物理学 確認テスト解答

確認テスト解答
1.
p.7
なぜ短距離走のスタートはスタンディングスタートではなく,クラウチングスタートなのか.力の
合成・分解および作用・反作用の観点から述べなさい.
足が地面を蹴る力は同じとする.蹴る力を鉛直方向
と水平方向に分解すると,図中の灰色と赤のベクトル
となる.スタートダッシュが重要な短距離走では,水
平方向に蹴り出す力が強いと地面から作用・反作用の
関係より強く押し出されることになる.したがって,
赤のベクトルが大きい方が前にすばやく進みやすい.
2.
スキーのジャンプ競技場はジャンパーが怪我をしないように,着地点付近にある工夫がされていま
す.力の合成・分解の観点から,その工夫がどのようなものか述べなさい.
踏切点から遠くなるにつれて傾斜角が大きくなるように
できている.空中で描くジャンパーの飛行曲線がほぼ放物
線であると考えて,着地時にジャンパーが斜面から受ける
衝撃を少なくするためである.一方,K 点を越えると傾斜
が緩やかになり,ジャンパーに衝撃がかかることになる.
K点
3.
右の図で S,T がそれぞれ鉛直線と 30°,60°をなして
いて,W=2.0N のとき,S,T はそれぞれ何 N か.
水平方向のつり合い式は
T sin 60  S sin 30  0
(1)
鉛直方向のつり合い式は
T cos 60  S cos 30  W  0
(2)
式(1)より
S  3T
で,式(2)に代入すると
1
3
1
T
3T  W  0  T  W  1.0 N
2
2
2
S  3T  3 N
4.
あるつる巻バネを 0.10m 引き伸ばしたときのバネの弾性力の大きさは 4.0N であった.このバネの
バネ定数は何 N/m か.
F  kx  4.0  x  0.10  x  40.0 N/m
5.
質量 60g,体積 80cm3 の木片を水に入れたところ,木片は水に浮かびました.
1)
木片にはたらいている浮力の大きさは何 N ですか.
2)
木片の,水中に沈んでいる部分の体積は何 cm3 ですか.
3)
木片の上に何 N 以上のおもりをのせると,木片は完全に水に沈みますか.
ただし、質量 100g の物体にはたらく重力を 1N とします。
質量 100g の物体にはたらく重力を 1N なので, g  1 / 100  0.01 N/g
また,水の密度は 1.0g/cm3 とする.
1) 浮力と重力は釣り合うので, F f  mg  60  0.01  0.6 N
2) 浮力は物体が水に沈んでいる部分の水の重さ分作用するので,
F f  Vg  1.0  V  0.01  0.6  V  60 cm3
3) 水に全部沈んだ時の浮力は F f  1.0  80.0  0.01  0.8 N なので,
mg  m  0.01  (60  x)  0.01  .0.8  x  20 g
確認テスト解答
p.12
1. 日常生活において,偶力を利用している例をあげよ.
ハンドル,水道の蛇口等
2. てこを用いて重いものを持ち上げるときの,支点,力点,作用点を絵を書いて説明しなさい.
また,手漕ぎボートが水面を移動するときの,支点,力点,作用点を示しなさい.
答え:
力点(ハンドル)
作用点(スリーブ)
支点(ブレード)
3. 長さ l (m)の軽い一様な棒 AB がある.棒の両端にそれぞれ糸
をむすび,糸の他端を鉛直な壁の 1 点 C にそれぞれ結びつ
けて棒が水平になるようにつるす.さらに,棒 AB の中点 P
に糸をつけて重さ W(kN)のおもりをつるす.このとき,AC
をむすぶ糸は鉛直で,BC をむすぶ糸は水平と 30°の角をな
してつりあっている.棒と壁の間の摩擦は無視できる.
(1) AC を結ぶ糸が引く力の大きさは何 kN か.
(2) BC を結ぶ糸が引く力の大きさは何 kN か.
(3) A において,壁から棒に働く力の大きさは何 kN か.
水平方向のつり合い
P1  T 2 cos 30  0  P1 
3
T2
2
(1)
鉛直方向のつり合い
T 1  T 2 sin 30  W  0
(2)
モーメントのつり合い
1
T 2 sin 30  l  W  l  0  T 2  W
2
(3)
式(3)を式(2)に代入すると
1
T 1  T 2 sin 30  W  0  T 1  W sin 30  W  0  T 1  W
2
式(3)を式(1)に代入すると
P1 
3
3
T 2  P1 
W
2
2
よって,
(1)
1
T1  W
2
(2) T 2  W
(3) P1 
3
W
2
4. 右の図のような,一様な厚さの板の重心の位置を求めよ.
W
半径 r の大きい円と半径 r/2 の小さい円の重さの比は,面積比で表せるから,
 r2
 (r / 2) 2
 4 :1
O'
で,大きな円の重さを 4W とすると,小さな円の重さは W である.
重心周りの力のモーメントの総和=0 であるから,
r

4W  OG  W   OG   0
2

r
ゆえに, OG 
6
答え:OO’軸上,O の右
r
の点.
6
5. 右のように太さが一様でない 3.0m の棒がある.A 端を地面につ
けたまま,B 端に鉛直上向きの力を加えて少し持ち上げるには 24N
の力が必要で,B 端を地面につけたまま A 端を持ち上げるには 12N
の力が必要であった.棒の重心の位置と重さを求めなさい.
A 点周りのモーメントのつり合い
24  3.0  W  l  0  W  72 / l
(1)
B 点周りのモーメントのつり合い
W  (3.0  l )  12  3.0  0
式(1)を式(2)に代入すると
l  2 .0 m
これを式(1)に代入すると
W  36 N
O G
(2)
3W
4W
r