短期予報解説資料[pdf]

チュウオウシジホウ6
中央気象指示報
発信官署名
指定コード
2017年1月2日
キシヨウ
1日 1710UTC
山 下
1.実況上の着目点
①西日本・東日本は、日本の南に
中心を持つ高気圧に覆われてい
る。
高気圧の縁にあたる北日本の
沿岸アメダスでは、
やや強い西よ
りの風を観測。
沿岸の波浪計では、
2.5m 程度の高波を観測している
所がある。
②500hP5280~5400m 付近、
-36℃
以下の寒気を伴うトラフが中国
東北区にあって東南東進。
③500hPa5580~5640m 付近のト
ラフが黄海にあって東進。
トラフ
前面の上層雲主体の雲域のバル
ジが明瞭で先端は日本海に広が
っている。
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①1 項②のトラフは 2 日朝には沿海州・中国東北区に進み、トラフ前面の日本海中部で低気圧が発生す
る。この低気圧は東進して北日本を通過し、2 日夜には三陸沖に進む。北日本通過中に低気圧の顕著な
発達はないが、北日本・東日本には 500hPa で-27℃以下の寒気が流入するため、低気圧近傍や、低気
圧から南西にのびるシアーライン近傍では、2 日午後から 3 日朝にかけて大気の状態が不安定となる。
東北日本海側・北陸を中心に、落雷や突風に注意。低気圧の北側となる東北以北では 850hPa の気温が
-6℃以下で推移するため、降雪の強まりに留意。1 項②のトラフは 3 日未明から朝にかけて北日本を通
過。三陸沖を東に進む低気圧は、上空のトラフに先行されると、2 日夜以降、不明瞭となる見込み。
②1 項③のトラフは 2 日午後には東日本に進み、トラフ前面の関東の東海上で低気圧が発生する。2 日
夜には前線が明瞭となり、発達しながら東北東進して、3 日夜には最大風速 45kt[GW]級の勢力となる。
3 日の日本付近は冬型の気圧配置となり、気圧の傾きが大きくなるため、2 日午後から 3 日にかけて、
北日本・東日本を中心に強風、高波に注意。下層寒気移流が強まり、3 日夜には 850hPa の-6℃線が北陸・
関東地方北部まで南下する。北日本・北陸には日本海から寒気移流に伴う筋状の対流雲域が流入し、
降雪となる所がある。3 日夜には日本海北部でシアーラインが明瞭となるため、北海道では降雪の強ま
りに留意。
③先島諸島では吹送距離の長い東風が続くため、2 日昼頃にかけて高波に注意。
3.数値予報資料解釈上の留意点
①総観場は最新 GSM を基本とするが、北日本を通過する低気圧の位置、降水の分布や強度・種別、風
は MSM を参考する。
4.防災関連事項 [量的予報と根拠]
①大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間):高い所(100mm 以上)はない。②大雪ポテンシャル(06 時から
の 24 時間):東北 30、北陸 20cm。③波浪(明日まで):高い所(3m 以上)はない。
5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。