短期予報解説資料1 2015年 2月 5日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①日本海西部を南下中の寒冷渦 (500hPa-36℃以下、 水蒸気画像の 緩やかな低気圧性循環)からトラ フがのびる九州の西海上では水 蒸気画像で暗化が進んでおり、 こ の暗域の前面となる九州の南で は発雷を検知。 ②①の寒冷渦接近で、 隠岐付近を 中心とした低気圧に対応した雲 渦が南下し山陰に接近。 低気圧周 辺では発雷を検知。 ③①の寒冷渦の南下で日本付近 は次第に西谷が強まり、 日本の南 の低気圧(850hPa3~6℃の傾圧帯 に対応)に伴う雲渦が明瞭となっ てきており、低気圧としての発達を示唆。 ④③の低気圧の北側に傾圧帯(850hPa0℃付近)があり、これに対応した Ci バルジを伴った厚い雲域が 形成されているが、現在、比較的まとまった降水域は伊豆諸島や房総半島南部で、関東平野部はおお むね 1mm/h 以下の降水。また、現在、関東平野部は地上気温 2℃以上の所(積雪になりにくい)が多い。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①1 項①の寒冷渦は東南東進し 6 日午後に日本の東に抜ける。1 項②の低気圧は山陰に上陸後 5 日夜ま でには不明瞭となる見込み。一方、1 項③の低気圧は、1 項①の寒冷渦の接近で、1 項④の傾圧帯と一 体化し関東の南を発達しながら東北東進、6 日は日本の東に進む。 ②西日本は、1 項②の低気圧とその西側にのびる風のシアーが南下後、6 日前半を中心に一時的に西高 東低の気圧配置に移行する。日本海側を中心に落雷、竜巻などの激しい突風、山沿い・山地を中心と した一時的な降雪の強まりに注意。 ③東日本は、低気圧に伴う雪や雨、そして、低気圧通過後も 1 項③の低気圧の西側に風のシアーがあ り 1 項①の寒冷渦の通過に伴って 6 日朝頃まで雪の降る可能性がある。沿岸部では落雷・突風にも注 意。また、東北日本海側の気圧の谷を回る雪雲が北陸に流れ込むため、日本海側でも一時的な降雪の 強まりにも留意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM を基本にする。降雪に関連した下層気温は MSM や実況に留意。②GSM は 1 項①のトラフの東進を早め、低気圧も日本の東で東進が早まる傾向が継続。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨・大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間):北陸 50、近 畿 40、中国 30cm。②波(明日まで):北日本・北陸を除いて 3~4m。③高潮:北海道東部では明日夕方 注意報基準を超過するおそれ。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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