広報委員 の一言 - 新潟県医師会

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広報委員
の一言
今月号より会報のリニューアルに伴い、前号ま
ら、
「ぞうあく」と読むべきです。それと同様に、
でこのページに掲載されてきた「喫茶室」と「編
「楽」という字も音楽・楽器関連に使われるとき
集後記」が合併し、
「広報委員の一言」というコー
は「がく」
(例えば、楽章、楽譜、打楽器)と読
ナーになりました。他のコーナーにおいても、い
まれ、たのしいの意味に使われるときは「らく」
ろいろ変更点があります。若い医師の視点から見
(例えば、楽天、気楽、楽園、娯楽)と読み分け
た意見、特に研修医からもどしどし投稿をお願い
られます。
したいと思っております。これからも広報委員一
実は、われわれが日常的に使う医療用語にも多
同、なるべく多くの読者の皆様からの意向や評価
くの誤読があります。腹腔・鼻腔などに使う腔の
も取り入れ、今までよりもフレキシブルに編集お
字には本来「くう」の読みはなく、
「こう」が正
よび広報活動をやっていきたいと思っていますの
しいようです。口腔外科は「こうこうげか」と読
で、変わらぬ活発な投稿および忌憚なきご意見を
むのが本来正しいそうです。
「こうこうげか」と
よろしくお願いします。
聞くと孝行外科?高校外科?などと勘違いしてし
さて、本稿を書いている現在、新潟では桜が満
まいそうですね。その他にも、鑷子は「せっし」
開を迎えています。過ごしやすい時節柄、各地で
ではなく「じょうし」
、粥状硬化は「じゅくじょ
学会や研究会も多く開催されています。先日、あ
うこうか」ではなく「しゅくじょう」が本来の正
る研究会に出席した際のことです、レジデント医
しい読み方になります。このように、誤った読み
と思われる若い医師が急性増悪を「きゅうせいぞ
方が定着して一般化したものを慣用読みといいま
うお」と読んでいました。正しくは「ぞうあく」
す。医療用語ではありませんが、
輸入輸出の「輸」
です。憎悪の念などのときには悪を「お」と読む
の字も本来は
「しゅ」
と読まれるべきで、
「しゅにゅ
のだから、それでもいいじゃないかと思う人がい
うしゅしゅつ」が正しいのだそうです。正確には
るかと思いますが、これは誤読になります。悪を
正しかったというべきかもしれません。誤読が今
「お」と読むのは、悪寒・悪心・憎悪などの場合
は正式な読み方として定着してしまい、だれも
に限られます。悪を「お」と読むときは「憎む」
元々の正しい読み方をしなくなってしまったから
や「むかむかする」意味を表す場合にほぼ限局さ
です。手術室で、外科医が「早く『じょうし』を
れ、悪を「あく」と読むときは「わるい」を意味
出せ!」なんて言ったら、はてさて、いったい何
するように使い分けられているからです。増悪は
が出て来るやら。
わるい病状がさらに進行する意味になりますか
(橋立英樹 記)
広報委員会委員:恩田晃・山内春夫・勝井豊・佐藤雄一郎・高桑好一・永井博子・橋立英樹・高橋暁・上野光博・山村倉一郎・永井雅昭
新 潟 県 医 師 会 報・第 793 号〔平成28年4月〕
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新潟県医師会報 H28.4 № 793