電気回路Ⅱ 演習 特別編 (波動) •三角関数と波動について •波をどう考えるか? •波動関数 •真空中を伝搬する電磁波に関して(光学) •分布定数回路を伝搬する電圧及び電流(電気工学) •(追加)自由空間を伝搬する電磁波 •フレネル-キルヒホッフの公式 •フーリエ変換と畳み込み積分を用いた解析方法 1.三角関数と波動について 1.1 三角関数の定義 sin,cos,tanの定義 a sin( ) c c b a b cos( ) c sin( ) a tan( ) cos( ) b 1.2 三角関数と位相 f (t ) A sin(t ) A :振幅 ω:角周波数 θ:初期位相 振幅 tで時間的に位相が変化 している 振幅(波の大きさ) f (t ) A sin(t ) A t0 A 初期位相 0 0 位相 2 3 4 5 t 1.3 波の関数と位相(時間に関して) sin t という波を考える. sin t は,1秒に位相がωだけ変化する波. ここでωは,角周波数と呼ばれる. 位相が2π変化すると一つの波が終了する. 周波数 f はどのように求められるか? f 2 →1秒間に何回振動するか. 1秒にωだけ位相が変化するので2πで割ればよい 1.4 波の関数と位相(空間に関して) 時間的に振動するだけでなく,空間的にも波が観測され る.(海を写真でとると,波が写るよね?) では,今度は時間 t ではなく空間座標,たとえばz方向に対して波 を考える sin kz はzに対して波の形状となる. 同様に sin kz もzに対して波の形状となる.なぜ符合をマイナス にしたのかは後ほど説明する. ここでkは,波数と呼ばれる. 位相が2π変化すると一つの波が終了する. 波長λはどのように求められるか? k 2 →単位距離にkだけ位相が変化するので2πで割ればよい 波動とは? 波動とは漢字のとおり,動く波を表す. 海の波を考えよう.波は沖から陸のほうへ進んでいるよね? 空間での波の形状 波の進行方向 赤が時刻 t=0での波の状態 青が時刻 t=⊿tでの波の状態 時間 空間 A君の観測位置:決まった位置で立っていると,時間的に水位が変化する. 時間的に水位が振動する関数(波の関数)となる B君は,写真で波を観察した.時刻t=0で観測した場合,空間的に水位が変化している 時間的にも,空間的にも振動しているものを波動という 時間及び空間的に振動する波 波動は時間的空間的に振動する波.よって次のような ここの符号は,波の進行方向を表す.詳しくは後ほど 式で与えられる. f (t , z) sint kz 進行波を表す ←時間が変化しても,空間が変化しても 振動する関数となっている. 波の進行方向 赤が時刻 t=0での波の状態 青が時刻 t=⊿tでの波の状態 赤丸と青丸で印したところについて,位相が同じ値になるところを示している. 赤丸はt=t0で位置がz=z0とし,青丸はt=t0+⊿tで位置がz=z0+⊿zとする.位相は同じだから t0 kz0 (t0 t ) k ( z0 z ) 波の位相速度は v z / t z / t / k 位相速度の求め方 別な解法 波の進行方向 観測者 静止する観測者が1秒間に観測する波を数を考えよう. 1.まずは1秒間に何回波が観測されるか・・・・・これはそのまま周波数と考えてよいね f / 2 2.つぎに,上の図より波の形状が変わらず進行しているので,観測者の立っている位 置をいくつの波が通過するかを考えよう.1秒間に波はvだけ進む.波長はλだから f v / vk / 2 1と2より / vk / 2 v /k 波の進行方向について 進行方向について 1. f (t , z ) sin t kz v /k 0 速度が正の値 進行波 2. f (t , z ) sin t kz v / k 0 速度が負の値 逆方向に進行波 複素表示 複素数表示を使うことが多い 進行波 f (t , z ) | A | sint kz f (t , z ) Ae j t kz A | A | e 逆進行波 or反射波 j f (t , z ) | A | sint kz f (t , z ) Ae j t kz A | A | e j 波動方程式 波動は,時間的にも空間的にも振動する波であることは すでに述べた. 様々な現象を微分方程式を用いてあらわすことが多い. 波動を表す微分方程式は,時間及び空間の2回微分が 以下の関係式を満足する 2 f (t, z) C 2 f (t , z) Cは定数 2 t z 2 j t kz を代入すると C 2 となる. f (t , z ) Ae 2 2 2 k つまり, C k f (t , z) Ae j t kz Be j t kz
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