解答例

2015 年度前期 有機化学2 第16回 「非局在化電子を持つ化合物」復習問題
学籍番号___________ 氏名___________
1. 下の図は、アリルカチオンのπ分子軌道を横から見たものである。正しいものをエネルギ
ーの低い方から順に3つ選びなさい。
(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
(f)
(d), (c), (e)
2. 下図の構造式には、それぞれもう1つの共鳴寄与体を書くことができる。図示しなさい。
O
CH3 N
O
O–
O
CH3
C
CH3
NH2
C
O
3. 酢酸には2つの共鳴寄与体が考えられる。しかし、下の共鳴混成式は誤りである。なぜ誤
っているかを指摘しなさい。また、正しい共鳴式を書きなさい。
(ヒント:1,3-ブタジエン
の場合と同様、寄与の小さい共鳴寄与体になる。)
原子の位置が変化しているため共鳴混成ではない。
O–
O
CH3
C
O H
CH3
C
O H
4. 2,4-ヘキサジエンに1当量の HBr を付加させると、2種類の生成物が得られる。反応機構
を巻き矢印と中間体の共鳴混成式を使って図示しなさい。
5. フェノールはシクロヘキサノールよりも強い酸である。理由を説明しなさい。(ヒント:
ベンゼン環内の共鳴だけでは不十分である。酸素ローンペアの非局在化を考えること。)
フェノールの共役塩基のフェノラート
アニオンは、ベンゼン環との非局在化に
よって安定化されるため。