短期予報解説資料1 - 日本気象

短期予報解説資料1 2014年12月17日03時40分発表
気象庁 予報部
1.実況上の着目点
17日、猛烈な風を伴う低気圧が北海道で動きが
①日本海の低気圧は閉塞し発達の
遅くなる。北海道は見通しの全くきかない猛ふぶ
きや大雪、高潮に厳重警戒、着雪・なだれに注意。
ピークとなりつつある。一方、釧
実況50kt[SW]
路沖を北上中の低気圧は、南下中
FT12以降消滅
17~18日、強い冬型の
の 500hPa5100m 付近のトラフと結
気圧配置。日本海側を
びつき急発達を続けている。
中心に大雪に警戒、な
だれ・着雪・落雷に注意。
②北海道太平洋側内陸では広い範
全国的に暴風雪・暴風・
囲で 12 時間で 50cm を超える大雪
高波に警戒。
実況55kt[SW]
となっている。また冬型の気圧配
FT06~65kt
FT18~60kt
置が強まり日本海側各地や九州西
FT24~55kt
東シナ海
岸、四国などで雪となり、強まっ
FT30~50kt
実況40kt[GW]
FT42~45kt[GW]
ている所がある。日本海西部から
北陸にかけて JPCZ の雲バンドが明
瞭で発雷を伴う。
FT12
FT36
前線記号はFT24は黒塗り、FT48は白塗り
③全国的に風が強く、北日本や東
日本の沿岸を中心に非常に強い風
を観測し海は大しけとなっている。また北日本を中心に潮位偏差が 50cm を超えて拡大中。
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①17 日は、日本海の低気圧は次第に不明瞭化するが、釧路沖の低気圧は 17 日朝にかけて急速に発達し
北海道東部に進み、カットオフローに捕捉されて動きが遅くなる。発達のピークは 17 日日中で、中心
気圧 948hPa 前後まで発達。18 日には、低気圧は次第に浅まってカットオフローとともに東進する。日
本付近は 18 日にかけ強い冬型の気圧配置が続く。
②18 日にかけて沿岸部を中心に全国的に非常に強い風が吹き、海は大しけとなる。特に北海道では 17
日は猛烈な風が吹き、北日本や北陸では海は 18 日にかけて猛烈にしける。暴風雪、暴風、高波に厳重
に警戒。気圧低下や波浪効果により北海道東部や東北日本海側は警報級の高潮のおそれもある。
③500hPa-36℃以下の寒気は東北・北陸に入る。また西日本中心に下層寒気移流が強く、日本海側は広
い範囲で大雪に警戒、なだれ・着雪・落雷に注意。太平洋側も積雪となる所があり大雪に注意・警戒。
北海道は低気圧に下層の相対的な暖湿気が巻き込み、湿った雪による大雪となる。着雪にも注意。
④18 日は引き続き全国的に下層は強い寒気に覆われる。はじめ寒冷渦を回るトラフが北日本や東日本
を通過し地上のシアーライン(1 項①の日本海の低気圧から変わったもの)が北日本を南下。また JPCZ
の位相が北陸から山陰にかけて南下する。これらのタイミングでの降雪の強まりや降雪域の変化、太
平洋側への吹き抜けに留意。夜にかけて西日本では急速に冬型は緩む。
3.数値予報資料解釈上の留意点 ①最新 GSM を基本に考えるが、千島近海では低気圧の予想に初期
値変わりがあるため前回の初期値を踏襲する。②低気圧発達のピークは MSM も考慮する。
4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雪ポテンシャル(06 時からの 24 時間):北陸 100、北日本・
関東甲信・東海 80、中国・近畿 60、九州北部・四国 30cm。②波(明日まで):北海道 10、東北・北陸 9、
近畿・伊豆諸島 7、関東・東海・山陰・九州・奄美、沖縄 6、四国 4m
5.全般気象情報発表の有無 「暴風雪と高波及び大雪に関する全般気象情報」を 05 時頃に発表予定。
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量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。