短期予報解説資料1 ２０１６年１月２３日１５時４０分発表気象庁予報部１．実況上の着目点 ①500hPa－45℃以下の非常に強い寒気を伴った寒冷渦が、中国東北区を南東進中。 ②山陰沖には低気圧があり、その西側の西日本から南西諸島にかけて寒気移流が強まっている。日本海や黄海の雲は離岸距離が小さく、下層寒気の強さを示唆。南西諸島の灯台では、20m/s 前後の風が継続。低気圧周辺の西日本日本海側や能登半島で降雪や風が強まり、15cm/3h 前後の降雪。 ③伊豆諸島付近は気圧の谷となり、東の海上で発雷。東日本太平洋側でエコーが広がりつつある。２．主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①寒冷渦の南東進とともに日本付近は西南西流場となり、山陰沖の低気圧は北陸付近に上陸、24 日朝には三陸沖に進む。日本海に残る収束帯上には低気圧が発生、収束帯は 24 日夜にかけて西日本日本海側沿岸まで南下する。1 項③の気圧の谷は東に移動して、23 日夜には関東の東海上で低気圧が発生、発達しながら北東進する。これらの低気圧通過後は、大陸からの優勢な高気圧の張り出しで、日本付近は西から次第に冬型の気圧配置が強まる。 ②25 日にかけて、西日本から東北地方を中心に広い範囲で風雪（強風）や高波に、また日本海側中心に大雪、着雪、なだれに注意。日本海の低気圧・収束帯の周辺を中心に、暴風雪や高波、大雪に警戒、落雷や突風に注意。 ③西日本では、24 日にかけて 850hPa-12℃線が南岸まで南下して寒気の流れ込みがさらに強まる。対流混合層は 700hPa 付近で、背の高い雪雲が太平洋側にも流れ込み、大雪の可能性がある。 ④23 日夜、東日本太平洋側では雪が降り、平地でも積雪の可能性がある。 ⑤南西諸島や九州では 24 日にかけて風が非常に強く、25 日前半にかけて大しけのところがある。高波や強風に警戒、注意。３．数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM 基本だが、低気圧は MSM も参考に予想した。降水や風の予想も MSM を参考。②波：東北太平洋側を中心にカムチャツカ付近からのうねりが到達しており、実況に留意して上方修正。４．防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間)：北陸 80、中国・東海・東北 50、近畿 40、九州北部 30、九州南部・四国・北海道 20cm。②波浪(明日まで)：北陸～西日本日本海側～南西諸島で 6～7m、その他の海域 3～5m。③高潮(明日まで)：大潮期間。北日本太平洋側中心に注意報級。５．全般気象情報発表の有無「暴風雪･高波･大雪に関する全般気象情報」を 17 時頃発表予定。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。