スカラー場の勾配

スカラー場の勾配
スカラー場とベクトル場
 空間の各点 x, y, z にスカラー f が対応しているとき,
スカラー場 f x, y, xが定義されているという.
 空間の各点 x, y, z にベクトル A が対応しているとき,
ベクトル場 Ax, y, z = Ax x, y, z, Ay x, y, z, Azx, y, z が定義されているという.
スカラー場・ベクトル場の例
 流体(大気,海水など)の各点における温度 Ø スカラー場
 流体の各点における流速 Ø ベクトル場
 原点からの距離 r =
x 2 + y 2 + z2 Ø スカラー場(とみなせる)
 各点での位置ベクトル r = x, y, z Ø ベクトル場(とみなせる)
スカラー場の表現
スカラー場のグラフ表現
n次元スカラー場 f x1 , ..., xn  を(n+1)次元のグラフ x1 , ..., xn , f x1 , ..., xn  で表現
Ø 視覚的に表現できるのは n = 1, 2 のとき
2
VA04ScalarVectorField.cdf
1
2
3
等位面による表示
f x1 , ..., xn  = c を満たす集合を等位面とよぶ.スカラー場は等間隔のcに対する等位面の集まり(等
位面群)によって,n次元空間内に表すことができる.
VA04ScalarVectorField.cdf
c
1
2
3
4
3
4
VA04ScalarVectorField.cdf
ベクトル場の表現
各点 x1 , ..., xn  を始点としてベクトル A(x1 , ..., xn  を描く.
例)A x, y =  ,
1
2
1
2
y
n
m
5
4
3
2
1
-1
1
-1
3次元のベクトル場
例) A(x,y,z)=(x,-y,-z)
2
3
4
5
VA04ScalarVectorField.cdf
1
0
-1
1
0
-1
-1
0
1
ベクトル場の流線表示(積分曲線)
ベクトル場 A に対して
dr
t = Art
dt
を満たす曲線 rt を A の積分曲線とよぶ.
5
6
VA04ScalarVectorField.cdf
1
2
3
4
5
6
Ax,y=2x,-2y
2
1
0
-1
-2
-2
-1
0
1
勾配の図形的意味
スカラー場 f の勾配ベクトル場 grad f は,
1) スカラー場の等位面に垂直で,
2) 大きさは各点における f の方向微分の最大値
になる.
2
VA04ScalarVectorField.cdf
1
2
3
4
方向微分
p を通り v を方向ベクトルとする直線は rt = p + tv と書ける.
このときスカラー場 f の v の向きへの方向微分は
d
dt
f rt)
で定義される.
t=0
7
8
VA04ScalarVectorField.cdf
θ
θ