短期予報解説資料1 2015年 4月 4日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①東日本太平洋岸~西日本太平 洋岸~中国大陸にかけて東西に 前線に対応した雲域が横たわる。 ②500hPa5760m 付近のトラフが 東日本を東進中。 水蒸気画像での 暗域に対応し、 トラフ前面の伊豆 諸島付近で、①の雲域のうち、伊 豆諸島付近で Ci バルジを伴った 組織的な雲域があり、9 時に低気 圧を解析開始。 ③トラフ後面の西日本太平洋岸 を中心に、 まとまった雲域はない ものの、下層暖湿気の流入(500m θe327K 以上)が持続しており、 小規模な対流雲が発生し、 発雷を 多数検知。 ④500hPa5580~5700m 付近のトラフがボッ海~東日本にあり、前面で上中層雲域がひろがる。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①東日本太平洋側の前線活動は 1 項②のトラフは次第に先行して弱まり、同項の低気圧も関東の東で 5 日日中には不明瞭化する。一方、1 項③のトラフの東進とともに東シナ海の前線波動が東進、5 日は日 本海沿岸を進む。また、北海道の東の高気圧からの下層暖湿流に 1 項③のトラフが重なって、日本海 に低気圧が発生し、さらに北のトラフ(500hPa5520m 付近)の接近で、南の前線と次第に一体化しながら、 6 日朝には前線を伴った低気圧となる見込み(35kt[GW]級)。 ②前線近傍では南から下層暖湿気(可降水量 40mm 前後)が流入して大気の状態は不安定となり、落雷、 突風、短時間強雨 (激しい雨の可能性、局地的には非常に激しい雨も)に注意。また、引き続き暖湿気 が流入する北日本~東日本の多雪地では融雪やなだれに注意。 ③北日本では、5 日は北海道の東の高気圧と 2 項①の日本海に発生する低気圧で気圧の傾きが大きくな る。また、6 日午前中は低気圧が発達しながら通過。強風や高波に注意。 ④沖縄では、台風第 4 号からのうねりが入っている。5 日にかけてうねりを伴う高波に注意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①最新の GSM を基本とするが、5 日の北日本の気圧の傾きは GSM と MSM とで差があり、MSM のほうが風 が強め。現時点では MSM も考慮して検討。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(18時からの24時間):高いところ(100mm以上)はないが2項の短時間強雨に留意。 ②波(明日まで):伊豆諸島 4、北日本・関東・東海 3m。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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