ª º ª º ª º

 今回の問題は【慶應義塾大学】のかなり古い入試問題 [解答]
から出題しました.
(1) 複素数平面上で原点を O とし,3 点 A,P,Q を表す
それでは,まず問題の確認です.
複素数を a(a > 0),z,w とする.
問題
Q が鏡像の関係にあるとは,3 点 A,P,Q が A を端点と
平面上の 2 点 P,Q が中心 O, 半径 r の円 C に関して
する半直線上にあって,AP・AQ = a2 を満たすことである.
鏡像の関係にあるというのは ,3 点 O,P,Q が O を端
AP・AQ = a2 であるから,
問題にある鏡像の定義より,円 Ca に関して,点 P と点
点とする半直線上にあって,OP・OQ = r2 を満たすこと
2
z -α ⋅ w -α = α - w -α =
をいう.
(1) a が正の数のとき , 複素数平面上で中心 a,半径
L
L
a の円を Ca とする.円 Ca に関して点 z と鏡像の関係
AP と同じ向きの単位ベクトル
にある点を w とする.w = fa(z) とするとき ,fa(z) を
α2
である.
z -α
AP
L
求めよ .
(2) a がすべての正の数を動くとき,fa(i) の描く曲線
L
z -α
であるから, AQ を表す複素数は,a が正の数
z -α
を求めよ.
なので,実数であることに注意して,
w -α = w -α ⋅
平面上の 2 点 P,Q が中心 O, 半径 r の円 C に関して
α 2 (z - α )
α2
z -α
=
=
2
z -α
z -α
z -α
となる.
鏡像の関係にあるというのは ,3 点 O,P,Q が O を端点
とする半直線上にあって,OP・OQ = r2 を満たすことを
よって, w =
いうのですが,一般的には鏡像というよりも,反転という
α2
αz
αz
+α =
- fα ( z) =
であ
z -α
z -α
z -α
る.
言葉で定義されます。どちらの言葉も鏡に映った像という
意味です.では,どんな鏡に映った像なのでしょうか.
(2) fα (i) =
それは , 中心 O, 半径 r の球面状の鏡です . この鏡に
おける点 P の像が点 Q になります . この空間図形を半直
α i (α - i) α + α 2 i
αi
-αi
=
=
= 2
α +1
α2 +1
i -α - i -α
であるから,fa(i) の実部を x,虚部を y として,
線 OP を含む平面で切った切り口の図形が反転(鏡像)を
x=
表す図形になります .
この反転(鏡像)という図形変換では,原点を除く平面
α
α2
y
=
,
となる.a がすべての正の数を動
α2 +1
α2 +1
くとき,α = tan
上のすべての点 P を点 Q に変換することができ,円また
は直線が円または直線に移されます . 点 P の軌跡が①原点
公式より, x =
を通るならば,点 Q の軌跡は直線になり,②原点(円 C
1
1
sin θ , y = (1 - cos θ ) となるので,
2
2
2
x > 0 で,x + y -
直線になるならば,点 Q の軌跡は原点を通り,④円にな
ª
るならば,点 Q の軌跡は原点を通らないという変換にな
ª0 < θ < π2 º とおき,2 倍角,半角の
θ
2
ª
の中心)を通らないならば,点 Q の軌跡は円になり,③
1
2
º = 14 となるから,点 (x , y) の軌跡は,
2
円の一部分 x + y -
ります。
円 C の半径を1として,単位円 C に関する反転を考え,
kzz + α z + α z + c = 0 (k,c は 実 数 )(a は 問 題 の a と
無関係)を点 z が満たすとき,変換 w = f ( z) =
を表す複素数は AP
1
によっ
z
て点 w が満たす式は, cww + α w + α w + k = 0 となり,z
と w で k と c が入れ替わることから,簡単に説明できます.
それでは,問題を解いていきましょう.
1
2
1
2
º = 14 (x > 0) である.
2