短期予報解説資料1 2016年11月16日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①オホーツク海とカムチャッカ 半島付近に寒冷渦直下の低気圧 があり、 日本海には高気圧があっ て、 日本付近は冬型の気圧配置と なっている。 北日本には日本海か ら寒気移流に伴う筋状の対流雲 域が流入。北海道では 3~7cm/3h の降雪を観測。旭川では 15 時現 在の 12 時間降雪量が 35cm に達 している。 北日本を中心に気圧の 傾きが大きくなっており、 沿岸の アメダスでは、12~20m/s 程度の 西よりの風を観測。 北日本の日本 海側を中心に 3~3.5m 程度の高 波を観測。 ②東海地方から伊豆諸島南部にシアーラインがのびており、衛星画像では対流雲列が観測されている。 ③12 時から日本海西部に低気圧を解析し始めた。衛星画像では中・下層雲域が組織化しつつある。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①北日本を中心に 17 日にかけて冬型の気圧配置が続き、北日本では 18 日も気圧の傾きが大きい状態 が続く。18 日にかけて北日本を中心に強風や高波に注意。17 日にかけて、北海道には 850hPa で-12℃ 以下、東北には-6℃以下の下層寒気が流入。いずれも平年より 4~8℃程度低い。また、16 日夜から 17 日朝にかけて北海道を 500hPa5220~5340m 付近、-36℃以下の寒気を伴うトラフが通過する。北日本で は正渦度極大域が接近・通過するタイミングで降雪が強まる可能性がある点に留意。 ②1 項②のシアーラインは東進し、17 日朝には関東地方南部・伊豆諸島付近に進む。シアーライン近 傍では、落雷や突風、短時間強雨に注意。 ③500hPa5580m 付近の正渦度極大域が 16 日夜から 17 日朝にかけて日本海に進入。同じ高度帯の強風 軸に沿い、1 項③の低気圧が 17 日朝にかけて北陸に近づき、その後不明瞭となる見込み。低気圧が接 近する北陸から東北地方の日本海側では、局地的な降水や降雪、風の強まりに留意。 ④17 日未明から夜にかけて奄美地方付近で南北走向のシアーラインが明瞭となる見込み。シアーライ ン近傍では落雷や突風、短時間強雨に留意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ① 総観場は最新 GSM を基本とする。降水や風の予想は MSM も参考にする。 4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ① 大雨・大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間):[雨]高い所 (100mm 以上)はない。[雪]北海道 35cm。② 波浪(明日まで):北海道 4、東北・北陸 3m。 ③ 高潮(明日まで):大潮の時期。西日本から北日本の広い範囲で注意報基準を超過する見込み。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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