機械数学演習 ベクトル解析 (3) 高畑 智之 2014 年 12 月 15 日の演習のための予習資料 演習の前半に小テストを実施するので,以下を予習しておくこと.なお問題は下記の書籍を参考にした. • 日本機械学会, “機械工学のための数学,” 日本機械学会, 2013. • 高木周, “機械系のための数学,” 数理工学社, 2005. • 初貝安弘, “物理学のための応用解析,” サイエンス社, 2003. • 青木利夫, 川口俊一, 高野清治, “演習・ベクトル解析,” 培風館, 1983. ガウスの定理(発散定理) ✓ ✏ 空間内の領域 V が閉曲面 S で囲まれているとする.また,閉曲面 S の単位法線ベクトルを n とし,n は S の 外側を向いているとする.このとき,領域 V 内のベクトル場 F に対して次が成り立つ. ∫ ∫ ∫ ∇ · vdV = F · ndS = F · dS V ✒ S S ✑ 例題 1. ガウスの定理を用いて S: x2 + y 2 + z 2 = 1 に沿うベクトル場 F = (ax, by, cz) の法線面積分を求めよ. 4π 解: (a + b + c) 3 2. ガウスの定理を用いて,面 S: x = −1, y = −1, z = −1, x = 1, y = 1, z = 1 で囲まれる立方体の表面に沿う ベクトル場 F = (x + y + z, z + x, x + y) の法線面積分を求めよ. 解:8 ストークスの定理(回転定理) ✓ ✏ 曲面 S が閉曲線 C を境界に持つとする.また,閉曲線 C に向きを与え,その向きにまわる右ねじの進む方向 に n をとる.このとき,曲面 S 上のベクトル場 F に対して次が成り立つ. ∫ ∫ (∇ × F ) · dS = F × ndS = F · dr ✒ S S C ✑ 例題 1. ストークスの定理を用いて,上半球 S: x2 + y 2 + z 2 = 4, z ≥ 0 に沿うベクトル場 F = (3y, 5 − 2x, z 2 − 2) の回転 ∇ × F の法線面積分を求めよ. 解:−20π スカラーポテンシャル ✓ ✏ ベクトル場 F に対して F = ∇φ を満たすスカラー場 φ が存在するとき,F はスカラーポテンシャル φ を持 つという.このとき,A から B に向かう任意の曲線 C に対して ∫ F · dr = f (B) − f (A) C ✒ ✑ 例題 1. 曲線 C を,原点から (0, 3, 0) に至る y 軸上に中心を持つ xy 平面内の円弧とする.保存ベクトル場 F = (zexz , 0, xexz ) のスカラーポテンシャル φ を求めることにより,曲線 C に沿う F の接線線積分を求めよ. 解:0 2. 保存ベクトル場 F = (2xy + z 3 , x2 , 3xz 2 ) のスカラーポテンシャル φ を求めることにより,点 (1, −2, 1) か ら (3, 1, 4) に至る線分に沿う F の接線線積分を求めよ. 解:202 平面のグリーンの定理 ✓ ✏ xy 平面上において単一閉曲線 C で囲まれた領域 D 上のスカラー場 f, g に対して次が成り立つ.ただし C は 左向きとする. ∫∫ ∂f ∂g − )dxdy = (f dx + gdy) ( ∂y C D ∂x (f, g) · dr = C ✒ 例題 1. 曲線 C を xy 平面上の円周 x2 + y 2 = 9 とするとき,ベクトル場 F = (3x + 4y, 2x + 3y, 5z − 2x) に対する ∫ 線積分 C F · dr をグリーンの定理を用いて計算せよ. 解:−18π 2. 曲線 C を xy 平面上の円周 x2 + y 2 = 9 とするとき,F = (2x2 + y, x2 + yz + 2z, 2z) に対して,線積分 ∫ F · dr をグリーンの定理を用いて計算せよ. C 解:−9π 2 ✑
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