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電磁気学1演義
第 3 回 2015 年 4 月 28 日
1. N 個の電荷 i = 1, 2, . . . , N の電荷を qi 、位置ベクトルを r i (t)、速度ベクトルを
v i (t) とする。電荷密度および電流密度は
ρ(r, t) =
N
X
qi δ 3 (r − r i (t))
j(r, t) =
N
X
qi v i (t)δ 3 (r − ri (t))
i=1
i=1
と表せる。12
(a) これらが、連続の式
を満たしていることを示せ。
∂ρ
= −∇ · j
∂t
(b) ある閉じた領域 V に含まれる全電荷 Q(t) の時間変化は
Z
dQ(t)
= − dS · j
dt
と表せることを示せ。ただし右辺の面積分は、領域 V を囲む表面とする。
2. 図のように電荷が配置されているとき、電荷分布の中心から十分離れた点にお
ける電位と電場を、d の 2 次までの正確さで求めよ
(2)
(1)
-q
+q
+q
+q
-2q
d
d
d
d
+q
-q
3. 時間的に定常な電流密度場 j(r, t) があるとき、静磁場ができる。Maxwell 方程
式を積分することによって、静磁場を以下のそれぞれの場合について求めよ。
(ヒント:系の対称性に注目し、ストークスの定理をうまく用いよ。)
(a) z 軸方向に無限に伸びた直線上を、強さ I の定常電流が +z 方向に流れて
いる場合。3
PN 3
「密度」としては、数密度 ρn (r) =
i=1 δ (r − ri (t))、同様に mi を質量とすれば質量密度
PN
ρm (r) = i=1 mi δ 3 (r − ri (t)) などを定義できる。これらも保存量なので連続の式を考えることがで
きる。
2
これらは「密度」の微視的な表現である。ある領域で密度(例えば数密度
ρn (r)) を積分した結果
R
N (V ) = V dV ′ ρn (r′ ) が、体積 V に比例すれば N (V ) = ρn V と表せ、「平均密度」ρn を定義できる。
3
ˆ Iδ(x)δ(y) である。了解?
直線が原点を通るとすれば、j = z
1
(b) z 軸方向に無限に伸びた半径 a の円柱の内部を、強さ I の定常電流が +z
方向に流れている場合。電流は、円柱内で均一とする。円柱内部、外部を
含めて磁場を求めよ。
(c) z 軸に垂直な無限に広い平面上を、均一な定常電流が x 方向に流れている
場合。電流に直交する直線を、単位長さあたり強さ K の電流が通過して
いるとする。平面の両側で磁場を求めよ。
(d) z 軸方向に無限に伸びた半径 a の円筒の表面上を、定常電流が円周方向に
流れている場合。電流に直交する直線を、単位長さあたり強さ K の電流
が通過しているとする。円筒内部、外部を含めて磁場を求めよ。