32 迅速CTP検出法の開発 外リンパ痩術前診断をめざして 日本医科大学耳鼻咽喉科1) 三菱化学メディエンス事業企画室2) O池園 哲郎1),新藤 晋1),関口沙登美2), 関根 久遠1),松田 帆1),八木 聰明1) 外リンパ痩は、内耳窓閉鎖手術によって、難聴・めまいが改善・治癒する可能性があり、しかも早期診 断、早期治療によってより良く改善し、病脳期間も短縮されることから、耳鼻咽喉科専門医が見逃しては ならない疾患である。我々はウェスタンブロット法による外リンパ特異的タンパク質㏄P検出法を報告 してきた 臨床検査法として確立するには毎回安定した検査結果が得られるように精度管理を行うことが必要であ る。我々は下記のポイントに留意し精度管理を行った。 1)ヒト・リコンビナントσrpタンパクを内部標準として使用する。 2)最新式イメージアナライザーで最適なSN比をもつ結果画像を選定し,判定に供する。 3)臨床経過を知らない第3者的立場の担当者が結果判定を行う。 この結果ヒト外リンパ検出下限は0.022u1/1ane(中耳腔に約1u1の外リンパ)という良好な精度管理が得 られた。ただし、感染耳などの高タンパク濃度サンプルでは擬陽性が出る可能性があるので注意が必要で ある。 現行検査法の欠点は、検査が煩雑であること、熟練した技術を要するため受託検査となること、結果が 出るまで数週間を要すること、等である。今回我々は迅速診断目的でエライザ法を開発し良好な結果が得 られた。また、診断研究の報告基準訂ARDに則った評価も行った。 33 睡眠薬、向精神薬より推測するめまい患者の睡眠障害 名古屋市立大学耳鼻咽喉科1) 滋賀医科大学睡眠学講座2) ○横田 誠1),中山 明峰1),蒲谷嘉代子1), 佐藤 雄二1),高橋真理子D,渡邊 暢浩1), 村上 信五D,宮崎総一郎2) めまいを診療する際、多くの患者が睡眠障害を訴えることを経験する。しかしながらその実体が把握で きていない。めまい患者全体どの程度が睡眠障害を抱えるか、その睡眠障害に対する対策はどのようにな されているか、睡眠薬や安定剤がどのように使用されているか、などの点について回顧的に追跡した。 2007年1月1日より同年12月31日まで当院を受診した633名のめまい新患について、調査した。633名 中、女性が405名、男性が228名。それぞれが一度でも使用した睡眠薬や向精神薬について、調査した。 めまい罹患期間が短い患者よりも、慢性化し、来院するまでに同症状で複数の施設を受診した患者に高 い薬剤の使用率がみられた。考察を添え、報告する。 (474)
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