定期補充療法における完全長遺伝子組換え型第 VIII 因子(FVIII)製剤および 半減期延長型 FVIII 製剤 ― 薬物動態モデリングにより示される新たな洞察 Recombinant full-length factor VIII(FVIII)and extended half-life FVIII products in prophylaxis – new insight provided by pharmacokinetic modelling A. Gringeri, M. Wolfsegger, K. N. Steinitz and A. J. Reininger Baxter Innovations GmbH, Vienna, Austria 要 約:半減期延長型第 VIII 因子(FVIII)製剤の または 120 時間ごとに 50 IU/kg,および 168 時間 薬物動態(PK)により,定期補充療法の投与間隔 ご と に 65 IU/kg 投 与 し た 患 者 で は, そ れ ぞ れ 延長が可能になり,その有効性に影響を及ぼす可能 ルが 1 IU/dL ではすべての患者に十分であるとは 41.1%,18.3%,0.9%,0%であった。FVIII レベ ルが 10 IU/dL 超となる 1 週間あたりの時間は, rAHF-PFM を 48 時間ごとに 30 IU/kg 投与した患 者の方が,rFVIIIFc を 96 時間ごとまたは 120 時間 ごとに 50 IU/kg 投与した患者,および 168 時間ご とに 65 IU/kg 投与した患者より長かった。結論と して,PK モデリングは,標準型および半減期延長 型 FVIII 製剤の選択および投与間隔の決定時に,特 言えないという観察結果に基づき,両 FVIII レベル に活動的な生活様式の患者において,出血が予防で を選択した。本アプローチ法を,処方情報に記載さ きるレベルをより長時間にわたって保てるよう, れている,または臨床試験で評価されている投与レ 個々の PK の慎重な評価を要することを示している。 性が考えられる。遺伝子組換え型の完全長血液凝固 第 VIII 因子製剤および B ドメイン除去型のヒト遺 伝子組換え血液凝固第 VIII 因子 Fc 領域融合タンパ ク質製剤について,公表済み母集団 PK モデルを用 い,FVIII レベルが 1 週間あたり 3 IU/dL 未満また は 10 IU/dL 超となる時間を評価した。トラフレベ ジメンを有する重症血友病 A 被験者 1,000 名から なるシミュレーション集団に適用した。FVIII レベ Keywords: extended half-life , factor VIII , ルは,rAHF-PFM を 48 時間ごとに 30 IU/kg 投与 haemophilia , pharmacokinetics , prophylaxis , trough level した患者の 57% で 3 IU/dL 以上を維持したのに対 し,rFVIIIFc を 72 時間ごとに 30 IU/kg,96 時間 Haemophilia (2015), 1–7 DOI: 10.1111/hae.12605 © 2015 The Authors. Haemophilia Published by John Wiley & Sons Ltd. http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/hae.12605/abstract 本誌の日本語訳は原著者の許可を得てワイリー・パブリッシング・ジャパンが作成しています。 無断複製・転載・修正は著作権法により禁じられています。 詳しくは「ヘモフィリアステーション」をご覧ください。 http://www.hemophilia-st.jp/medical/
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