構造物による波の変形

構造物による波の変形
-回折、反射、波の打ち上げ、越波-
酒井哲郎:海岸工学入門,森北出版
第7章(pp.88-98)
波
反射
浅水変形
屈折
回析
反射
越波
流れ
回析
波が護岸や堤防を乗
り越える
透過
砕波
海岸
透過性あるい
は没水型構
造物
L
h
 0.5
gT
2
2
tanh
2 h
L
tan h 
0 .9 9 6
L
h
 0.5
 h  0 .5 L 
:深海波
L
水深が半波長より大きいならば深海波(底面の影響(水深の影
響)を受けない)となる.
h
L
 0.5
 h  0 .5 h 
:浅海波
水深が半波長よりも小さいならば浅海波となり,浅水変形を受ける.
水深とは関係なく構造物の存在や地形の平面的な
形状によって波が変形する.
回析
反射
越波
回析(diffraction)
遮蔽物や構造物背後に波が回り込む現象,光の回析と同様.
回り込んだ波はその波高が減少する.その程度を知ることは防波
堤の設計など工学的に重要である.
3次元非圧縮性流体の連続の式
u
x
v

y

w
z
0
速度ポテンシャル(渦度0の波動場では速度ポテンシャルが存在する)
u 

v
x


w
y
z
検証
         
 
z 



0




x y
x  y  y  x  xy xy
v
u
2
2
速度ポテンシャルで表された流速を連続の式に代入すると次式を得る.
 
2
x
2
 
2

y
2
 
2

z
2
0
速度ポテンシャルを変数分離し以下のようにおく
  x , y , z , t     x , y , z  ex p  i t 
周期的な変動
  2  2  2 
exp  i t  


0
2
2
2 
y
z 
 x
 
2
x
2
 
2

y
2
 
2

z
2
0
微少振幅波理論よりは以下のようにおける
  x , y , z   F  x , y  A i co sh   h  z 
速度ポテンシャルの鉛直方向分布関数
  2 F  2 F   2
A i cosh   h  z  


0
2
2 
2
y  z
 x

z
 
2
z
2

 F A i sinh   h  z   
  FAi sinh   h  z 
z
  FAi cosh   h  z 
2
 2F 2F

2
A i cosh   h  z  

 F   0
2
2
y
 x

Helmholz(ヘルムホルツ)の式
 F
2
x
2
 F
2

y
2
 F  0
2
上式は一様水深領域での回析現象を表現できる.
水面変動は次式で表される(力学的境界条件)
 F  x , y  Ai cosh  h exp  i t 
1   
  


g  t  z 0
g t

A
g
F  x , y  cosh  h  exp  i t 
y
in

x
峰がy方向に無限に一様でx方向に進む波の場合
F  x   ex p   i x 
 in 
A
g
exp   i x  cosh  h  exp  i t  

 in
A cosh  h
g
exp  i   t   x  
 exp   i x  F  x , y 
ある地点の波高Hと入射する波の波高Hinの比を回析係数Kdという. K d 
H
H in
教科書p.89 図7.2 一様水深,規則波の場合の回析係数の等値線を示した図
不規則波では回析係数は規則波よりも大きくなる.
実際の海岸では屈折と回析が同時に生じる場合が多い.
構造物が存在するところまで屈折計算を行い,構造物位置で回析すると
して計算を行う.
現在では屈折と回析を同時に解析できる方法が提案されており,コン
ピューターを用いて数値的に計算する.
反射(reflection)
構造物の前面や岸近くでは入射波と反射波が重なり波高が大きくなる
場所が生じて,不都合となることが多い
入射波I
反射波R
x
O
入射波  I 
HI
2
cos   x   t 
前進する波(進行波)
反射波  R 
HR
2
cos   x   t 
負の方向へ進む波
入射波と反射波の重ね合わせ
  I R 

HI
2

HI
2
cos   x   t  
HI  HR
H m ax
2
cos   x   t 
2
 cos  x cos  t  sin  x sin  t  
cos  x cos  t 
HI  HR
2

HR
HR
2
 cos  x cos  t  sin  x sin  t 
sin  x sin  t
2
cos  x cos  t 
H m in
sin  x sin  t
2
H max  H I  H R
H m in  H I  H R
ヒーリー(Healy)の方法
実験で最大波高と最小波高を計測すれば入射波高HIと反射波高HRを
算出できる.
HI 
H m ax  H m in
HR 
2
H m ax  H m in
2
反射率(reflection factor)KR
KR 
完全反射の場合
HI  HR
HR
HI
KR 1
H m ax  2 H I
  H I co s  x co s  t
重複波
H m in  0
重複波(standing wave,clapotis)
腹
腹(antinode)
腹
2HI
節(node)
節
腹:波高2HIが現れる場所(時間的にその位置は変化しない)
節:波高0が現れる場所(時間的にその位置は変化しない)
腹と節はL/4毎に交互に現れる(Lは波の波長).
反射率は構造物前面の勾配や構成材料によって異なる.また砕波など
が生じるとエネルギーが失われると反射率は1よりも小さくなる.
構造物が透過性であったり水没型であると入射波の一部は構造物を通過し
その背後に伝わる.
透過率(伝達率)(Transmission factor)KT
KT 
HT
HI
HI
HT
潜堤
スリットがあり波や流れを
ある程度通過させる
透過型防波堤
cg
8
1
 gH I  c g 
2
8
 gH R 
2
1
8

 gH T   W f
2

入射波による単位時間当
たりのエネルギー伝達量
反射波と通過波による単
位時間当たりのエネル
ギー輸送量
cg
8
 gH I
2
で上式を除する.
1 K  K 
2
R
2
T
Wf
cg
8
 K R  KT  k f
2
 gH I
2
2
構造物によって
失われる単位時
間当たりのエネ
ルギー量
p.97 問題7.1
H m ax  H m in
HI 
HR 
3.2  0.8

 2.0( m )
2
2
H m ax  H m in
3.2  0.8

2
 1.2( m )
2
2
H T  0 .8
2
 HR 
 HT 
1 K  K  kf  
 
  kf
 HI 
 HI 
2
R
2
T
2
2
 1.2 
 0.8 
2
2
k f  1  K R  KT  1  



  1  0.36  0.16  0.48
 2 
 2 