逆相イオンペアクロマトグラフィー B4 酒本 奈津美 逆相イオンペアクロマトグラフィー(RP-IPC) イオンペア試薬を移動相に添加し、イオンペア(中性物質) を形成させ、ODSカラムに保持させる分析方法 極性が小さくなる 保持が強くなる チアミン(ビタミンB1) 分子内に4級窒素をもつ強塩基物質 移動相中では正電荷を帯びる 塩基性物質に対するイオンペア試薬(移動相が酸性側 pH2~3) アルキルスルホン酸イオン 酸性物質に対するイオンペア試薬(移動相が中性側 pH6.5~7.5) テトラアルキルアンモニウムイオン 保持機構 ①イオンペアモデル 対象成分がイオンペア試薬とイオンペアを形成して固定相に取り 込まれる ②イオン交換モデル 対象成分が固定相に疎水吸着したイオンペア試薬と相互作用し て保持される ③イオン相互作用モデル 静電気力ばかりでなく、固定相や移動相への親和性などの力に 影響される動的平衡を考えたモデル 試料の保持 移動相の有機溶媒含量、緩衝液濃度、pH イオンペア試薬の種類、濃度により影響 イオンペア試薬のアルキル鎖が長い 保持は増大 イオンペア試薬の濃度がある一定までは高い イオンペア試薬濃度が一定濃度に達すると保持の減少(foldover) が観測される イオン濃度と有機溶媒(アセトニトリル)濃度の適用範囲 赤:ヘキサンスルホン酸 (C6) 青:オクタンスルホン酸 (C8) 黄:デカンスルホン酸 (C10) 緑:過塩素酸 注意点 ●イオンペア試薬を流し始めてからカラムが安定するまで には時間がかかるので十分安定するのを待つ ●カラムよりイオンペア試薬を洗い流す時、水だけで流さな い(特に塩基性イオンペア試薬を用いている場合) 疎水性部位をもつテトラアルキルアンモニウムは充填剤に 吸着したままで、シリカを劣化させてしまう 酸性緩衝液/有機溶媒=1/1~1/2の混合液で洗い流すとよ い イオン交換クロマトグラフィー CH3 Si O Si C18H37 CH3 O Si OH O CH3 Si O CH3 O Si Si OH C18H37
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