広報委員 の一言

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広報委員
の一言
木の葉も色づき始め、日一日と秋が深まってい
をいただきました。学生時代に苦労して登った記
る今日この頃です。ふと夜空を見れば太陽が西に
憶が懐かしく思い返されました。巻頭言では「少
沈んだ後、南西の低い空に宵の明星「金星」が輝
子化社会と学校保健」と題し石田理事より人口減
き、その右上方に「土星」が近接して観察されて
少社会よりずっと前から始まっていた、新生児の
きます。すぐ沈んでしまいますので観測時間は短
出生数の減少とそれに伴う学校保健の課題につき
いですが、「土星」は少し良い双眼鏡でも輪が見
解説いただきました。集団から個人の健康へ重点
えますので一度お試し下さい。
が移り、本年度より始まった学校健診における運
さて今年のノーベル医学・生理学賞の受賞者が、
動器検診は記憶に新しいところです。この少子・
細胞が不要になった、タンパク質や細胞内小器官
高齢化そして人口の減少が学校保健のみならず、
などを分解し再利用する、
「オートファジー」の
将来の医療・介護ひいては日本社会全体にもたら
機構を解明した大隅良典・東京工業大学栄誉教授
す甚大な影響については想像すらできませんが、
に決まりました。日本人の医学・生理学賞の受賞
「勤務医の広場」で豊栄病院の柄澤先生からご寄
は昨年の大村智・北里大学特別栄誉教授に続き4
稿いただいたように、病院においても地域医療構
人目です。日本人の一医師として心よりお祝いを
想や病床削減の荒波が立ち始めているようです。
申し上げたいと思います。本会報でも第774号
(平
論説では特集で、本年4月に発生した熊本地震に
成26年9月)の学術・綜説で「オートファジーと
おける新潟県医療救護班の活動が報告されていま
疾患」と題して新潟大学遺伝子制御講座分子生物
す。救護班の皆様のご活躍に敬意を表したいと存
学分野の小松雅明教授より詳細な解説をいただい
じます。中越地震からちょうど12年、中越沖地震
ております。近年この「オートファジー」の異常
から9年余、東日本大震災から5年半が経過しま
がパーキンソン病やアルツハイマー病などの神経
すが、改めて地震に対する備えが医療機関におい
疾患、感染症やがんの発症と密接に関連している
ては特に重要であると思いました。
ことが明らかとなってきており、今後のさらなる
県医師会報は今回で799号、次回800号は記念企
研究の発展が待たれるところです。
画を予定しております。どうぞご期待下さい。
今月号の表紙は南魚沼郡医師会長の安川先生か
(永井雅昭 記)
ら魚沼スカイラインから望む美しい巻機山の写真
広報委員会委員:恩田晃・山内春夫・勝井豊・佐藤雄一郎・高桑好一・永井博子・橋立英樹・高橋暁・上野光博・山村倉一郎・永井雅昭
新 潟 県 医 師 会 報・第 799 号〔平成28年10月〕
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新潟県医師会報 H28.10 № 799