PowerPoint プレゼンテーション

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応用行動分析(4)
• 罰なき社会
対人援助の文脈からみた行動分析の思想2
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対人援助全般の作業における
行動分析的表現による一般的な目標設定
「正の強化」で維持される行動の機会を持ち、
その機会が拡大していくように援助すること
[正の強化]:本人にとって、好ましい結果事
象を随伴させることによって、行動が成立・
維持させる操作
[負の強化]:嫌悪的な刺激事象がなくなると
いう随伴性によって行動を成立・維持させる
操作(いやいや行わせる)
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行動の増大(維持)/減少をひきおこす二つの随伴性の
手続き(強化/罰)
行動への効果で区別:「好ましい」はずなのに・・
反応増大(維持)
刺激の出現
正の強化
刺激の除去
負の強化*
反応減少
正の罰*
負の罰
*罰の効果:「天罰」しか効かない(?)
**負の強化:逃避(escape)/回避(avoidance)
それまで行動を維持していた強化を中止することで行動
が減少していくこと・・・
消去
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一見、ややこしい分類をする意味
「意図」と「事実(効果)」の違い
・「ごほうび」を与える
与える側が「正の強化」と意図していても
効果は逆のことがある
・「体罰」を与える
「正の罰」と意図していても強化になる
場合もある
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ところで、どんな後続事象が正の強化になる?
・プリマックの原理
より自発頻度が高い反応はより自発頻度の
低い反応を強化する
(「えさを食
べる」vs.「レバーを押す)
・反応制限説
より制限された反応はより制限されない反応
を強化する
結局、それぞれの個体で何が強化になるかは、その個体の
現状の状況をみるしかない。その個体(個人)から離れて、一
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律に強化(刺激)を同定することは難しい。
罰や負の強化で行動が
維持されると?
• 多くの社会的課題や問題行動の原因の
殆どはこのネガティブな行動の統制によ
るものと考えられる
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負の強化:嫌悪的な事態からの逃
避・回避によって維持された行動
の結果
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日本の生徒の勉強は?
『世界各国の 中学2年生を対象に 数学と理科の国
際テストが 行われました。世界38の国や地域の中
学2年生、およそ18万人を 対象に行ったテストの結
果から、日本の生徒は「数学」では、 シンガポール、
韓国 台湾、香港に次いで5番目、「理科」も台湾、シ
ンガポール、 ハンガリーに次いで 4番目に高い成績
でした。一方で、「数学」を「好き」と 回答した日本の
生徒の割合は 48%で、回答した37の国と地域の中
で 36番目、「理科」についても回答した23の国と地
域の中で 22番目と、 世界最低レベルであることが
わかりました』
(毎日新聞、2000、11月)
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なぜヒトは「罰」を使ってしまうのか
「正の強化」でも「負の強化」であっても、
ヒトは即時的な強化に弱い
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★ 即時的行動随伴性と社会的相互作用
「抱き癖」行動随伴性
赤ん坊の「泣く」行動
先行状況
行動
抱かれていな
い
泣く
後続状況
抱かれる
母親は、子どもの「泣く」行動を維持している
随伴性に気づいているかも知れない。
しかし維持している自分の行動を止めることができ
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ない
母親の「抱く」行動
先行状況
行動
後続状況
泣声あり
抱く
泣き声なし
一時的だが即時的環境変化
行動は、遅延する環境変化よりも、即時的な環境変化に
影響を受けやすい
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★社会的悪循環
「やめさせたい」と思っているのに、かえってやまらなく
なってしまう相互的行動随伴性の状況
抱く
即時性が絡む
泣きやむ
泣く
ベッドに寝かせる
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「問題行動」
いやしくも「慢性的」になっているので問題視されてい
る。
慢性的とは、当該行動が周囲との行動随伴性関係に
おいて「社会的悪循環」になっている場合が多い。
→つまり、「やめさせたい」という思いが強いがゆえに
「やめさせられない」場合がある。
→あるいは、(実際には効果のない)「やめさせる行
動」自体が他から強化されて、維持している場合もあ
るかも知れない。
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Question:
●赤ん坊の「抱き癖」を停止するには?
1)赤ん坊の行動への操作(母親の対応):
2)母親の行動への操作(母親への対応):
●問題行動への対処はどうしたらよいか?
1)ボーダラインのヒトへの対処の失敗
2)自傷行動に対応するにはどうしたら?
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正の強化で行動を維持する
そのためには?
• 「今できる」課題から次第に目標へ。
行動形成(shaping )
• 複雑な課題は、最初は「援助つき」で行い、
次第にその援助を抜いていく
いずれも、周囲の「援助」が必要である。
絶えず、「達成感あり」の状況をつくる
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この図をまず思い出して下さい
反応キー(オペラント
の対象)
4)キーをペック(反応)
したら強化
3)さらに上で強化
2)少し上で強化
1)餌呈示装置の近くで類似の反
応を強化(えさ呈示)
えさ呈示機から食べる
えさ呈示装置
今,できる行動を認める(○)
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「今」を認めるということ
×→○
○→×
○→○
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