YBCOの対称性をさぐる実験の紹介 ・ランプエッジ型S/I/N接合による ゼロ・バイアス・コンダクタンス・ピークの測定 ・ランプエッジ型S/N/S接合による 全方位の臨界電流の測定 Angle-resolved Andreev bound states in anisotropic d-wave high-Tc YBa2Cu3O7-y superconductors I.Iguchi et al. PRB 62, (R6231) YBCO ・Tc ~ 93K Ba Cu Y O ・2次元d 波 アンドレーエフ反射 N 電子 S ⊿ 反射されたホールは超伝導相の位相 を受け取る クーパー対 ホール T = 0 におけるコンダクタンス特性 Z=0 Z = 0.5 Z = 1.5 Z =5.0 d 波におけるアンドレーエフ反射 電子 N 電子的準 S 粒子 α ホール x θ 電子 x ホール的準 粒子 アンドレーエフ束縛状態の形成 反射A N I N′ 反射B S ・α = 45°にピークをもついくつ かの報告 ・0°<α<45°についての初 めての研究 実験 ・PLDを使って薄膜を作製 ・Tc~90K ・厚さ~200nm ランプエッジ接合 ・Ag端子の幅は20μmか50μmで統一 ・α=10°、15°、24°、 30°、45°、90° Ag CeO2 YBCO 結果 ・dx -y 対称性を示す 2 2 ・α=90°では0°と同じく コンダクタンスは小さい ・0°と90°で小さいピークが見ら れるが、接合面での結晶の欠陥か 表面の荒さ ・他の対称性の可能性は? 4.2K dxy, dx -y +is, extended s 2 2 →全て結果と合わない 接合の均質性 ・幅を50μm,10μm,5μm,1μmと変 えて測定 ・いずれにもピークが見られる →接合は均質 ・ピークの減少は幅に応じた、アンド レーエフ反射の減少による ・α=30°にギャップが2つある ように見える V=25mV, 15mV ・計算しなおしてみると、α=3 0°で、2つのギャップのようなも のが見える(左上挿入図) ・別のギャップか、別のアンドレー エフ反射によるものか ・温度依存性はBCSによく合う (右上挿入図) ・理論的には30°~45°にギャップ的な構造が見える ・接合面がきれいでないため、共鳴ではなく拡散が起こって おり、そのためd波の要素が減り、s波の要素が生じるという 計算もある →実験結果と、コンダクタンスについては合うが、αや温度に ついては合わない ・dx -y は明らか 2 2 Admixtures to d-wave gap symmetry in untwinned YBa2Cu3O7 superconducting films measured by angle-resolved electron tunneling H.J.H Smilde et al . Cond-mat/0510694 ・YBCOの秩序変数について、これまでの様々な研究 ex) ⊿Y∥b/⊿Y∥a =1.5 ・副次的秩序変数については明らかでない ・ab面内での細かい角度での測定もない YBCOの双晶と非双晶の薄膜を使い、S/N/S接合を作 り、その比較から異方性を考える 実験 ・YBCO膜厚 170nm ・Tc≧89K ・YBCO/Au/Nbの Nb Au SrTiO3 YBCO SrTiO3 S/N/S接合 ・5°ずつ ・(010)を0°とする ・端子の幅は4μm 結果 ・dx2-y2波対称性を示す ・非双晶ではノードが50°に見 える →s波が混在している証拠 ・ノード方向のJcが(ほぼ)0 →is波やidxy波の混在は(ほぼ) ない ・Jc∥b/Jc∥a~1.8 IcRn∥b/IcRn∥a~1.22 IcRnを見積もるためにSINSモデルを考える I ; YBCO/Auのバリア ≫Au,Au/Nbの抵抗 ・ρAu~4.6μΩ cm ・lAu~18nm フェルミ速度の差が小さいとして ・ξAu~49nm ・RI>10-8Ωcm2 →YBCO/Auの透過率は小さい Au/Nbの透過率は大きい RBA/ρAuξAu≧440 ρAuξAu/ρNbξNb<20 → ⊿Y∥b/⊿Y∥a< IcRn/IcRn ~1.22 ⊿Y/⊿Nb≪0.1を使っている これを増やすと、 ⊿Y∥b/⊿Y∥aが急激に増大 → Au/Nbの透過率に依存 dx2-y2を基本として、等方的、異方的s波が加わった構造を考える ⊿=⊿0cos2(η)∑i=02ci[cos2(θ)-sin2(θ)]i i=1 dx2-y2波、 i=0 等方的s波、 i=2 異方的s波 c1 > c0, c2 c1 + c0 + c2 =1 ⊿Y∥b/⊿Y∥a ~1.5を使う c0=0.15, c1=0.83, c2=0.02 κ→∞のとき、⊿Y0=6.4meV 6.4meV< ⊿Y0 <0.5eVの範囲では 13.6< ρAuξAu/ρNbξNb <18 → Au/Nbの抵抗は RBA~0.36±0.05nΩcm2 →実験結果からは⊿Yが正確には求まらない →fittingにより⊿Y0 =44mV~500K ρAuξAu/ρNbξNb=16.8 83%のdx -y 波、15%の等方的s波、2%の異方的s波の 2 2 秩序変数をもつ( ⊿Y∥b/⊿Y∥a ~1.5に対応)
© Copyright 2024 ExpyDoc