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北米
2017年1月12日
トランプ次期大統領、注目の記者会見
情報発信がツイッターによる一方向であったトランプ次期大統領の当選後初の記者会見でしたが、経済政策への
言及は限定的で、市場への答えという点では不十分で、次は今月20日の就任会見に注目する流れと見られます。
トランプ次期米大統領当選後初会見:
経済政策への言及は限定的
ドナルド・トランプ氏は2017年1月11日、米大統領選当選後
初となる記者会見を行いました。会見ではトランプ氏とロシ
アの関係や、大統領職と事業の利益相反を回避するプラン
が説明される予定でしたが、記者からの質問はロシアがト
ランプ氏とクリントン氏に不利となり得る情報を集めていた
とする文書に関する内容が大半となりました。
一方、市場が期待する財政政策、減税、規制緩和等につい
ては限定的な内容でした。
どこに注目すべきか:
国境税、貿易黒字、世界銀行、経済予想
情報発信がツイッターによる一方向であったトランプ次期大
統領の当選後初ということで、今回の記者会見に注目が集
まりました。ただし、市場関係者が期待した経済政策への言
及は限定的で、市場は期待はずれの下落というよりは、一
部の市場を除き反応も限定的となりました。次は今月20日
の就任会見に注目する流れと思われます。
会見の中で、経済に関する主な注目点は次の通りです。
財政、減税などへの言及が見られない中、生産拠点を米国
外に移す米企業に多額の税を課す(国境税)や対米貿易黒
字への言及が見られたことから、トランプ次期政権は当面、
通商問題を取り扱う印象です。批判の矛先は中国やメキシ
コと思われますが、日本の名前も現れたことから円高・ドル
安となっています。ただし、日本の対米貿易黒字は中国に
比べ規模が小さく、また米国への直接投資は中国に比べ規
模が大きいなど反論材料も多く、過度な円高の可能性は高
くないと思われます。
次に、財政政策や減税など本格的な経済政策について言
及が見られなかったのは、そもそも就任前の会見で、具体
策は避け、安全運転に徹した印象です。
なお、唐突な印象ながら、医薬品業界に対し、政府関連ビジ
ネスでは入札を強制する考えを示しました。トランプ氏の大
ピクテ投信投資顧問株式会社
統領就任は医薬品業界にプラスとの見方もあっただけに市場
では変動が見られました。ただ、政策の実現可能性など今後
の推移を見守る必要もあると見られます。
就任前ということもあり、言葉だけが先行する傾向が見られる
ことから、最後に最近世界銀行が公表した経済成長予想をと
りあげます。理由は、世界銀行は経済成長を策定するに当た
り、トランプ氏の政策を反映しない場合と、想定される政策を
反映させた成長率を公表しているからです(図表1参照)。
米国の経済成長率に注目すると、世界銀行は2017年は2.2%と
予想しています。法人税率や個人所得税率の引き下げや他
の政策が実施された場合2017年は2.5%、18年は2.9%と、減税
等が無いケースに比べ、タイミングによっては最大で各0.3%、
0.8%の成長率の引き上げ効果があると見込んでいます。
もう一つの注目は2018年の米国の成長率です。世界銀行は
減税等が無い場合、2017年に比べ成長率は2.1%へ低下する
と見込んでいます。世界全体の上昇傾向と対照的な動きで
す。米国の景気回復は金融危機後、長期にわたり、追加支援
無しには、成長の勢いが低下する懸念もあると見られます。
いずれにせよ、次は1月20日の就任会見に注目しています。
図表1:世界銀行による米国と世界の成長率予想
(年次、時点:2016年(左)、2017年(中)、2018年(右))
3.5
16年
%
3.0
2.5%
2.5
2.0
2.2
17年
2.9%
2.1
18年
2.8%
2.7
3.2%
2.9
2.3
1.6
1.5
1.0
0.5
0.0
米国
世界
※図表1囲み数字はトランプ次期政権の政策、法人減税35%から15%、個人
所得減税等の実施を仮定した場合の世界銀行成長予想の最大値を表示
出所:世界銀行のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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