短期予報解説資料1 2016年 1月12日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①カムチャツカに寒冷渦が停滞し、 概ね北日本で平年より低い寒気流 入が継続。日本海には寒気の吹き 出しに伴う筋状雲が見られる。北 海道では多い所で 6 時間 10cm 程度 の降雪。また、700hPa-24℃以下の 寒気と強い上層正渦を伴うトラフ が北日本に接近中。 ②朝鮮半島付近で 500hPa 5400m 付 近の流れが南下し、西日本をトラ フが東進。東シナ海では寒気移流 が強まり、アメダスで 10m/s 前後 の北寄りの風が継続。 ③前線を伴った低気圧が日本の南 海上を東進。小笠原では南西風が強まってきた。目先落雷や突風、短時間強雨、強風や高波に注意。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①13 日にかけて、日本付近の上空の流れは、500hPa5220m 付近(a)、5460m 付近(b)と 5760m 付近(c)の 三箇所にまとまる。 ②(a)のトラフ(1 項①)が 12 日夜に北日本を通過、降雪の強まりに留意。また、1 項②のトラフが 12 日夜に東日本を東進、13 日にかけて西日本中心に寒気が流れ込む。北日本や東・西日本の日本海側で は、強風や風雪、高波、大雪に注意。西日本では日本海側の気圧の谷付近を中心に落雷や突風のおそ れがあり、山地で降雪がややまとまる。高気圧が北から張り出す沖縄・奄美でも強風、高波に注意。 ③13 日から 14 日にかけて、(a)(b)(c)のトラフがそれぞれ日本に接近、通過して、冬型の気圧配置が 強まる。(a)に対応する低気圧は、13 日夜から 14 日にかけて日本海から北日本を通過する。その南側 では、日本海のシアーライン(北寄りの風と西寄りの風)が北陸を指向する見込み。北日本や北陸地方 を中心に、大雪、強風(日本海で[W]級)や風雪、高波に、シアーライン近傍では落雷や突風、降雪の 強まりに注意。また、(b)に対応して 13 日夜に伊豆諸島近海で発生する低気圧の西側を中心に、強風 に注意。(c)に対応して沖縄の南で気圧の谷が明瞭化し、降水域が拡大する。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM 基本。2 項③の北日本を通過する低気圧は、初期値が新しくなるにつれて風の強ま るタイミングが早くなる傾向がある点に留意。降水や風の予想は MSM も参考。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨・大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間):[雨]高い所(100mm 以上)はない。[雪]北日本~北 陸で 30~40cm、中国 15cm。②波浪:沖縄 4、北日本日本海側・近畿・奄美・伊豆諸島・小笠原 3m。③高 潮:大潮の時期で、北海道太平洋側や西日本など注意報級の所がある。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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