短期予報解説資料1 ２０１５年１２月２８日３時４０分発表気象庁予報部１．実況上の着目点 ①オホーツク海には寒冷渦が停滞。この周囲 500hPa5220m 付近の流れにより北海道で 500hPa-36℃以下の寒気が持続。地上では、対応する 50kt[SW]級の低気圧がオホーツク海を南下傾向で、北日本の海上を中心に非常に強い風が、海は大しけが継続。北日本・北陸の日本海沿岸では対流混合層高度 3km 前後の平行型筋状雲が卓越し、散発的に最大 10cm 程度の 3 時間降雪。 ②華北からボッ海を南東進中の 500hPa5460m 付近のトラフがあって西側で水蒸気画像暗域を拡大中。 ③華中・華南の東岸に出てきたトラフの東側では亜熱帯ジェットから②の流れにかけての合流加速場。強風軸右側では、暖気移流かつ上昇流場となっており、降水を伴う雲域が南西諸島中心にかかっている。南西諸島では下層は寒気が卓越しており対流雲の発達はないが、高気圧の張り出しと沖縄の南の気圧の谷（一時的に低気圧性循環が明瞭化中）により実況 35kt[GW]級。西・東日本上空の強風軸に対応して、日本海西部沿岸と関東沿岸から日本の東には、鉛直シアー伴う帯状の下層雲が連なっている。２．主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①1 項②のトラフが 28 日夜には本州付近に到達、1 項①の寒冷渦周囲のトラフが北日本を 29 日の朝にかけてと夕方にかけて通過する。トラフが接近するまで冬型気圧配置はいったん緩み、トラフの到達に伴い、西から再び強まる。29 日には西日本から東日本は緩むが、北日本では 30 日にかけて下層寒気の流入が続く。引き続き、北日本日本海側では目先高波に警戒、28 日日中にかけて暴風雪に警戒。29 日にかけて、北日本中心に、強風、高波、ふぶきや大雪による交通障害等や多雪地はなだれに注意。 ②28 日、日本海沿岸で西から卓越してくる北西風先端域では、1 項②のトラフや 1 項③のジェット合流域の正渦の影響が加わり、28 日夜にかけて対流雲が次第に発達する見込み。28 日夜には日本海西部から北陸周辺にかけて明瞭となる収束帯(JPCZ)付近を含め、29 日にかけて落雷、突風に注意。 ③高気圧の張り出しが続く沖縄・奄美では 29 日にかけて強風、高波に注意。また、1 項③のトラフ東側で次第に明瞭となる前線がかかる小笠原では 29 日にかけて対流雲の発達に留意。３．数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM 基本。降水や風の予想は MSM も参考とする。② 波浪:うねりの影響や風予想に応じた波高の上方修正が必要。４．防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨・大雪ポテンシャル(06 時からの 24 時間)：[雨]高い所（100mm 以上）はないが、2 項の対流雲の発達に留意。[雪]東北 50､北海道 40･北陸 30､関東甲信 20、その他の日本海側山地 5～10cm。②波浪(明日まで)：北海道 6・東北 5、北陸・沖縄 4、奄美 3m。③潮位(明日まで)：大潮の時期。北日本太平洋側や瀬戸内で注意報級の所がある。５．全般気象情報発表の有無発表予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。