乳幼児発育曲線の活用について(PDF形式:187kbyte) - 金沢市

平成25年3月号
職員向け保健衛生資料
金沢市教育プラザ富樫
こども総合相談センター
TEL243-1018
1.乳幼児発育曲線の活用について
■発育曲線に計測結果をプロットして折れ線でつなぐことにより、子どもの発育状態を客観的に
判断することができます。
■成長速度は折れ線の傾きから把握できます。
発育曲線のカーブに添って発育しているか。また、個人差も考慮しながらその子なりのペース
で発育しているか確認しましょう。
■継続的に観察していく過程で、発育が長期間にわたって停滞していたり、極端な増加や減少傾
向がみられるなど、発育曲線のラインからはずれていく場合は支援が必要です。
《
子どもの発育に影響を及ぼす要因
生活習慣
食
育児環境
事
運
動
睡
眠
》
子どもの要因
出生状態
精神面
+
+
虐待は
ないか
総合的に
発育状況
判断する
遺伝、疾病
発育に問題がある場合は、いろいろな側面から状況を把握し、支援方法を検討しましょう。
《
低身長について
》
低身長となる原因
●ホルモン分泌異常:成長ホルモン分泌不全性低身長症、甲状腺機能低下症、性早熟症など
●染色体異常
:ターナー症候群、プラダーウイリー症候群など
●軟骨・骨の異常 :軟骨無形成症、軟骨低形成症など
●小さく生まれたことが関係 :SGA(在胎週数に比べて小さく生まれる)性低身長など
●内臓などの病気 :心疾患、慢性腎不全、肝疾患、脳腫瘍など
●その他
:家族性低身長、愛情遮断低身長(虐待を受けている場合)など
子どもの成長障害は早期
3歳児健康診査が終了して
年間の身長の伸びが4㎝
発見、早期治療が重要です
から小学校に就学するまで
以下の場合や標準身長曲
が、実際には発見が遅れ適
の期間は、定期的に計測を
線で-2SD以下の場合
切な治療のタイミングを
実施している保育所の役割
は医療機関に相談する目
のがすこともあります。
が重要になってきます。
安となります。
*身体計測は正確な方法で測定することが大切です。計測方法については、乳幼児身体発育評価
マニュアル(国立保健医療科学院のホームページ)を参照ください。
*横断的標準身長・体重曲線はインターネットでダウンロードできます。
2.乳幼児身体発育調査結果を利用する際の留意事項
○現況値(平成22年調査)と体格標準値(平成12年調査)の意義
乳幼児身体発育調査の集計結果は、従来から乳幼児の体格標準値として、母子健康
手帳に掲載される乳幼児身体発育曲線や乳幼児の身体発育や栄養状態の評価、医学的
診断に活用されてきました。
「第3回乳幼児身体発育調査企画・評価研究会」(平成 24 年3月 22 日)にて、集団
の長期的評価や、医学的な判定(診断基準や小児慢性特定疾患治療研究事業で参照す
る基準)に用いる乳幼児及び就学期以降の体格標準値としては、2000年(平成12
年)調査に基づく値を引き続き用いることとなりました。これは、関係学会の「小児
の体格基準値は、日本人の体格変化のトレンドが終了した2000年の値に固定する
ことが望ましい」との見解等に基づくものです。
2010年(平成22年)調査に基づく値は、母子健康手帳の記入方法の指導や母子
健康手帳を用いた保健・栄養指導の際に用います。2010年調査に基づく値は、直
近の調査に基づく乳幼児の現況を示すものであるので、保健指導や栄養指導の際に保
護者の理解を得やすく、また、帯状のグラフとすることで保護者が記入しやすく安心
感をもてるように作られているためです。
なお、乳幼児に関しては、2000年調査値と2010年調査値では、ほとんど差
はありません。
~乳幼児身体発育評価マニュアル(平成 24 年 3 月)から抜粋~
上記の理由により、保育所(園)において利用する発育曲線は、以前から使用されている
平成12年調査のものでも平成22年調査のものでもどちらでも利用可能です。
各保育所(園)において利用しやすいものを使用ください。