第 VIII 因子と遺伝子組換え型第 IX 因子との薬物動態比較:どちらの半減

Abstract: S. Björkman
Abstract (Clinical haemophilia )
第 VIII 因子と遺伝子組換え型第 IX 因子との薬物動態比較:どちらの半減
期が加齢と共に変化するか
Comparative pharmacokinetics of factor VIII and recombinant factor IX: for which
coagulation factors should half-life change with age?
S. Björkman
第 VIII 因子( FVIII )の半減期は加齢と共に延長
サイズおよび体液容積の変化との関連を明らかに
するが,遺伝子組換え型第 IX 因子( rFIX )および
するとともに,FVIII の消失半減期が加齢ととも
遺伝子組換え型第 VIIa 因子( rFVIIa )に関するこ
に変化するのに対して,rFIX はそうはならないと
れまでの研究は,同様の加齢性変化を立証してい
考えられる理由を明確にし,この知見を将来的に
ない。本解析の目的は,加齢による FVIII および
他の凝固因子に対しても適用可能とする方法を検
rFIX の薬物動態( PK )の変化と,発育による身体
討することにある。公表済みの PK データを用い,
Haemophilia (2013), 19, 882–886
© 2013 John Wiley & Sons Ltd
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Abstract: S. Björkman
が,rFIX には極めて弱い傾向しか認めることがで
FVIII については 1 ∼ 74 歳の患者 186 名を,rFIX
については 4 ∼ 56 歳の患者 56 名を対象とした。
FVIII および rFIX のクリアランス( CL )と体重と
rFVIIa は rFIX に類似しており,CL および VSS の
の関係は,非比例的な式で表せた。年齢または体
変化が同様であることから,半減期の変化に有意差
重による CL の相対的変化は,FVIII および rFIX
を生じないことが示唆される。凝固因子の消失半減
とも類似していた。rFIX の定常状態分布容積( VSS )
期がどの程度まで年齢との相関を示すことになる
きなかった。限定的なデータから,この点において
の加齢性変化は,小児の CL の変化と類似してい
かは,原則としてその CL および分布の特徴から予
たが,FVIII の VSS の変化ははるかに小さかった。
測可能である。
FVIII の消失半減期は明らかに年齢依存的であった
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