応用行動分析学10(1) 応用行動分析とは? 望月昭 ● ブログ:「対人援助学のすすめ」 http://d.hatena.ne.jp/marumo55/ ●HP:「望月昭のホームページ」 http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~mochi/ 1 講義の受け方 • 授業資料は、望月のHPに前日までに アップロードするので、各自、授業のときに 印字して持参してください。 ・ コミュニケーション・ペーパーを毎時間配 付します。 ・ ブログにコメントや質問をハンドルネイム でしてください。(授業中でも可) 2 本日のコンテンツ 1. 「なぜ人はその行動をするのか」 2. 応用行動分析学の定義 3. 応用行動分析学の方針 自発的行動とは?(givenではなくget) 正の強化、負の強化、罰、 今を認める: ○から×、(×から○ではなく) 「認める」(=「できる」)条件を伝達する 3 応用行動分析(Applied Behavior Analysis) 対人援助学キーワード集(晃洋書房)2009から スキナー(Skinner, B. F,)による 行動分析学の理念・方法によって、様々な社 会的課題の分析や具体的対策を実行、評価、 伝達するための学問領域である。 4 応用行動分析(ABA)対人援助学キーワード集 応用行動分析は、対象者(被援助者)の 一般的な生物学的属性(たとえば自閉症、ADHDあ るいは発達段階やIQなど)によらず、 その個別の個人の、環境との相互作用から、 行動の生じる理由を探る。 そして、必要とあれば、環境操作によって行動を変 容させる(=行動的支援)。 5 応用行動分析(ABA) 目標設定 さまざまな「対人援助」の実践作業において は、応用行動分析は、個別の被援助者の自発 的行動の成立とその選択肢拡大という原則の もとに目標設定を行う。 自発的行動とは? 6 応用行動分析的“支援”の方針 1)given ではなくgetが成立している 2)罰的なものではなく「正の強化」で行 動が成立するように 3)行動成立の条件を「表現」し 引き継ぐこと 7 1) 物を与える事ではなく、彼らが物 を得るということに「生活の質」の目標 をおくこと” 「人を援助する際の倫理」 (The ethics of helping people)Skinner, 1978) Given Get 自発的に「行動できる」ということが基本 8 Not Given but Get !! M. E. Boyle and R. D. Greer (1983) Operant procedure and the comatose patient Journal of Applied Behavior Analysis, 1983, 16, 3-12 どんな重度の障害があっても、自らが環境を 変化できる「行動」を成立させる! 9 10 2)正の強化によって行動が維持される事 [正の強化]:本人にとって、好ましい結果事 象を随伴させることによって、行動が成立・ 維持させる操作 [負の強化]:嫌悪的な刺激事象がなくなると いう随伴性によって行動を成立・維持させる 操作(いやいや行わせる) 応用行動分析の目標 「正の強化」で維持される行動の機会を持ち、 その機会が拡大していくように支援すること 11 負の強化:嫌悪的な事態からの逃 避・回避によって維持された行動 の結果 12 正の強化で行動を維持する そのためには? 1)「今できる」課題から次第に目標へ。 行動形成(shaping ) 2)複雑な課題は、最初は「援助つき」で行い、 次第にその援助を抜いていく いずれも、周囲の「援助」が必要である。 絶えず、「達成感あり」の状況をつくる 13 援助を前提とした行動の成立: 「今」を認めるということ ×→○ ○→× 14 3) 記述するということ • 社会の中で生きる人の行動の成立は、 そのことが認められて始めて意味を持つ きちんと伝達できてこそ意味を持つ 出口光(1987)行動修正のコンテクスト 行動分析学研究, 2, 48-60. 15 まとめの課題(100409) • 応用行動分析によって、他者を支援する 際に、一般的な原則として必要とされる内 容について述べなさい。 ・ そうした原則について、疑問や異論を挙 げてみてください。 16
© Copyright 2024 ExpyDoc