短期予報解説資料1 2015年 1月15日03時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①水蒸気画像の上層渦(5640m 付近トラフに対応)が九州に接 近し、前面で対流雲が発達。九 州では活発に発雷し、竜巻注意 情報も発表された。地上低気圧 はトラフ直下となって閉塞し、 閉塞点が九州付近を通過中。 ②低気圧前面では暖湿流が強 まり(21 時の名瀬では 950hPa でθe322K、南南東 35kt)、九 州で 30mm/h 前後を解析。今の 所、ガイダンス R1 よりは弱い。 ③渤海付近の水蒸気画像の上 層渦は 500hPa 寒冷渦(5520m、 -33℃)に対応。 15日は、前線を伴う低気圧が本州南岸を 進む。東・西日本の太平洋側は雷を伴う 短時間強雨、竜巻などの激しい突風に、 東北~沖縄は強風や高波に注意。東日 本の標高の高い所や東北は雪となり、 大雪や着雪に注意。 FT36では35kt[GW] FT42~40kt 実況45kt[GW] FT06~40kt、FT24で45kt FT30~36は55kt[SW] FT42~50kt 前線記号はFT24は黒塗り、FT48は白塗り 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①15 日は 1 項①の低気圧は短期間に閉塞を繰り返しながら本州南岸を進む。今後 1 項①のトラフは浅 まり、15 日昼頃にかけては低気圧の発達は小康となるが、午後からは 1 項③のトラフと結びつき始め、 発達しながら東日本太平洋側沿岸を進む。16 日は次のトラフが接近し(16 日夜に朝鮮半島付近)、日本 海に低気圧が発生、また、関東付近にも気圧の谷が残る。 ②15 日は西・東日本の太平洋側は暖湿流が強まり、落雷、竜巻などの激しい突風に注意。気圧系の動 きが速く降水域の移動も速い見込みだが、局地的に非常に激しく降る可能性もある。多雪地はなだれ にも注意。東日本の標高の高い所や東北は雪となる見込みだが、低気圧が発達しながら通過するため 北から下層寒気を引き込み、東日本では雨と雪の境界の高度が低下する可能性がある。今後の実況に 注意。また、西日本は 15 日夕方以降の寒冷渦(1 項③)通過時の発雷に注意。 ③15 日は低気圧の暖域内では南より風が強く、低気圧通過後は北~北西風が強まる(東日本太平洋側で は非常に強く吹く所もある見込み)。東北~沖縄にかけ、強風・高波に注意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①1 項①の低気圧の GSM と MSM の違いは小さくなった。実況から低 気圧や前線の推移は MSM に近いと見られ MSM を主体に考えたほうがよいだろう。今後も実況とモデル の差を確認しながら利用。 ②波:16日は東北太平洋側~関東沿岸はSW級の低気圧からのうねりに留意。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨・大雪ポテンシャル(6 時からの 24 時間):雨:近畿 120、 伊豆諸島 100mm。雪:東日本 20~30cm。②波(明日まで):関東 5、沖縄・奄美・西日本太平洋側・東海・ 東北太平洋側・小笠原 3~4m。 5.全般気象情報発表の有無 5 時頃に「雷と突風に関する全般気象情報」を発表予定。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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