短期予報解説資料1 2015年 4月15日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①寒冷渦が本州付近を東進中、 水 蒸気画像では明瞭な暗域が寒冷 渦の東側に回りこむように進入 している。 寒冷渦の東~南東側に あたる関東~東北南部で発雷、 栃 木県・福島県では解析雨量 1 時間 40 ミリ。東日本では昼前から昼 過ぎにかけて降ひょうあり。 ②地上では、 釧路沖と東日本を低 気圧がそれぞれ北東に進んでい る。 西日本太平洋側~北海道オホ ーツク海側では沿岸部中心に 10m/s 以上の風が吹き、 3m 前後の 高波となっている。 ③モンゴルを 500hPa5460m 付近 のトラフが南東進。トラフ対応の水蒸気画像暗域は、シャープさを増しながら暗化している。 ④モンゴルから中国東北区にかけて黄砂が観測されており、視程 2km 未満のところもある。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①1 項①の寒冷渦は、16 日朝には北海道の東に進む。15 日夜遅くまで東日本中心に、落雷や竜巻など の激しい突風、降ひょう、短時間強雨、土砂災害、河川の増水に注意。 ②1 項②の低気圧は、16 日には 2 項①の寒冷渦の下に入る。低気圧周辺の最大風速は 16 日にかけて 35KT[GW]級。北海道から東日本にかけての太平洋側中心に、強風、高波に注意。 ③16 日には、1 項③のトラフがボッ海から朝鮮半島に進み、カットオフする。地上では前線が明瞭化 し、前線上に低気圧が発生、16 日夜は低気圧からのびる寒冷前線が西日本日本海側を東進する。 ④2 項③の寒冷前線前面となる九州北部や山陰を中心に、16 日は南西風が強まる。強風や高波に注意。 また、西日本・東日本では 16 日午後以降大気の状態が不安定になる見込みで、落雷や突風に注意。 ⑤モデルでは 17 日頃黄砂が日本に飛来する予想。大陸での実況もあり(1 項④) 、今後の推移に注目。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新の GSM を基本に考える。目先の降水は MSM 参考。②波:モデル基本、実況等を参照し て局地的に修正。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(18 時からの 24 時間):多いところ(100mm 以上)はないが、 2 項の短時間強雨に 注意。②波(明日まで):西日本~北日本の太平洋側 3~4m、対馬海峡~山陰 3m。 5.全般気象情報発表の有無 「雷と突風及び降ひょうに関する全般気象情報」を 17 時までに発表予定。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
© Copyright 2024 ExpyDoc