平成27年度有機化学 1 中間試験講評 【1】各種有機合成反応の問題 (2

 有機化学 1 (担当 坂井) 6/2015 平成27年度有機化学 1 中間試験講評
【 1】 各 種 有 機 合 成 反 応 の 問 題
(2) 分 子 内 環 化 に よ る エ ポ キ シ 合 成 で す 。 (3) プ ロ ト ン 化 、 環 拡 大 後 、 付 加 す る の は 硫 酸 水 素
イ オ ン で は な く ヒ ド ロ キ シ イ オ ン で す 。(4) ホ フ マ ン 脱 離 か ら の( 共 役 系 が 広 が る )ト リ エ ン の
生成ですが、共役していないトリエンを記載している学生が何人もいました。
【 2】 立 体 化 学 の 問 題 。 E2 脱 離 に よ る ア ル ケ ン の 生 成 に つ い て
ア ル ケ ン か ら の ア ン チ の 位 置 関 係 に あ る HBr の 脱 離 → ア ル ケ ン の 生 成 。
(出題として絶対配置の番号が間違っていたことを考慮して
Et
も ← 題意には影響せず)下の関係が見えていない学生が多
H
H3C
く い ま し た 。Newman 投 影 式 は 書 け て い る の に 、そ の 後 ど の
Br
CH3
立体をもつアルケンが出来るのか、理解できていない学生も
Et
かなりの数いました。
【 3】 ア ル ケ ン へ の 臭 化 水 素 の 付 加 ( イ オ ン 的 付 加 と 転 位 を 伴 う )
全体としてほとんどの学生ができず、最初の中間体が第二級カルボカチオンで、より安定内
第三級カルボカチオンへの分子内転位の可能性があるならばそちらが優先します。わざわざ不
安定な第一級カルボカチオンへの転位は選びません。
下 記 の 構 造 式 (A)を 記 載 し て い る 学 生 が 何 人 か い ま し た が 、 必 ず C(炭 素 )を 書 け ば 4 配 位 し て
い る と い う 意 味 で 、 H も 必 ず 記 載 し た 構 造 式 (B)を 記 載 し て 下 さ い 。 期 末 試 験 で は 減 点 し ま す 。
あ る い は 構 造 式 (C)で も 構 い ま せ ん 。 (C)の 様
C
CH3
に 省 略 し て 書 け る の は 炭 素 が 4 配 位( 4 置 換 )
C C C C
H3C C CH2 CH3 or
している前提で考えているからです。構造式
Br
Br
Br
の記述には、意味と一定のルールがあるので
(A) NG
(B) OK
(C) OK
注意して下さい。
【 4】 合 成 問 題
全体として 毎回周知していますがアルキンから伸びる炭素結合は直線で記載して下さい。
期末試験では大幅に減点します。
H3CH2C C C CH2CH3
あ と 反 応 の 前 後 で 、勝 手 に 炭 素 が 増 減 し
OK
NG
ている解答が数多く見受けられたので注
意して下さい。大幅減点しています。
(1)(2) よ く 出 来 て い ま し た 。
(3) 末 端 ア ル キ ン に ア セ ト ン を 付 加 さ せ て 出 来 た ア ル コ ー ル を 先 に 酸 で 脱 水 、 出 来 た エ ン イ ン
を Birch 還 元 処 理 し て ジ エ ン に 変 換 し た 方 が 良 法 で す 。 た だ し 、 末 端 ア ル キ ン の 場 合 は プ ロ ト
ン 化 剤 の 共 存( 金 属 ア セ チ リ ド が 生 じ る た め )が 必 要 で す が 、有 化 1 で は そ こ ま で 問 い ま せ ん 。
さ ら に 、 Lindlar 触 媒 で は 末 端 ア ル キ ン は 原 則 と し て 還 元 で き ま せ ん 。
(4), (5) 酸 化 剤 で す が 、 MCPBA は 炭 素 数 が 7 個 の 有 機 物 ( 有 機 過 カ ル ボ ン 酸 ) で す の で 合 成
条件には該当しません。減点しています。
(6) よ く 出 来 て い ま し た 。
(7) ジ エ ン 同 士 の Diels-Alder を 考 え れ ば 簡 単 に 合 成 で き ま す 。
【 5】 英 語 の 専 門 用 語 (気 に な る と こ ろ )
比較的よく出来ていました。