短期予報解説資料1 2015年 2月14日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 15日にかけ千島近海で低気圧が発達。 15日は北海道は暴風雪に警戒。西日 ①寒冷渦に対応する水蒸気画像 本は高気圧に覆われてくるが、北・東 実況 の渦が北海道太平洋側を東進、 直 日本は冬型の気圧配置が続く。北・東 40kt[GW] 下に低気圧があると見られる。 日本は日本海側を中心に大雪に注意・ 警戒。強風や風雪、高波に注意。 ②21 時に寒冷渦南東側の 5220~ 5280m の強風軸に対応して、日本 の東(39N、 151E)に低気圧を解析。 ③21 時の秋田 500hPa 気温は FT06~40kt[GW] FT18~45kt -41.1℃。日本付近は冬型の気圧 FT30~50kt[SW] 配置が強まっており、 北日本を中 FT42~45kt 心に風が強く、 北陸以北でしけが 続いている。風雪・高波に注意。 日本海の筋状の下層雲の離岸距 離は大きな変化なく、 下層風が強 前線記号はFT24が黒塗り く(1.5km で 30~40kt)、 関東甲信 (北部)や東北の山沿い・山地で 6 時間に 20cm 台の降雪となってい る。一方、九州から南西諸島は東シナ海の高気圧に覆われてきた。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①寒冷渦は 14 日夜に千島の南へ進んだあと、沿海州から南下する別の寒冷渦と相互作用して動きが遅 くなる。14 日は 1 項①の低気圧は東進後次第に不明瞭となり、1 項②の低気圧が主体となって発達し、 15 日にかけ千島の南で反時計回りに進む。一方、大陸のリッジが南東進し、15 日にかけ東シナ海の高 気圧は日本の南へ移動。冬型の気圧配置は 14 日は西日本で次第に緩み、15 日は北・東日本中心となる。 ②東北から近畿にかけての警報級の大雪は、長くても上空寒気がぬける 14 日昼頃までとみるが、北陸 以北の日本海側は、15 日前半にかけ下層風が強く注意報級の大雪は続く見込み。 ③14 日夜~15 日朝にかけ北海道東部に SW 級の低気圧が接近。 北海道では東部を中心に暴風雪に警戒、 高潮に注意。また、15 日は北・東日本の太平洋側では北西 50kt の風が予想され 700hPa の下降流も大 きい。この方面はおろし風の発生に注意。 ④15 日はトラフ(5640~5700m)が東シナ海に進み、黄海に低気圧が発生する。西北西流場の中でトラフ は浅まり低気圧の発達はないが、九州~南西諸島で降水が始まる所がある見込み。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①最新の GSM を基本とする。降水の予想は MSM を主体に考える。②15 日夜にモンゴルの南に進むトラ フは深まり、中国東北区のリッジは強まる傾向があり、2 項④のトラフも浅まる傾向がある。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雪ポテンシャル(6 時からの 24 時間):北陸・東北・関東甲信 50、北海道・東海・近畿 20~30cm。 ②波(明日まで):北日本・小笠原 5、北陸・伊豆諸島 4、近畿・東海 3m。 5.全般気象情報発表の有無 5 時頃に「大雪に関する全般気象情報」を発表予定。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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