PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境
米国FOMC速報~
No.1455 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
6会合連続で利上げ見送りも、10名のメンバーの
うちの3名が25ベーシスの利上げを主張
2016年9月23日作成
米国の中央銀行にあたるFRBは9月20日から21日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)を
開催、政策金利であるFFレートの誘導目標を0.25~0.50%で据え置いた。FRBは、昨年12月
15日から16日にかけて開いたFOMCで25ベーシスの利上げを実施、2008年12月16日のFOMC
以来継続していた実質ゼロ金利政策を解除した後、6会合続けて利上げを見送ったことにな
るが、今回のFOMCでは投票権を有する10名のメンバーのうち、3月、4月及び1回飛んで7月
26~27日開催の前回会合でも金利据え置きに反対していたカンザスシティー連銀のジョージ
総裁に加え、クリーブランド連銀のメスター総裁、ボストン連銀のローゼングレン総裁の都
合3名が25ベーシスの利上げを主張した。
《声明文のポイント》
声明文は景気の現状について、「7月
の会合以降に入手した情報は、経済活
動は今年の上期にみられた控えめな
ペースから上向いたことを示してい
る」と記述、「緩やかな速度で拡大し
たようだ」と述べていた7月26~27日開
催の前回会合に続いて前向きな見方が
示された。また、労働市場についても
「引き続き強まった」と述べているほ
か、家計消費に関する「力強く成長し
た」という極めてポジティブな表現も
変わらない一方、設備投資に対する見
方は「軟調だった」と引き続き弱気で
ある。
一方、インフレについては「我々の
長期目標を引き続き下回って推移した。
市場ベースのインフレ指標は引き続き
低く、長期の期待インフレについては
「結局のところここ数ヶ月の間余り変
わっていない」と述べており、前回の
声明文から変わっていない。
景気の先行きについては、「経済活
動は緩やかなペースで拡大するととも
に、労働市場関連の指標は強まるだろ
う」との見方を継続、今後のインフレ
に関する、「短期的には低位にとどま
るとみられるが、過去のエネルギー価
格及び輸入価格下落の一時的効果の消
失と労働市場のさらなる改善により、
2%に向けて上昇するだろう」という
7月の会合以降に入手した情報は、経済活
動は今年の上期にみられた控えめなペース
から上向いたことを示している
労働市場は引き続き強まった。ここ2~3ヶ月
労働市場
の失業率はほとんど変わらなかったが、雇用
の伸びは平均すると堅調だった。
家計消費
家計消費は力強く成長した
設備投資
軟調だった
以前のエネルギー価格の下落と非エネル
ギーの輸入価格の値下がりを一部反映して
我々の長期目標を引き続き下回って推移し
物価
た。市場ベースのインフレ指標は引き続き低
く、ほとんどの調査に基づく長期の期待インフ
レは結局のところここ数ヶ月余り変わってい
ない。
金融政策スタンスの緩やかな調整により、経
済活動は緩やかなペースで拡大するととも
に、労働市場関連の指標はいくらか強まるこ
とを見込んでいる。早い時期のエネルギー価
格の下落を一部反映してインフレは短期的
には低位にとどまるとみられるが、過去のエ
景気と物価の先行き ネルギー価格及び輸入価格下落の一時的
効果の消失と労働市場のさらなる改善によ
り、インフレは中期的に2%に向けて上昇す
るだろう。経済見通しに対する短期的なリス
クは概ねバランスした。我々は引き続きイン
フレの動向とグローバル経済と金融の変化を
注視する。
景気の現状全般
決定した政策等
これらを背景に、FF金利の目標レンジを0.25
~0.50%で維持することを決定した。FF金利
引き上げの論拠は強まったと判断している
が、当面は目標に向けて進展を続けているさ
らなる証拠を待つことにした
FF金利のさらなる調整のタイミングと規模の
決定においては、雇用の最大化と2%のイン
フレ目標に関連する経済情勢を、現実と予想
の双方について再評価する。評価に際して
は、労働環境に関する指標やインフレ圧力と
インフレ期待、金融情勢と国際情勢の変化を
含む幅広い情報に注意を払う。現在のインフ
レが2%の目標を満たしていない観点から、
フォワードガイダンス
我々は、現実と期待のインフレ目標に向けた
進展を注意深くモニターする。経済情勢が極
めて緩やかなFF金利の引き上げに限って正
当化される形で改善され、FF金利はしばらく
の間、長期的に有効とされる水準を下回って
推移するだろう。しかしながら、FF金利の実
際の道筋は今後のデータによる経済見通し
に依存する。
表現も変わっていない。また、海外の経済や金融市場の動向について声明文は、「(インフ
レ指標と)グローバル経済と金融の変化を注視する」という表現を4月のFOMC以降4会合続け
て使う一方、前回のFOMCの声明文では「経済見通しに対する短期的なリスクは減少した」こ
とを明記したのに続き、今回の声明文では、 「経済見通しに対する短期的なリスクは概ね
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最終頁の「ご注意いただきたいこと」を必ずお読み下さい。
髙木証券投資情報部
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バランスした」と述べているが、「リスクはバランスした」という認識が示されたのは、
ゼロ金利政策の解除に踏み切った昨年12月のFOMC以来6会合ぶりである。
声明文はその上で、「これらを背景に、FF金利の目標レンジを0.25~0.50%で据え置く
ことを決定した。FF金利引き上げの論拠は強まったと判断しているが、当面は目標に向け
てさらなる進展を続けているというさらなる証拠を待つことにした」と述べているが、
「経済情勢が極めて緩やかなFF金利の引き上げに限って正当化される形で改善され、FF金
利はしばらくの間、長期的に有効とされる水準を下回って推移するだろう。しかしながら、
FF金利の実際の道筋は今後のデータによる経済見通しに依存する」を根幹部分とするフォ
ワードガイダンスについては、利上げを実施した昨年12月FOMC以降変わっていない。
また、声明文と同時に公表されたFOMC参加者の経済見通しに含まれる「ドットチャー
ト」では、適切と思われる今年末のFF金利見通しの中央値が「0.625%」とされ、6月の
FOMC時に公表された「ドットチャート」の中央値である「0.875%」から下方修正された。
しかし、下方修正とはいっても、「0.625%」という中央値は、年内1回の利上げ(その場
合、利上げのタイミングは11月2日から3日にかけて開かれる次回のFOMCではなく、12月13
~14日のFOMCになる可能性が高いと思われる)がFOMC参加者のメインシナリオであること
を示しているのに対して、今回のFOMC声明文及び「ドットチャート」が公表される前日の
20日時点での先物が示唆する年末のFF金利は0.505%に過ぎず、市場は年内の利上げを十分
に織り込んでいなかったにもかかわらず、FOMC終了後の為替市場では、FRBのイエレン議長
がジャクソンホールで講演を行った8月26日以来の水準となる1米ドル=100.30円前後まで
米ドル安・円高が進んでいる。
為替市場のこうした動きの背景には、「ドットチャート」では、先に述べた2016年末だ
けではなく、それ以降の金利見通しも引き下げられたことがありそうであり、例えば2017
年末のFF金利見通しの中央値は6月時点の「1.625%」から「1.125%」に下方修正されてい
る。これを利上げ回数で考えた場合、2016年が前述の通り6月時点の「2回」から「1回」に
引き下げられたことを踏まえると、2017年の利上げ回数の見通しは6月時点の「3回」から
「2回」に修正されたことになるが、20日時点の先物が示唆する2017年末のFF金利は0.71%
となっており、このことは、市場が「年内」ではなく「来年末」までで漸く1回強の利上げ
を織り込んでいるに過ぎないことを示している。FRBはもともと緩やかな利上げを想定して
いたほか、将来の金利見通しもより緩やかな方向に修正される傾向にあるが、こうした極
めてゆっくりとした利上げに対してすら市場は余りにも懐疑的過ぎるといえるだろう。
FOMC参加者の金利見通し(6/15発表)
FOMC参加者の金利見通し(9/21発表)
2017年末
「中央値」
2016年末 1.625%
「中央値」
0.875%
2017年末
2016年末 「中央値」
1.125%
「中央値」
0.625%
(文責:勇崎
聡)
(出所:FRB、Bloombergのデータより髙木証券作成)
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