大学入試問題集・ベクトルと図形 (解答編 ) 9 (問題 3) △ ABC の外心(外接円の中心) O が三角形の内部にあるとし,α, β, γ は Y −−→ −−→ −−→ → − αOA + βOB + γOC = 0 を満たす正の数であるとする。また,直線 OA,OB,OC がそれぞれ辺 BC,CA,AB と交わる 点を A′ ,B′ ,C′ とする。 AR −−→ −−→ (1) OA, α, β, γ を用いて OA′ を表せ。 (2) △ A′ B′ C′ の外心が O に一致すれば α = β = γ であることを示せ。 BR (名古屋大・理系) A B′ O B LI C′ (1) C CO A′ ✍ A は BC の内分点であるから,内分点の公式の形を作って考える。 ′ ST −−→ −−→ −−→ → − • αOA + βOB + γOC = 0 より −−→ −−→ −−→ −−→ βOB + γOC β+γ βOB + γOC −−→ 1 OA = − =− · ···○ α α β+γ −−→ −−→ βOB + γOC −−→ 2 である。 • BC を γ : β に内分する点を P とすると,OP = ···○ β+γ 大学入試問題集・ベクトルと図形 10 (解答編) α −−→ OA であるから,P は直線 OA 上にある。 β+γ −−→ • OP = − Y β + γ −−→ α −−→ −−→ −−→ 1 ○ 2 より,OA = − • ○ OP つまり OP = − OA となる。 α β+γ (2) ✍ O が △ A B C の外心となるための必要十分条件は,OA ′ ′ ′ ′ = OB′ = OC′ となることである。 BR そこで,まず OA′ , OB′ , OC′ を計算する。 AR • P は BC の内分点で直線 OA 上にあるから,直線 OA と辺 BC の交点に他ならない。よって −−→ α −−→ OA である。 P = A′ となり OA′ = − β+γ • A,B,C および α, β, γ の役割を入れ換えて (1) と同様の議論をすれば −−→′ OA = − α −−→ OA, β+γ −−→′ OB = − β −−→ OB, γ+α −−→′ OC = − γ −−→ 1 となる。 OC · · · ○ α+β LI 1 より • △ A′ B′ C′ の外心が O であるから,OA′ = OB′ = OC′ となる。よって ○ β γ α 2 である。 · OA = · OB = · OC · · · ○ β+γ γ+α α+β 2 より • もともと O は △ ABC の外心であるから,OA = OB = OC。従って ○ β γ α 3 となる。 = = ···○ β+γ γ+α α+β 3 から α = β = γ を導くために, ○ 3 の式の値を k おく。 ○ CO ✍ 3 = k とおくと,k > 0 で • α, β, γ はすべて正の数であるから,○ 4, α = k(β + γ) · · · ○ 5, β = k(γ + α), · · · ○ 6 γ = k(α + β) · · · ○ ST 4−○ 5 より,α − β = k(β − α) となり (k + 1)(β − α) = 0 である。ここで k > 0 であるから k + 1 • ○ よって,α = β となる。 5−○ 6 より β = γ を得る。 • 同様に,○ • 以上より,α = β = γ となり示された。 0。
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