光源からの光で平行光を作るためにはどうすればよいか。 放物線の形状の鏡を使うことは有名な話しであるが、これを証明してみる。 イメージは図1となる。数学のレベルは中学生(一部高校生)とする。 まず、基礎知識として鏡に対して入射角と出射角は同じであることを確認する。 (図2参照) 最初に図3の垂直に入射された光 DO が出射される線 OB の直線の式を求めてみる y D 入射角 A E O B G 出射角 図1 C 図2 x F 図3 図3の定義を D の座標は(0,1)、四角形 ADBC は長方形とする。 線 AC の傾きを𝑚(𝑚 > 0)とすると線 AC の式は𝑦 = 𝑚𝑥・・・式1 1 1 𝑚 𝑚 線 AD の式を求めると、 傾きは線 AC と直交するため− 、また𝑦切片は 1 なのでy = − 𝑥 + 1・・・式 2 となる。 点 A の座標は線 AC と線 AD の交点なので式1と式2を連立させて求める。 𝑦 = 𝑚𝑥 1 { 𝑦=− 𝑥+1 𝑚 式 1-式 2 より mx + ∴x= 1 𝑚 𝑥−1= 𝑚2 +1 𝑚 𝑥−1=0 𝑚 𝑚 𝑚2 ,𝑦 = 𝑚𝑥 = 𝑚 × = 𝑚2 + 1 𝑚 2 + 1 𝑚2 + 1 𝑚 𝑚2 よって点 A の座標は(𝑚2 +1 , 𝑚2 +1)である。 △ADO と△CFO は合同(証明は省略)なので、F の座標は(0, − 1)である。 △FBG は△ADE と相似であり、その大きさは2倍(証明は省略)なので 𝑚 𝑚2 2𝑚 GF = 2EA = 2 × 𝑚2 +1 = 𝑚2 +1,BG = 2DE = 2 (1 − 𝑚2+1) = 2 ( 2𝑚 2 2𝑚 よって、B の座標は(− 𝑚2 +1 , − 1 + 𝑚2 +1) = (− 𝑚2+1 , 線 BO の式を求めると、傾きは 𝑦方向の変化 𝑥方向の変化 = 𝑚2 −1 −0 𝑚2 +1 2𝑚 − 2 −0 𝑚 +1 − 𝑚2 +1−𝑚2 𝑚2 +1 −𝑚2 −1+2 = 2 ) = 𝑚2 +1となる。 2𝑚 𝑚2 −1 ) = (− 𝑚2 +1 , − 𝑚2 +1) 𝑚2 +1 𝑚2 −1 𝑚2 −1 2𝑚 2𝑚 であり、y切片は 0 なのでy = 𝑥となる。 図 3 を放物線に組み込むと図 4 になる。(条件 a > 0、𝑥1 > 0 とする) y=ax2 y O B O1 x 点 O の座標を(𝑥1 ,𝑦1 )とすると、図 3 の原点 O を𝑥方向に𝑥1 、y方向に𝑦1 移動することになる。 線 BO の式は𝑦 = 𝑚2 −1 2𝑚 (𝑥 − 𝑥1 ) + 𝑦1 ・・・式 3 となる。 点 O はy = a𝑥 2上にあるので、𝑦1 = 𝑎𝑥12となり、式 3 に代入すると y= 𝑚2 −1 2𝑚 (𝑥 − 𝑥1 ) + a𝑥12 = 𝑚2 −1 2𝑚 𝑥− 𝑚2 −1 2𝑚 𝑥1 + a𝑥12 ・・・式 4 また傾き𝑚は𝑦 = 𝑎𝑥 2を微分して𝑦′ = 2𝑎𝑥より𝑚 = 2𝑎𝑥1 となる。 これを式 4 に代入すると y=− (2𝑎𝑥1 )2 − 1 (2𝑎𝑥1 )2 − 1 𝑥− 𝑥 + a𝑥12 2 × 2𝑎𝑥1 2 × 2𝑎𝑥1 1 =− 4𝑎2 𝑥12 − 1 4𝑎2 𝑥12 − 1 4𝑎 × 𝑎𝑥12 𝑥− 𝑥1 + 4𝑎𝑥1 4𝑎𝑥1 4𝑎 =− 4𝑎2 𝑥12 − 1 −4𝑎2 𝑥12 + 1 + 4𝑎2 𝑥12 𝑥+ 4𝑎𝑥1 4𝑎 = 4𝑎2 𝑥12 − 1 1 𝑥+ 4𝑎𝑥1 4𝑎 つまり、𝑦 = 𝑎𝑥 2の放物線に y 軸と平行な光を入射すると反射光の式はy = ここで、𝑥 = 0のとき𝑦 = 1 4𝑎2 𝑥12 −1 4𝑎𝑥1 1 𝑥 + 4𝑎となる。 1 1 となり、すべての光は定点(0, )を通過する。 4𝑎 4𝑎 よって、(0, 4𝑎)に光源を置くとy = a𝑥 2の放物線により平行光を作ることができる。
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