2011年7月号

2011 年 7 月号
(1) 医師から皆様へ〈 高齢者と皮膚 ―スキンケア 〉
人間、年齢を重ねると皮膚にもいろいろな変化が出てきます。
まず、表皮という皮膚の表面の上皮がうすくなります(表皮
萎縮)。そうなると表皮の下の真皮の毛細血管が透けて見え
てくるようになります。さらに日光による変性によって、真皮で
こうげんせんい
は膠原線維、弾力線維が変性して、皮膚の張りの低下、しわ、
たるみが出てきます。お年寄りによくみられる皮膚病に皮脂欠乏性湿疹があり
ます。年をとると角層の水分量が減少して、皮膚の乾燥が起こり、皮脂欠乏性
湿疹ができます。特に冬場に足のすねのところによくみられます。加齢により皮
脂腺の働きも低下して、皮膚に潤いを与える皮脂(皮膚の潤滑油)が低下して、
皮脂減少から皮膚の乾燥が生じます。また、汗腺の働きも低下して、発汗が減
少し、皮膚の乾燥が生じます。このような皮脂欠乏性湿疹の場合、気をつけるこ
と(生活上の注意)は以下のことです。①お風呂は何回も熱いお湯に入らないよ
うにする。②ナイロンタオルで体をこすらない。③食事はアルコール、香辛料は
控えめにする。④服は化学繊維のものは直接身につけないようにする。⑤皮膚
の手入れとしてのスキンケアは入浴後に保湿剤を塗る。⑥ストレスはできるだけ
避ける。⑦電気毛布は使わない。⑧加湿器を使用する。⑨ぬり薬は乾燥(カサ
カサ)部位には保湿剤を塗る。⑩炎症のある赤いところにはステロイド軟膏を塗
る。⑪飲み薬は痒みに対して抗アレルギー剤を飲む。
老人性紫斑という皮膚症状がよくあります。これは表皮が薄くなり、真皮の血
管がもろくなるのでできます。ときに血が出ることもあります。特に日光に当たる
ところ、前腕(うで)、手背(手の甲)に紫斑がよくできます。
紫外線は大敵です。紫外線が細胞の遺伝子を傷つけると皮膚がんが生じます。
紫外線 A(長波長紫外線)はサンタン(黒化:皮膚が黒くなる)、紫外線 B(中波長
紫外線)はサンバーン(炎症:皮膚が赤くなる)を起こします。皮膚がんにはいろ
いろありますが、早期発見、早期治療が重要です。皮膚がんの予防のためには
できるだけ紫外線を避けることが必要です。皮膚がんを疑ったときは早めに皮
膚科専門医を受診することが必要です。日焼けに対する注意として、以下のこ
とがあります。①長時間日光に当たらない。②物理的に日光
を防ぐ(日傘、帽子、長袖、長ズボンなど)③日焼け止めクリ
ーム(サンスクリ-ン剤)を使用する。④日焼けしたときは局
所を冷やす。
いずれにしても皮膚に異常をみとめた場合、「餅は餅屋」と
いうことで早めに皮膚科を受診してください。
皮膚科部長 黒川 一郎
(2) 医療講座(公民館主催)のお知らせ
・演
・講
・日
・場
題
師
時
所
:
:
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:
中高年女性のヘルスケア
産婦人科医長 堀 理照
7月20日(水) 14:00~15:30
鳴尾公民館(℡47-3838) ※無料(参加自由)
(3)「サマーコンサート」のお知らせ
毎月開催しておりますロビーミニコンサートを今月は七夕バージョンで
開催します。楽しくて美しい音色をお楽しみ下さい。
・日時、場所 : 7月2日(土) 13:00~15:15
① 中央館4階ロビー 13:00~13:40
② 東 館4階ロビー 14:00~14:30
③ 中央館2階ロビー 14:45~15:15
・内 容 : 「虹の彼方に」・「7月7日、晴れ」・「たなばたさま」・
「青い山脈」・「ふるさと」等
バーチャイムを使っての合奏やリクエストもできます。
(4)「献血」のお知らせ
兵庫県赤十字血液センター主催の献血を下記の日程で行ないますので、
ご協力をお願いします。
・日 時 : 7月7日(木) 14:00~16:30
・場 所 : ・受付・問診 ・・・ 正面玄関東詰 (風除室東)
・採
血 ・・・ 正面玄関前ロータリー(南館寄り)
(編集発行人:事務部長
岩堀 安伸)