予習資料

機械数学演習 ベクトル解析 (2)
高畑 智之
2014 年 12 月 8 日の演習のための予習資料
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前回の予習資料に誤りがありましたので,訂正します.
2. 次のベクトル恒等式が成り立つことを示せ.
(c) (A × B) · (C × D) = (A · C) (B · D) − (A · D) (B · C)
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演習の前半に小テストを実施するので,以下を予習しておくこと.なお問題は下記の書籍を参考にした.
• 日本機械学会, “機械工学のための数学,” 日本機械学会, 2013.
• 高木周, “機械系のための数学,” 数理工学社, 2005.
• 初貝安弘, “物理学のための応用解析,” サイエンス社, 2003.
• 青木利夫, 川口俊一, 高野清治, “演習・ベクトル解析,” 培風館, 1983.
スカラー線積分
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曲線 C の方程式が弧長 s を媒介変数として用いて表されているとき,スカラー場 f の曲線 C に沿った線積
分は,
∫
∫
f ds =
C
a
f (x(s), y(s), z(s))ds
b
である.さらに,曲線 C の方程式が一般の媒介変数 t を用いて表されているとき,スカラー場 f の曲線 C に
沿った線積分は,
∫
∫
a
ds
f (x(t), y(t), z(t)) dt
dt
b
√( )
( )2 ( )2
∫ a
2
dx
dy
dz
=
+
+
dt
f (x(t), y(t), z(t))
dt
dt
dt
b
f ds =
C
となる.
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✑
例題
√
1. 曲線 C: x(t) = (t,
6 2 3
t , t ), 0 ≤ t ≤ 1 に沿うスカラー場 f = x2 yz の線積分を求めよ.
2
2. 半径 r の円の円周の長さを求めよ.
ベクトル線積分
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曲線 C の方程式が媒介変数 t で表されているとき,ベクトル場 F (r (t)) の曲線 C に沿った線積分 (または接
戦線積分) を下記のように計算できる.
∫
∫
a
F · dr =
F·
C
✒
b
dr
dt
dt
✑
例題
1. 曲線 C: v(t) = (t2 + 1, 2t2 , t3 ), 0 ≤ t ≤ 1 に沿うベクトル場 F = (x + 2y, −z, yz) の接線線積分を求めよ.
∫
2. 曲線 C: v(t) = (cos t, sin t, 2 cos t), 0 ≤ t ≤ π/2 に沿うベクトル場 F = (2y, −z, z) の線積分 C F × dv を求
めよ.(このような線積分もある)
スカラー面積分
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曲面 S が媒介変数 u, v で表されている.スカラー場 f の曲面 S に沿った面積分は,
∫
∫ ∫
√
f dS =
f (x(u, v), y(u, v), z(u, v)) EG − F 2 dudv
S
D
である.ただし,E, F, G のことを曲面 S の第 1 基本量といい,
∂r
∂u
∂r
F =
∂u
∂r
G=
∂v
E=
∂r
∂u
∂r
·
∂v
∂r
·
∂v
·
である.
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✑
例題
1. S を半径 1 の球面 r(u, v) = (sin u cos v, sin u sin v, cos u),(0 ≤ u ≤ π, 0 ≤ v ≤ 2π) とするとき,面積分
を求めよ.
2. 半径 r の円の球の面積を求めよ.
2
∫
S
dS
ベクトル面積分
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ベクトル場 F の曲面 S 上での面積分 (または法線面積分) は
∫
F · dS
S
である.曲面 S を φ (x, y, z) = 0,(x, y) ∈ D と表すことができるとき,単位法線ベクトル n =
いて,
∫
∫∫
F · dS =
S
F ·n
D
∇φ
を用
|∇φ|
1
dxdy
|n · ez |
となる.
✒
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例題
1. 半径 1 の上半球面 S について,ベクトル場 F = (2x, 2y, z) の法線面積分
∫
S
F · dS を求めよ.
2. S が平面 x + y + z = 1 の第 1 象限の部分で F = (x2 , 0, 3y 2 ) のとき,法線面積分を求めよ.
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