解析学ⅡA演習

解析学 IIA 演習 No.01
[1] 直交座標 (x, y, z) における勾配は次式で与えられることを示せ.
∇f =
∂f
∂f
∂f
ex +
ey +
ez
∂x
∂y
∂z
[2] 球座標 (r, θ, φ) における勾配は次式で与えられることを示せ.
∇f =
1 ∂f
1 ∂f
1 ∂f
er +
eθ +
eφ
hr ∂r
hθ ∂θ
hφ ∂φ
[3] 円柱座標 (r, θ, z) における勾配は次式で与えられることを示せ.
∇f =
1 ∂f
1 ∂f
1 ∂f
er +
eθ +
ez
hr ∂r
hθ ∂θ
hz ∂z
[4] 次のスカラー場 f についてベクトル場 V = −∇f を求めよ.


V x
(x < −1)


 0
V
(1) f (r) = − 0 (x2 + 1) (−1 ≦ x ≦ 1)
(直交座標)

2


−V x
(1 < x)
0

 V0 (3 − r2 ) (r ≦ 1)
2
(2) f (r) =
(球座標)
V /r
(1
<
r)
0

 V0 (1 − r2 ) (r ≦ 1)
2
(3) f (r) =
(円柱座標)
−V log r
(1 < r)
0
[5] スカラー場 f (x, y) = xy の勾配 ∇f を図 1 に示す 3 つの積分経路に沿って線積
分を計算し, 同じ値が得られることを確かめよ (C1 :折れ線, C2 :直線, C3 :放物線).
y
1
C1 C2
C3
0
x
1
図1
解析学 IIA 演習 No.02
[1] 直交座標 (x, y, z) における回転は次式で与えられることを示せ.
∇×V =
ex
ey
ez
∂
∂x
∂
∂y
∂
∂z
Vx
Vy
Vz
[2] 球座標 (r, θ, φ) における回転は次式で与えられることを示せ.
∇×V =
er
hθ hφ
∂
∂r
eθ
hφ hr
∂
∂θ
eφ
hr hθ
∂
∂φ
Vr hr
Vθ hθ
V φ hφ
[3] 円柱座標 (r, θ, z) における回転は次式で与えられることを示せ.
∇×V =
er
hθ hz
∂
∂r
eθ
hz hr
∂
∂θ
ez
hr hθ
∂
∂z
V r hr
Vθ hθ
V z hz
[4] 幅 2a の川について考える. 川は x 軸の正の向きに流れているとし, 川の中心
線を x 軸に, 川を横切る方向に y 軸をとるものとする. 流れがベクトル場 V (r) =
V0 (1 − y 2 /a2 ) ex (直交座標) によって表されるとき, V (r) の回転を計算せよ. また,
この結果から渦の様子について説明せよ.
[5] 次のベクトル場 V (r) の回転を計算せよ. また, それぞれの場合の渦の様子につ
いて説明せよ.
(1) V (r) =
sin θ
2 cos θ
er + 3 eθ (球座標)
3
r
r
(2) V (r) = r eθ (円柱座標)
解析学 IIA 演習 No.03
[1] 直交座標 (x, y, z) における発散は次式で与えられることを示せ.
∇·V =
∂Vx ∂Vy ∂Vz
+
+
∂x
∂y
∂z
[2] 球座標 (r, θ, φ) における発散は次式で与えられることを示せ.
(
)
1
∂ V r hθ hφ ∂ V θ hφ hr ∂ V φ hr hθ
∇·V =
+
+
hr hθ hφ
∂r
∂θ
∂φ
[3] 円柱座標 (r, θ, z) における発散は次式で与えられることを示せ.
(
)
1
∂ V r hθ hz ∂ V θ hz hr ∂ V z hr hθ
∇·V =
+
+
hr hθ hz
∂r
∂θ
∂z
[4] 次のベクトル場 V (r) の発散を計算せよ. また, それぞれの場合の湧き出しの様
子について説明せよ.
(1)



−V0 ex
V (r) = V0 x ex


V e
0
(2)
x
{
V (r) =
(3)
V (r) =
(x < −1)
(−1 ≦ x ≦ 1)
(直交座標)
(1 < x)
V0 r er
(r ≦ 1)
V0 /r2 er
(1 < r)
{
V0 r er
V0 /r er
(r ≦ 1)
(球座標)
(円柱座標)
(1 < r)
[5] 直交座標, 球座標, 円柱座標におけるラプラシアン ∇2 をそれぞれの座標変数を
用いて表すと次のようになることを示せ.
∂2f
∂ 2f
∂ 2f
+
+
∂x2
∂y 2
∂z 2
(
)
(
)
1 ∂
1
∂
∂f
1
∂ 2f
2
2 ∂f
球座標 : ∇ f = 2
r
+ 2
sin θ
+ 2 2
r ∂r
∂r
r sin θ ∂θ
∂θ
r sin θ ∂φ2
(
)
1 ∂
∂ 2f
∂f
1 ∂ 2f
円柱座標: ∇2 f =
r
+ 2 2 + 2
r ∂r
∂r
r ∂θ
∂z
直交座標: ∇2 f =
解析学 IIA 演習 No.04
[1] ベクトル場 V (r) = V0 (1 − y 2 /a2 ) ex (直交座標) を考える. 図 1 に示す xy 平面
(z = 0) の上の経路 C0 とその内部の領域についてストークスの定理が成り立って
いることを確かめよ. ただし, ∆x, ∆y は必ずしも微小量とは限らないとする.
[2] ベクトル場 V (r) = r eθ (円柱座標) を考える. 図 2 に示す rθ 曲面 (z = 0) の上
の経路 C0 とその内部の領域についてストークスの定理が成り立っていることを確
かめよ. ただし, ∆r, ∆θ は必ずしも微小量とは限らないとする.
[3] ベクトル場



−V0 ex
V (r) = V0 x ex


V e
0
(x < −1)
(−1 ≦ x ≦ 1)
(直交座標)
(1 < x)
x
を考える. 直方体 {(x, y, z)| − a ≦ x ≦ a, 0 ≦ y ≦ 1, 0 ≦ z ≦ 1} の表面とその内
部の領域についてガウスの定理が成り立っていることを確かめよ. ただし, 直方体
の外側を面の表とする.
[4] ベクトル場
V (r) =
{
V0 r er
V0 /r2 er
(r ≦ 1)
(球座標)
(1 < r)
を考える. 半径 a の球の表面とその内部の領域についてガウスの定理が成り立って
いることを確かめよ. ただし, 球面の外側を面の表とする.
[5] ベクトル場
V (r) =
{
V 0 r er
V0 /r er
(r ≦ 1)
(円柱座標)
(1 < r)
を考える. 円柱 {(r, θ, z)|0 ≦ r ≦ a, 0 ≦ θ < 2π, 0 ≦ z ≦ 1} の表面とその内部の
領域についてガウスの定理が成り立っていることを確かめよ.
y
y
y0+∆y
D
C
C
∆r
C0
y0
z
D
r0
A
x0
B
x0+∆x
図1
C0
x
z
∆θ
θ0
B
A
図2
x
解析学 IIA 演習 No.05
[1] 直交座標 (x, y, z) を球座標 (r, θ, φ) によって表せ. さらに, これを利用して球座
標のスケール因子 hr , hθ , hφ を計算によって求めよ.
[2] 直交座標 (x, y, z) を円柱座標 (r, θ, z) によって表せ. さらに, これを利用して円
柱座標のスケール因子 hr , hθ , hz を計算によって求めよ.
[3] ベクトル場 V が保存場であるとき, スカラー場 f を
∫ u
Vu hu (u′ , v0 , w0 ) du′
f (u, v, w) =
u0
∫ v
∫ w
′
′
+
Vv hv (u, v , w0 ) dv +
Vw hw (u, v, w′ ) dw′
v0
w0
によって定めると, V は V = ∇f として与えられることを示せ.
[4] 次のベクトル場 V が保存場であるかどうか判定せよ. 保存場である場合は V =
∇f を満たす f を求めよ.
(1) V = y 2 z 3 ex + 2xyz 3 ey + 3xy 2 z 2 ez
(2) V = x2 y 2 z ex + x3 yz ey + x3 y 2 ez
(3) V = (x + yez ) ex + xez ey + xyez ez
(4) V = cos x sin y ex + sin x cos y ey + sin z ez
[5] 球座標 (r, θ, φ) において θ = α (α < π/2 とする) によって定まる φr 曲面は円錐
の側面を表す. この円錐の底面の原点 O に対する立体角を求めよ.
解析学 IIA 演習 No.06
[1] 図のような回路を考え, コンデンサー C に交流電圧を加える. このとき, 以下の
問に答えよ. ただし, (1), (2) は複素数を用いないで答えること.
I(t)
C
V(t)
(1) 交流電圧が V1 (t) = V0 cos ωt のとき, 回路に流れる電流 I1 (t) を求めよ (結果
より V1 (t) は I1 (t) に比例しないことがわかる).
(2) 交流電圧が V2 (t) = V0 sin ωt のとき, 回路に流れる電流 I2 (t) を求めよ (結果
より V2 (t) は I2 (t) に比例しないことがわかる).
ˆ を Vˆ (t) def
ˆ def
(3) 複素電圧 Vˆ (t), 複素電流 I(t)
= V1 (t) + jV2 (t), I(t)
= I1 (t) + jI2 (t)
jωt
jωt
ˆ = Iˆ0 e と書けることを示し, Vˆ0 ,
と定義する. このとき, Vˆ (t) = Vˆ0 e , I(t)
Iˆ0 を ω, C, V0 で表せ.
ˆ に比例し, Vˆ (t) = ZC I(t)
ˆ と書ける. この比例係
(4) (3) の結果より Vˆ (t) は I(t)
数 ZC を求めよ.
ˆ を図示し, これらの偏角のあいだにはどのような関
(5) 複素平面上に Vˆ (t), I(t)
係があるかについて説明せよ.
※ ここで求めた ZC をコンデンサー C の複素インピーダンスという.
[2] 次の複素数を複素平面上に図示し, さらに, 極形式で表せ.
√
(1) 1 + i
(2) 1 − i
(3) 1 + 3 i
[3] 次の複素数の値をすべて求め, 複素平面上に図示せよ.
(1) (−i)1/3
(2) (1 + i)2/3
解析学 IIA 演習 No.07
[1] 図のような回路を考え, コイル L に交流電圧を加える. このとき, 電流の直流成
分はないものとして, 以下の問に答えよ. ただし, (1), (2) は複素数を用いないで答
えること.
L
I(t)
V(t)
(1) 交流電圧が V1 (t) = V0 cos ωt のとき, 回路に流れる電流 I1 (t) を求めよ (結果
より V1 (t) は I1 (t) に比例しないことがわかる).
(2) 交流電圧が V2 (t) = V0 sin ωt のとき, 回路に流れる電流 I2 (t) を求めよ (結果
より V2 (t) は I2 (t) に比例しないことがわかる).
ˆ を Vˆ (t) def
ˆ def
(3) 複素電圧 Vˆ (t), 複素電流 I(t)
= V1 (t) + jV2 (t), I(t)
= I1 (t) + jI2 (t)
jωt ˆ
jωt
ˆ
ˆ
ˆ
と定義する. このとき, V (t) = V0 e , I(t) = I0 e と書けることを示し, Vˆ0 ,
Iˆ0 を ω, L, V0 で表せ.
ˆ に比例し, Vˆ (t) = ZL I(t)
ˆ と書ける. この比例係
(4) (3) の結果より Vˆ (t) は I(t)
数 ZL を求めよ.
ˆ を図示し, これらの偏角のあいだにはどのような関
(5) 複素平面上に Vˆ (t), I(t)
係があるかについて説明せよ.
※ ここで求めた ZL をコイル L の複素インピーダンス という.
[2](1 − i)−4/3 の値をすべて求め, 複素平面上に図示せよ.
[3]w = 2z 3 + z において z = x + iy, w = u(x, y) + iv(x, y) とおいたとき, u(x, y),
v(x, y) を求めよ.
[4] 次の極限値を求めよ.
z 2 − (2 + i)z + 2i
z→i
z−i
(1) lim
[5]w =
z¯2
z→0 z
(2) lim
z¯
(z ̸= 0) は, z = 0 で極限値をもたないことを示せ.
z
解析学 IIA 演習 No.08
[1] 図のような回路において, 電圧 V1 , V2 をかけたときに流れる電流を I1 , I2 とす
る. このとき以下の問に答えよ.
V1
I1
V2
C
2
L
C
3
I2
L
(1) キルヒホッフの法則にもとづき, 電圧, 電流の間に関係式
[
][
] [
]
Ls + 2/Cs
−2/Cs
I1
V1
=
−2/Cs
Ls + 2/Cs + 3/Cs
I2
V2
が成り立つことを示せ. ただし, ここで s = jω とおいた.
(2) 特別な角周波数 ω0 においては, 電圧がたとえ零であっても有限の大きさの
電流が流れ得る. そのための条件は, (1) で得た関係式の左辺に現れる行列
Z の行列式 det Z が零となることである. その数学的理由を説明せよ.
(3) det Z = 0 から決まる ω0 (二つ) を求めよ.
(4) (3) で得たそれぞれの ω0 の場合について比 I1 : I2 を求めよ.
(5) それぞれの ω0 の場合について電気振動の様子を図に描け.
※ Z をこの回路のインピーダンス行列, また, ω0 を共振角周波数という.
[2]w = z 2 について以下の問に答えよ.
(1) w の実部 u と虚部 v を求め, ez × ∇u = ∇v が成り立つことを確かめよ.
(2) u=一定で決まる u の等高線および v=一定で決まる v の等高線を z 平面上
に重ねて図示せよ.
[3]w = 1/z について以下の問に答えよ.
(1) w の実部 u と虚部 v を求め, ez × ∇u = ∇v が成り立つことを確かめよ.
(2) u=一定で決まる u の等高線および v=一定で決まる v の等高線を z 平面上
に重ねて図示せよ.
[4]ez × ∇u = ∇v は
と同値であることを示せ.
∂v
∂u
=
∂x
∂y
∂u
∂v
=−
∂x
∂y
解析学 IIA 演習 No.09
[1] 図のような回路において, 電圧 V をかけたときに流れる電流を I とする. この
とき, 端子 AA′ から見こむインピーダンスを Z として, 以下の問に答えよ. ただし,
s = jω とおく.
A
I
C
2
V
L
C
3
L
A’
(1) Z を s の多項式の商の形で表せ (多項式の商の形で表される関数を有理関数
という).
(2) Z = 0 となる s を求めよ (Z = 0 を満たす s を Z の零点という).
(3) Z = 0 を満たす角周波数 ω の電圧 V がかけられると, この回路は短絡され
たように振舞い, 非常に大きな電流 I が流れる. その理由を説明せよ (この
現象を直列共振 という).
(4) Z = ∞ となる s を求めよ (Z = ∞ を満たす s を Z の極という).
(5) Z = ∞ を満たす角周波数 ω の電圧 V がかけられると, 電流 I はほとんど流
れず, 電圧 V に応じた電流が回路内部に生じる. その理由を説明せよ (この
現象を並列共振という).
※ 一般に, Z の零点が直列共振の角周波数に対応し, Z の極が並列共振の角周
波数に対応する.
[2] 以下の問に答えよ.
(1) 関数 u(x, y) = ex cos y は, 2 次元ラプラス方程式を満たすことを示せ.
(2) u(x, y) に共役な調和関数 v(x, y) を求めよ.
(3) f (z) = u(x, y) + iv(x, y), z = x + iy とおいたとき, f (z) を求めよ.
[3] 正則関数 f (z) の実部を u(x, y), 虚部を v(x, y) とする. このとき, 以下の問に答
∂
∂
∂
∂
えよ. ただし, ∇ =
+ i および ∇ =
− i とする.
∂x
∂y
∂x
∂y
(1) i∇u = ∇v はコーシー・リーマンの微分方程式
∂u
∂v
=
∂x
∂y
∂u
∂v
=−
∂x
∂y
と同値であることを示せ.
(2) 2 次元ラプラシアンは △ = ∇∇ = ∇∇ と表せることを示し, このことから
u, v が 2 次元ラプラス方程式を満たすことを導け.
解析学 IIA 演習 No.10
[1] 図のような無限に長いはしご型回路において, n 番目のループを流れる電流を
In とする. このとき以下の問に答えよ.
Z1
Z2
Z1
Z2
In−1
In
Z1
Z2
In+1
Z2
(1) n 番目のループについて, キルヒホッフの法則を適用することにより Z1 In +
Z2 (−In−1 + 2In − In+1 ) = 0 が成り立つことを示せ.
k
が成り立た
2
なければならないこと示せ (ここで, k = 2π/波長 を波の波数という).
(2) In = Ae−jkn とおくと, A ̸= 0 であるためには Z1 = −4Z2 sin2
(3) 素子 1 がコイル L で素子 2 がコンデンサー C の場合, (2) で得た条件から
2
k
ω=√
sin でなければならないことを示せ.
2
LC
(4) 素子 1 がコンデンサー C で素子 2 がコイル L の場合, (2) で得た条件から
1
ω= √
でなければならないことを示せ.
2 LC sin k2
(5) k と k + 2π は同じ電流の状態を表すことを説明せよ. また, (3), (4) のそれ
ぞれの場合について, −π ≤ k ≤ π において ω = ω(k) のグラフを描け.
※ (3), (4) のはしご型回路をそれぞれ低域通過フィルタ, 高域通過フィルタと
いう.
[2] 正則関数 f (z) = u + iv = ReiΨ を z = x + iy = reiθ の関数とみて, (1) から (4)
の形のコーシー・リーマンの微分方程式が成り立つことを示し, さらに, (5) に答
えよ.
(1) (x, y) と (u, v) について,
∂u
∂v
∂v
∂u
=
および
=− .
∂x
∂y
∂x
∂y
(2) (r, θ) と (u, v) について,
∂u
1 ∂v
∂v
1 ∂u
=
および
=−
.
∂r
r ∂θ
∂r
r ∂θ
(3) (x, y) と (R, Ψ) について,
∂R
∂Ψ
∂Ψ
∂R
=R
および R
=−
.
∂x
∂y
∂x
∂y
(4) (r, θ) と (R, Ψ) について,
R ∂Ψ
∂R
∂Ψ
1 ∂R
=
および R
=−
.
r ∂θ
∂r
∂r
r ∂θ
∂
∂
∂
1 ∂
+i
が ∇ = eiθ
+ ieiθ
と書けることを示し, (1), (2) は
∂x
∂y
∂r
r ∂θ
i∇u = ∇v と, また, (3), (4) は i∇R = R∇Ψ と同値であることを確かめよ.
(5) ∇ =
解析学 IIA 演習 No.11
[1] 図のような無限に長いはしご型回路について, 端子 AA′ から見こむインピーダ
ンスを Z とする. このとき以下の問に答えよ. ただし, s = jω とおく.
A
Z1
V
Z1
Z2
Z1
Z1
Z2
=V
Z2
Z2
Z
=V
Z
A’
(1) 上の図の意味について説明せよ.
Z2 Z
Z1
(2) Z = Z1 +
となること, さらに, これを Z について解いて Z =
+
Z2 + Z
2
√
Z12
+ Z1 Z2 となることを示せ.
4
(3) 素子 1 がコイル L で素子 2 がコンデンサー C の場合の Z を s の関数として
求めよ. さらに, Z が抵抗分をもつのは ω の値がどのような範囲にあるとき
かについて調べよ.
(4) 素子 1 がコンデンサー C で素子 2 がコイル L の場合の Z を s の関数として
求めよ. さらに, Z が抵抗分をもつのは ω の値がどのような範囲にあるとき
かについて調べよ.
(5) (3), (4) のように, この回路では素子として抵抗がないにもかかわらず, ω の
値によっては Z が抵抗分をもつことがわかる. その物理的理由について説
明せよ. 特に, 演習 No.10[1] の結果との関連について考察すること.
※ インピーダンスを Z = R + jX と実部と虚部に分けて書くとき, 実部 R を
抵抗分, 虚部 X をリアクタンスという.
[2] 次の関数の, |z| < ∞ なる領域における零点と極を求めよ. このとき, それぞれ
の位数も示すこと.
(1) z +
1
z
(2)
z
2
z +1
(3)
z3 − z2
z2 + 1
(4)
[3]z = x + iy のとき, eiz の実部と虚部を求めよ. また,
示せ.
z2
z3 − z2 − z + 1
deiz
= ieiz となることを
dz
解析学 IIA 演習 No.12
[1] 図のような無限に長いはしご型回路について, 端子 AA′ (演習 No.11[1] の図を参
照) から見こむインピーダンスを Z とする. このとき以下の問に答えよ. ただし,
s = jω とおく.
Z2
Z1
B
Z1
In
Z2
In+1
Z2
=
B’
Z2
Z1
B
In
Z2
In+1
Z
=
Z2
Z1
B
In
Z’
B’
B’
(1) 上の図の意味について説明し, 右端の図の Z ′ を Z と Z1 で表せ.
def
(2) BB ′ 間の電圧降下が中央と右端の図で同じであることから, α =
In+1
は
In
Z − Z1
で与えられることを示し, |α| および arg α の物理的意味を説明せよ.
Z
(3) 素子 1 がコイル L で素子 2 がコンデンサー C の場合の α を s の関数として
求めよ. さらに, ω の関数としての |α| をグラフに描け.
(4) 素子 1 がコンデンサー C で素子 2 がコイル L の場合の α を s の関数として
求めよ. さらに, ω の関数としての |α| をグラフに描け.
(5) (3), (4) で描いた |α| のグラフの物理的意味を説明せよ. 特に, 演習 No.10[1]、
No.11[1] の結果との関連について考察すること.
[2]cos z, sin z の実部, 虚部を求めよ. さらに, | cos i| > 1 を示せ. この結果から, 複
素変数 z に対しては, 不等式 | cos z| < 1, | sin z| < 1 は必ずしも成り立たないこと
がわかる.
[3] 次の極限値を求めよ.
z2 + 1
z→i z − i
(1) lim
(2) lim
z→0
sin z
z
cos z
z→π/2 z − π/2
(3) lim
(4) lim
z→0
1 − cos z
z2
解析学 IIA 演習 No.13
[1] 図のような無限に長いはしご型回路において, n 番目のループを流れる電流を
In とする. このとき以下の問に答えよ.
Z1
Z2
In-1
Z3
Z1
Z2
In
Z3
Z1
Z2
In+1
Z2
Z3
(1) n 番目のループについて, キルヒホッフの法則を適用することにより (Z1 +
Z3 )In + Z2 (−In−1 + 2In − In+1 ) = 0 が成り立つことを示せ.
k
が成り
2
立たなければならないこと示せ (ここで, k = 2π/波長 を波の波数という).
(2) In = Ae−jkn とおくと, A ̸= 0 であるためには Z1 + Z3 = −4Z2 sin2
(3) 素子 1 がコイル
L で素子 2, 3 がコンデンサー C, C ′ の場合, (2) で得た条件
√
4
k
1
から ω =
sin2 +
でなければならないことを示せ.
LC
2 LC ′
(4) 素子 1 がコンデンサー C で素子 2, 3 がコイル L, L′ の場合, (2) で得た条件
1
から ω = √
でなければならないことを示せ.
4LC sin2 k2 + L′ C
(5) k と k + 2π は同じ電流の状態を表すことを説明せよ. また, (3), (4) のそれ
ぞれの場合について, −π ≤ k ≤ π において ω = ω(k) のグラフを描け.
※ (3), (4) のはしご型回路を帯域通過フィルタという.
[2] 次の関数の, |z| < ∞ なる領域における零点と極を求めよ. このとき, それぞれ
の位数も示すこと.
sin π2 z
zez
zeπz
eiπz
sin πz
(2) 2
(3)
(4)
(5)
(1)
(z + (π/2)i)2
z +1
z(z − 1)2
z2
z(z − 1)(z − 2)
2
z sinh z
2z cos πz
z
cos z
(6)
(7)
(9) tan z (10)
(8)
1 2
z − πi
sin z
z
(z − 2 ) (z − 5)