週間投資レポート

審査済M
《審査番号M16- 1868
(平成28年8月5日)
週間投資レポート(20160808・15合併号)
》
週間投資レポート
不透明感に包まれる市場、投資対象の選別で…
日銀の追加緩和が市場の期待を下回ったことに加え、米国の第2四半期GDP成長率が市場予想を大幅に
下回る低調な水準に留まったことで、ドル円相場は円高方向に反転した。さらに、28兆円経済対策も規模こそ
大きく見せたが、真水と呼ばれる部分は小さく、失望の円高を加速する形となった。
また、日銀が9月の決定会合で三次元緩和を総括的に検証すると示したことも市場に様々な憶測を呼んだ。
黒田総裁は検証による緩和縮小を明確に否定したが、政策の枠組みが変わる可能性もあり、底打ちも指摘
される国内長期金利、ドル円相場、株式市場は不透明感に包まれた展開が予想される。
一方、日銀によるETF買入額の倍増は株式市場を需給面から支える役割を果たすことになろう。本格的な
上昇転換をもたらすには十分とは言えないが、8月第1週にドル円相場が100円台に下落し、日経平均も瞬間
的に16000円を割った後、直ぐに反発したのはその存在が意識されたからであろう。
さて、米国企業の決算は減収減益ではあったが、事前予想を上回る企業の割合が多く、業績底入れ観測が
指摘されている。日本企業の第1四半期も輸出企業に円高影響が強く出ているが、為替変動を除いたベース
では堅調で、社内想定を上回ったとする企業も多い。欧米を中心にグローバルな不透明感が強まる中、リス
ク回避の円高には要注意だが、企業業績の極端な下振れリスクは小さくなったと言えそうである。
市場全体の本格上昇は想定しづらいが、投資対象を選別することで成果を上げることは不可能ではないだ
ろう。円高影響が小さく、経済対策の効果が早めに出てくるセクター(子育て支援、公共投資、住宅等)、高値
から調整3カ月で反転が観測される東証マザーズ(4月高値)に注目する投資家も見え隠れ…!?
(石飛)
《経済・産業スケジュール》
国内主要経済指標等
6月国際収支
7月企業倒産件数
8(月)
7月景気ウォッチャー調査
7月28・29日開催の日銀金融政策決定会合「主な意見」
7月マネーストック
7月工作機械受注
30年国債入札
9(火)
6月機械受注
7月国内企業物価指数
10(水)
7月都心オフィス空室率
6月第三次産業活動指数
国民の祝日「山の日」
11(木)
オプションSQ
12(金)
海外主要経済指標等
中国7月貿易収支
米7月労働市場情勢指数
中国7月消費者物価
中国7月生産者物価
米6月卸売売上高
米6月卸売在庫
米3年国債入札
休場:シンガポール、南ア
米7月財政収支
米10年国債入札
NZ準備銀行金融政策決定会合
米7月輸入物価指数
米30年国債入札
中国7月鉱工業生産
中国7月小売売上高
中国7月都市部固定資産投資
ユーロ圏4-6月期GDP速報値
米7月小売売上高
米7月生産者物価指数
米6月企業在庫
米8月ミシガン大学消費者信頼感指数
休場:タイ
エース経済研究所
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週間投資レポート(20160808・15合併号)
≪Imadas 100社ポジション≫
予約(カイ)・カイ・判断(カイ)ゾーンの銘柄数は55社に減少、自律調整局面が継続している。
円強含みの動きが足枷となってはいるものの、企業業績への過度な警戒感の後退や日銀に
よる追加緩和がジワリと効きはじめ、株式市場は底堅い推移となっている。
( イマ ダ ス )
Imadas (株価天気図)による
平成28年8月4日
100社ポジション
《 ② 判 断 ( カ イ ) ゾーン》
《 ①調整ゾー ン 》
人
気
度
・
大
衆
心
理
の
推
移
Imadas
《 ③過熱ゾー ン 》
(データ日
週中間値 )
8/4
審査済A
(平成28年8月4日)
《 ④ 判 断 ( ウリ ) ゾーン》
《判断ソ ゙ー ン》
追撃カイや
追撃ウリ、
STC(fast)
もしくは見送り
など個別の
判断を要する
STC(slow)
●
●
●
●
●
※NYダウ・ナスダック・
為替(円/ドルレート)は
8/1現在のデータ
●
週ベース
週ベース
8月4日 終値ベース
ナ ス タ ゙ッ ク
日経平均
指
標
N Yタ ゙ウ
指
標
為 替 ( 円 / ドル レー ト)
A 〔 予約 ( カ イ ) 〕
A 〔 カ イ〕
(1 社)
B 〔 カ イ〕
B 〔 予約 ( カ イ ) 〕
《 2 0 ~ 8 0 % での G クロ ス銘 柄 》
(2 社)
《 2 0 ~8 0 %でF ast上向き 転換》
(1 社)
8028 Fマート
9984 ソフトバンクG
2121 ミクシィ
《 かつ 1 3 週移動が上向き 》
《 かつ 1 3 週移動が上向き 》
【 採用】
TPX2倍 (1568)
三住 トラスト(8309)
20%
4902
6976
8113
8002
9101
A 〔 予約 ( ウ リ ) 〕
(5 1 社)
3765 ガンホー
【 削除】
7/8 日立 建(6305)
ロー ム(6963)
〔 判断 ( カ イ ) 〕
(0 社)
コニカミノルタ
太陽誘電
ユニチャーム
丸 紅
郵 船
6857
6594
7269
4063
9983
6301
5713
7259
5232
7203
6506
3436
アドバンテ
日電産
スズキ
信越化
ファーストリテイ
コマツ
住友鉱
アイシン精
住阪セメ
トヨタ
安川電
SUMCO
5233
8058
6702
6762
8750
3402
9433
7267
8306
4755
8604
8411
6479
5201
1570
6981
6902
8697
6954
1568
3405
6501
8316
4004
7261
8031
7731
4523
5108
5411
4502
6135
7752
8802
太平洋セメ
三菱商
富士通
TDK
第一生命
東 レ
KDDI
ホンダ
三菱UFJ
楽 天
野村HD
みずほ
ミネベア
旭硝子
日経レバ
村田製
デンソー
JPX
ファナック
TPX2倍
クラ レ
日 立
三井住友
昭電工
マツダ
三井物
ニコン
エーザイ
ブリヂストン
JFEHD
武 田
牧野フ
リコー
菱地所
A 〔 ウ リ〕
(2 社)
6758 ソニー
4503 アステラス薬
B 〔 ウ リ〕
《 8 0 ~ 2 0 % での D クロ ス銘 柄 》
《 8 0 ~2 0 %でF ast下向き 転換》
(8 社)
60%
5333
6701
2802
8591
7012
1605
7751
8830
(2 9 社)
STC高
1801 大成建
6098 リクルートHD
80%
B 〔 予約 ( ウ リ ) 〕
〔 判断(ウ リ ) 〕
(2 社)
ガイシ
NEC
味の素
オリックス
川 重
国際帝石
キヤノン
住友不
8035
1812
1803
6502
7832
7013
7011
7270
9437
6752
東エレク
鹿 島
清水建
東 芝
バンナムHD
IHI
三菱重
富士重
NTTドコモ
パナソニック
6988
1802
4114
8309
7974
6503
6302
5802
7201
日東電
大林組
日触媒
三住トラスト
任天堂
三菱電
住友重
住友電
日産自
(5 社)
6367
9020
9735
5401
9104
ダイキン
JR東日本
セコム
新日鉄住
商船三井
60%
《 かつ 1 3 週移動が下向き 》
40%
《 かつ 1 3 週移動が下向き 》
6971 京セラ
1925 大和ハウス
20%
8801
7733
8267
4689
4901
6952
6753
4528
40%
三井不
オリンパス
イオン
ヤフー
富士フイルム
カシオ
シャープ
小野薬
STC低
【注意喚起】
なし
【ファイナンス】
なし
(注)B〔カ イ 〕発信銘柄の条件は修STC20~80%でGクロ スかつ13週移動平均が上向き
(注)B〔ウリ〕発信銘柄の条件は修STC80~20%でDクロ スかつ13週移動平均が下向き
◇
Imadas(株価天気図)による注目銘柄
〔判断(カイ)〕
ソフトバンクG(9984)、ブリヂストン(5108)、菱地所(8802)
エース経済研究所
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週間投資レポート(20160808・15合併号)
≪アナリストの注目銘柄≫
三 栄 建 築 設 計 ( 東 1: 3228)
16/8期
(予想)
前期比
(株価 8月4日 1070円 時価総額227億円)
売上高
経常利益
当期利益
EPS
PER
800億円
64億円
40億円
189円
6倍
+26%
+13%
+16%
開発・企画・設計・施工・メンテナンスまで一貫対応の 「ハウジング・デベコン」を標榜。
①16/8期第3Qは7%増収の414億円、18%経常増益の36.7億円。
不動産販売は8%増収の311.8億円、セグメント利益24%増の34.
7億円、請負が3%増収の85.7億円、同倍増の8億円、賃貸が4%増収
の16.6億円、同10%増益の7.5億円。
②第3Qは販売・引渡しの遅れで売上高は未達だが、通期計画は据え置き。無
理な値引き販売はしない方針として、売上未達でも利益は確保できる見通し。
(石飛)
日 産 自 動 車 ( 東 1: 7201)
17/3期
(予想)
前期比
(株価 8月4日 981.6円 時価総額4兆3099億円)
売上高
営業利益
当期利益
EPS
PER
11.8兆円
8000億円
5250億円
131円
8倍
▲3%
▲7%
+0.2%
2016年度を最終年度とす る新中期計画「日産パワー88」を推進。
①17/3期第1Qは8%減収の2兆6544億円、9%営業減益の1758
億円。為替影響を除くと3%増収の2兆9912億円、38%営業増益の2
670億円で業績堅調としている。
②通期計画は据え置き。販売台数3%増の560万台、1ドル105円、1ユ
ーロ120円を前提。利益増減は為替▲2550億円、販売・マーケティン
グ関連+600億円、原価改善等+1117億円だが、円高を吸収するコス
ト削減が進捗している模様。 (石飛)
シ マ ノ ( 東 1 : 7309 16140円)
16/12期
(予想)
前期比
(株価 8月4日 15390円 時価総額1兆4269億円)
売上高
経常利益
当期利益
EPS
PER
3250億円
654億円
475億円
512円
30倍
▲14%
▲35%
▲37%
自転車部品及び釣具メーカー。売上高の 過半が 欧州。
①16/12期第2Qは売上高1664億円(▲15%)、営業利益341億
円(▲24%)。特に、ヨーロッパ市場の天候と経済環境の悪化が響き、大
幅減収減益。
②釣具は、米国の緩やかな回復などから売上高微増、リールの高付加価値品の
生産比率が上昇したことで大幅な営業増益だが、自転車の減速を補えなかっ
た。下期は完成車メーカーへのリードタイムの短縮と生産体制の効率化に努
力。 (澤田)
エース経済研究所
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週間投資レポート(20160808・15合併号)
≪トピックスコーナー≫
~ EVトラック開発競争激化 ~
EVトラック開発競争激化
厳しい環境規制に対応、運送業向けにらむ(産経)
トラックメーカーが、電気自動車(EV)の開発を進めている。三菱ふそうトラック・バスは4月にドイツで小型
EVトラックの実証試験を開始し、親会社の独ダイムラーは25トン級の大型車を公開した。米EVベンチャーのテスラ
モーターズも2017年にEVトラックを発表すると表明し、環境規制の厳しい都市部の運送業などへの活用に向け開発
競争が始まっている。
ドイツ南西部のシュツットガルトにあるダイムラーのブリュール工場。実習棟が立ち並ぶ敷地内を、三菱ふそう
の小型EVトラック「キャンターE-CELL」で走った。試乗運転する記者の前方に従業員が実習棟から出て来たが、背
後から迫るキャンターに振り返りもしない。
「排気音がないから気付かないんだ」。同乗した技術者はこう説明した。
試乗車は車重6トンで最大積載量は3トン。車台側部に4個のリチウムイオン電池を搭載し、約7時間の充電で100
キロ以上走行する。最高出力はディーゼル車並みの150馬力を誇り、モーター駆動の加速の良さが特徴だ。
三菱ふそうの生産拠点があるポルトガルで昨年6月まで1年間実施した実証試験で、1万キロ当たり運用費用1000
ユーロ(約11万円)の削減を達成。今年4月から盆地にあるシュツットガルトに建築資材やごみ箱の運搬車として4
台提供し、坂道の多い地形での走行性能などを検証している。市産業廃棄物管理局の運転手は「1日最長90キロ走
るが、充電に不安を感じたことはない」と話す。
三菱ふそうは数年内の量産を目指しており、市担当者は「排ガスを抑制するため、ディーゼル車より価格が2割
程度高くても導入を検討する」と語った。
トラック市場はこれまで、燃費が良く力強い走りができるディーゼル車が主流だった。だが、排ガスや騒音の問
題があるディーゼル車に進入規制を課す都市があることに加え、運輸業の「24時間化」を背景に、排ガスを出さ
ず、深夜でも静かに配送できるEVへの期待が高まっている。
日産、日野、テスラ 商機うかがう
日本では日産自動車が2015年3~5月に東京都千代田区の自転車シェア実証事業でEVトラックの試験車を提供し
た。小型EV「リーフ」の電池やモーターなどの技術を活用し、「振動が尐ないので運転手に優しい」(日産)。
日野自動車も小型EVトラックの開発を手掛けている。
さらに、ダイムラーは7月、車重が26トンの大型EVトラックを世界で初めて披露した。20年の量産開始を目指
し、「トラックは電動化の時代に入る」(ベルンハルト取締役)。
新興勢力も商機をうかがっている。米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は7月に発表した経営計
画で「(EVトラックは)開発の初期段階にあり、来年には発表できる」と表明、トラックメーカーの牙城に挑む構
えだ。
[出典]資源エネルギー庁作成
☆『電気自動車』の主な関連銘柄
コード
銘柄名
4044 セ硝子
4080 田中化研
4109 ステラケミファ
コード
銘柄名
6504 富士電機
6506 安川電
6507 シンフォニア
コード
銘柄名
6508 明電舎
6617 東光高岳
6619 WSCOPE
・・・弊社参考銘柄
コード
銘柄名
6674 GSユアサ
6996 ニチコン
9478 SE H&I
エース経済研究所
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審査済 M
審査番号 M16- 1868
ACE Research Institute
金融商品取引法に基づく表示事項
■本資料をお客様にご提供する金融商品取引業者名等
商号等:
加入協会:
丸八証券株式会社
金融商品取引業者
東海財務局長(金商)第 20 号
日本証券業協会
指定紛争解決機関:
特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター
■手数料等及びリスクについて
●株式の売買には、約定代金に対して最大 1.188%の手数料(税抜き 1.100%)〔た
だし、最低手数料 2,160 円(税込み)〕が必要です。●株式は株価の変動により、損失
を生じるおそれがあります。●上場有価証券等書面の内容をよくお読みください。
●外国株式への投資には、所定の手数料等(取次手数料、外国金融市場における売
買手数料及び公租公課その他の賦課金)が必要です。外国株式は、為替相場の変動
等により、損失を生じるおそれがあります。●非上場債券(国債、地方債、政府保証
債、社債)を当社が相手方となりお買い付けいただく場合は、購入対価のみお支払い
いただきます。●債券は、金利水準の変動等により価格が上下し、損失を生じるお
それがあります。●外国債券は、為替相場の変動等により損失を生じるおそれがあり
ます。● 商品毎(投信・外債含む)に手数料等及びリスクは異なりますので、上場有価
証券等書面、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書またはお客様向け資料
をよくお読みください。
丸八証券及びエース経済研究所(以下、ARI) 免責事項等
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

当資料により株式・債券・その他金融商品(投信・外債含む)等の勧誘を行うことがあ
ります。本資料で言及した銘柄や投資戦略は、投資に関するご経験や知識、財産の状況
及び投資目的が異なるすべてのお客様に、一律に適合するとは限りません。また、取
扱のない銘柄を参考掲示することがあります。株式・債券等の有価証券の投資に
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