シフルフェナミ ドは日本曹達が開発した独自骨格を有する殺菌剤で あり

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殺菌剤シフルフェナミドの開発
○佐野愼亮,笠原勇,山中誉(日本曹達株式会社>
シフルフェナミドは日本曹達が開発した独自骨格を有する殺菌剤で
あり,各種野菜やムギ類等のうどんこ病に優れた効果と特性を示す。ベ
ンズアミドキシム構造に注目してリード化合物を発見し,うどんこ病剤
に必要な特性の付与とさらなる活性向上を目
指したフッ素多置換の合成展開により,目標を 誇
達成することができた。
各種うどんこ病に最適化した本剤は,ポット
試験で高い予防性を示し,治療性,残効性,浸
達性および揮散性を有する薬剤であり,圃場で
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は各種作物のうどんこ病に対し25pp盤という
Cyflufenam圭d
低薬量で実用的な効果を示し,モモ灰星病に対
しても高い防除効果を示す。
本剤の作用機構は未解明であるが,ベンズイミダゾール系,ストロビ
ルリン系,DMI剤など既存殺菌剤の耐性菌と交差耐性は認められていな
い。生活環の中ではうどんこ病菌の胞子発芽,付着器形成には影響せず,
吸器形成以降の感染過程を強く阻害し,治療的処理では二次菌糸の伸張
や胞子形成を隠害する。また,モモ灰星病菌の胞子発芽から初期の発芽
管伸長に形態的影響は認められず,処理16時間後以降の発芽管伸長を
抑制し,24時間後には細胞質の吐出が観察される。これを電子顕微鏡
で観察すると液胞中の高電子密度物質の減少と未熟な隔壁形成が認め
られた。
本剤は単剤として平成14年に農薬登録されたが,うどんこ病は耐性
菌発達リスクの高い病害であり,この耐性菌発達抑制のため,作用性の
異なるD田剤トリフルミゾールとの混合製剤として平成15年末より販
売開始し,長い残効性と散布回数の軽減にっながることから生産現場で
高い評価を得ている。平成16農年には37道府県に総計18tが出荷され,
出荷金額も約4億円に達した。また,海外では平成17年にUKで単剤が
仮登録認可され,ムギ類うどんこ病に販売を開始した。
Development of a Novel Fung墨cide,Cyflufenamid
Sh玉nsukeSan・,lsamuKasaharaandH・mareYamanaka(NipP・nS・daC・.,
Ltd)
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