成 し て 化 学 構 造 と活 性 と の 相 関 性 を 調 べ,こ れ ら化 合 物 問 に 於 け る生 体 成 分 と の 反 応 の 特 徴 を 検 討 す る も の で あ る 。 先 ず 化 学 構 造 の 異 な る5群 血 病 細 胞 系 に 対 す る 作 用 を み る と,化 な り,こ 々 の化 合 の 化 合 物 を 合 成 し,そ 合 物 の 種 類 に よ っ て,細 れ ぞ れ の化 合物 の 白 胞 系 に 対 す る反 応 性 が そ れ ぞ れ 異 れ は 反 応 機 構 を 解 明 す る た め の 有 力 な 手 掛 り を 与 え る も の と 考 え ら れ る結 果 が 得 ら れ た 。 す な わ ち 白 血 病 細 胞AH13とL12ユ0油 系 に 有 効 な 化 合 物 と し て1一(2-chloroethyl)一1- nitroso-3一(3-Pyridylmethyl)ureaN-oxide(1),AH13系 の み に 有効 な化 合 物 と し て 1,3-dipheny1-1-nitrosourea(II),L1210系 nitrosourea(皿)が の み に 有 効 な 化 合 物 と して1-methy1-1- 得 ら れ た の で,こ れ ら に つ き 生 化 学 的 な 反 応 性 の 差 異 を 検 討 した 。 先 ず 細 胞 レ ベ ル で の 作 用 を 比 較 す る と,殺 物 のDNA障 細 胞 効 果 の 時 間 経 過 に 差 が 認 め ら れ,こ れ は各 化 合 害 の 経 時 変 化 と 関 連 の あ る も の と考 え ら れ た 。 こ の よ う な 実 験 結 果 は 従 来 の 研 究 で は 明 ら か に さ れ て い な い も の で あ り,制 が ん剤 の 作 用機 構 が単 純 な 反 応 で は解 釈 出来 な い こ とを 爪 して い る 。 次 に 各 ニ トロ ソ 尿 素 の 生 体 成 分 と の 反 応 性 を み る と,そ パ ク質 に 対 す る 作 用 に 大 き な 差 が あ り,DNAと れ ぞ れ の 化 合 物 に よ っ てDNAや の 結 合 や 分 断 の ほ か に,DNA修 タン 複 の 阻害 反 応 も細 胞 障 害 に 重 要 な 役 割 を 果 た し て い る こ と を 明 ら か に して い る 。 こ の 阻 害 反 応 は 主 と し て 修 複 酵 素 タ ンパ ク と の 反 応 と考 え られ,障 以 上 本 研 究 は,が 害 の場 を解 析 す るた め の 重要 な知 見 で あ る。 ん の 化 学 療 法 の 基 礎 を 提 供 す る も の で あ り,特 に細 胞障 害 の起 る条件 を 示 し た 点 に 特 色 が あ る。 今 後 の 制 が ん 剤 の 開 発 に 当 っ て も 本 研 究 の 成 果 は 利 用 性 が 高 く,学 して 価 値 あ る も の と認 め る 。 一84一 位 論文 と
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