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乾燥濃縮人血液凝固第 X 因子加活性化第 VII 因子
バイクロット配合静注用
2.2
緒言
一般財団法人化学及血清療法研究所
2.2
諸言
2.2
緒言
先天性血友病は、乳幼児期より、皮膚、粘膜、深部組織、特に関節内、筋肉内、その他諸臓
器の出血を反復する代表的な X 連鎖劣性遺伝形式を示す出血性疾患であり、血液凝固第 VIII 因
子(以下、FVIII)が欠乏又は機能低下している血友病 A と血液凝固第 IX 因子(以下、FIX)が
欠乏又は機能低下している血友病 B の 2 つの型がある。
先天性血友病患者の一部の患者には投与された FVIII や FIX に対する中和抗体(インヒビタ
ー)が発生し、FVIII 製剤や FIX 製剤の止血効果が著しく低下し、止血治療が困難となる場合が
ある。国内の血友病患者の 6.29%がインヒビターを保有していると報告され、2012 年の国内の
血友病患者 4695 名(血友病 A が 3868 名、血友病 B が 827 名)のうち、FVIII 又は FIX に対す
るインヒビターを保有する先天性血友病患者(以下、インヒビター患者)及び後天性血友病患
者を合わせたインヒビターを保有する患者の数は 237 名(血友病 A が 202 名、血友病 B が 35
名)であった。
一般に、インヒビター患者の急性出血又は手術時の治療において、インヒビターにより失活
する FVIII や FIX を迂回(バイパス)する血液凝固反応により止血を達成するバイパス療法が
行われており、活性型プロトロンビン複合体製剤(販売名ファイバ注射用 バクスター株式会社
製、以下、ファイバ)と遺伝子組換え活性型血液凝固第 VII 因子製剤(販売名ノボセブン®HI
静注用 ノボ ノルディスク ファーマ株式会社製、以下、ノボセブン)の 2 種類のバイパス製剤
が使用されている。
ファイバは、プロトロンビン、FIX、FX 及び血液凝固第 VII 因子(以下、FVII)などの多数
の酵素前駆体とその活性型凝固因子を含有しており、軽度~中等度の出血では 8~12 時間の投
与間隔で 1~2 回/日の投与を 3 日間行えば、止血できることが多いとされる。
ノボセブンは、活性型プロトロンビン複合体製剤が含有する多数の凝固因子の中の止血に必
要と推定されていた FVIIa 以外を排除し、遺伝子組換え技術により生産した遺伝子組換え活性
型血液凝固第 VII 因子(以下、rFVIIa)を唯一の有効成分としている。ノボセブンは、FVIII や
FIX を含有しないことから FVIII インヒビター力価や FIX インヒビター力価の上昇(既往免疫
反応)を招かないこと、組換え体であるためヒト血液由来の感染リスクがないこと、1 回当た
りの投与容量がファイバと比較して少なく、投与時間は 2~5 分程度と短いことなどの特長があ
る。
しかしながら、現在市販されているバイパス製剤には、次のような問題点がある。ファイバ
やノボセブンは、いずれも止血効果が十分ではなく、治療に難渋する症例も少なくない。ファ
イバは、血友病 B のインヒビター患者では製剤中の FIX によりインヒビター力価が上昇するこ
とがあり、血友病 A のインヒビター患者でも製剤中の FVIII 断片により一過性の FVIII インヒ
ビター力価の上昇をきたす場合がある(既往免疫反応)
。また、ファイバは、1 回当たりの投与
容量が多く、投与に時間を要し、身体的負担がある。ノボセブンは、rFVIIa の血中での半減期
が短いため、2~3 時間ごとの投与を頻回に繰り返すこととなり、また 1 回当たり 270 μg/kg を
投与する高用量単回投与法は、重度出血に使用することができないという問題がある。さらに、
ファイバやノボセブンはいずれも輸入製剤であり、国内への不安(輸入が途絶える可能性)が
ある。
MC710(以下、本剤)は、日本赤十字社から供給される国内献血由来の血漿を原料として製
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2.2
諸言
(4)申請用法・用量
本剤 1 バイアルを添付の日本薬局方注射用水 2.5 mL で溶解する。活性化人血液凝固第 VII 因
子として、体重 1 kg 当たり症状に応じて 1 回 60~120 μg を 2~6 分かけて緩徐に静脈内に注射
する。追加投与は、8 時間以上の間隔をあけて行い、初回投与の用量と合わせて、体重 1 kg 当
たり 180 μg を超えないこととする。
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