応用行動分析学09(1) 望月昭 ブログ:「対人援助学のすすめ」 http://d.hatena.ne.jp/marumo55/ HP:「望月昭のホームページ」 http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~mochi/ 1 心理学の問い 「なぜ人はその行動をするのか」 1. 自分だったら? 2. 「普通の人」だったら? 3. A君の場合は・・・・ 応用行動分析は「二人称的立場」 2 応用行動分析の「問い」 「なぜ」の回答を最終目標にしているわけではない。 どのように「課題」を解決できるのか? 業務用心理学! ハウツウものか? 「課題」とは何か? どんな場合に「課題」とするのか? 3 応用行動分析の優先原則 1)given ではなくgetが成立している 2)罰的なものではなく「正の強化」で行 動が成立している 3)行動成立の条件が「表現」され 引き継がれる 4 1) 物を与える事ではなく、彼らが物 を得るということに「生活の質」の目標 をおくこと” 「人を援助する際の倫理」 (The ethics of helping people)Skinner, 1978) Given Get 自発的に「行動できる」ということが基本 5 Not Given but Get !! Mary Elinor Boyle and R. Douglas Greer Operant procedure and the comatose patient Journal of Applied Behavior Analysis, 1983, 16, 3-12 どんな重度の障害があっても、自らが環境を 変化できる「行動」を成立させる! 6 7 2)正の強化によって行動が維持される事 [正の強化]:本人にとって、好ましい結果事 象を随伴させることによって、行動が成立・ 維持させる操作 [負の強化]:嫌悪的な刺激事象がなくなると いう随伴性によって行動を成立・維持させる 操作(いやいや行わせる) 「正の強化」で維持される行動の機会を持ち、 その機会が拡大していくように援助すること 8 負の強化:嫌悪的な事態からの逃 避・回避によって維持された行動 の結果 9 正の強化で行動を維持する そのためには? • 「今できる」課題から次第に目標へ。 行動形成(shaping ) • 複雑な課題は、最初は「援助つき」で行い、 次第にその援助を抜いていく いずれも、周囲の「援助」が必要である。 絶えず、「達成感あり」の状況をつくる 10 援助を前提とした行動の成立: 「今」を認めるということ ×→○ ○→× 11 3) 記述するということ • 社会の中で生きる人の行動の成立は、 そのことが認められて始めて意味を持つ 出口光(1987)行動修正のコンテクスト 行動分析学研究, 2, 48-60. 12
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