短期予報解説資料1

短期予報解説資料1 2016年 7月25日03時40分発表
気象庁 予報部
1.実況上の着目点
①日本の東には総観規模の寒冷
渦がある。
②日本のはるか東の台風第 2 号
は、25 日 3 時に温帯低気圧とな
った。
③沖縄の南海上に寒冷渦があっ
て南西進している。
2.主要じょう乱の予想根拠と
解説上の留意点
①低気圧が、25 日朝までに日本
海西部で発生し、26 日にかけて
日本海を東進する。
低気圧に向か
って南から下層(地上~925hPa)
の湿った空気が流入するため、26 日にかけて、西日本や東日本では大気の状態が不安定となる。25 日
は西日本を中心に、26 日は東日本を中心に、落雷や突風、激しい雨を伴った短時間強雨に注意。特に、
低気圧近傍の南側では、西から 850hPa 相当温位 345K 以上の暖湿気が流入するため、より強い雨が降
りやすく、局地的には非常に激しい雨の降るおそれもある。また、ここ数日の雨で土壌雨量指数の高
くなっている太平洋側の地域では、土砂災害にも留意。
東日本には、1 項①の寒冷渦に伴う上層寒気が残っている(例えば 500hPa では -6℃以下)
。ここに下
層の湿りが流入するため、東日本は西日本よりも大気の状態が不安定となりやすいことに留意。
②台風第 2 号は、25 日 3 時に温帯低気圧となったが、25 日夜までは最大風速 35kt 以上を維持する。
③沖縄の南の寒冷渦は、25 日午後から 26 日昼前にかけて先島諸島付近を通過する。先島諸島では大気
の状態が不安定となるため、落雷や突風、短時間強雨に注意。
④26 日、北海道では 1 項①の寒冷渦が接近し、大気の状態が不安定となる。局地的な対流雲の発達に
留意。
3.数値予報資料解釈上の留意点
①総観場は最新 GSM を基本とするが、日本海の低気圧は地上からおよそ 600hPa の高さまでしか低気圧の
構造を持たない背の低い低気圧のため、解像度の高い MSM を基本とする。降水や風の予想は過去複数初
期値の MSM を用いて行う。
4.防災関連事項 [量的予報と根拠]
①大雨ポテンシャル(06 時からの 24 時間):高い所(100mm 以上)はない。2 項の短時間強雨に注意。
②波浪(明日まで)
:高い所(3m 以上)はない。
5.全般気象情報発表の有無
発表の予定はありません。
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量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。