広報委員の一言

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広報委員
の一言
2017年初めての県医師会報をお届けします。今
そして、
「やりぬく力」を持つ人は、情熱を傾け
年の年末年始は穏やかな天気でゆったりとされた
られる興味を持ち、高い目的意識をもって辛い練
先生方も多いのではないでしょうか？私は年末年
習を欠かさず、成長思考を忘れないで希望に向
始のまとまった時間を利用して、本をじっくり読
かって地道な努力を続ける習慣を身につけている
むという贅沢を毎年楽しみにしています。そのた
のだそうです。ここで、なるほどと合点がいきま
びのチョイスはいろいろありますが、たいてい１
した。イチロー選手のこれまでの数々の言葉やエ
回はイチロー選手に関わる本を本棚から引っ張り
ピソードを披露するまでもなく、彼のキャリアを
出すのは私のルーチンかもしれません。ここでイ
支えてきたのはそういうことなのだ、と。
チロー選手について少し・・・。本名鈴木一郎、
新年早々の１月13日付の新潟日報に、新潟大学
1973年10月22日生まれの43歳、現役メジャーリー
と新潟県の医療ビッグデータ共同事業の報道があ
ガー、2016年シーズンまで生涯安打数は4,308で
りました。2017年度に新潟大学が導入を決めた
ピートローズ氏の4,256安打を上回るが、あくま
スーパーコンピュータを用いて、これまで蓄積さ
で日米合算の参考記録とされ、メジャー通算3,030
れたデータを分析し診断・治療・創薬まで繋げる
安打は歴代24位、今年は26年目のシーズン（日本
ことも目的のひとつです。これからの世の中は
９年、米国17年）です。スポーツ選手の多くはケ
AI
（Artificial Intelligence:人工知能）
の活用により、
ガでキャリアを縮めてしまうことが多いのです
短期間に後戻りができないくらい劇的に変容して
が、そのリスクの多い野手である彼がここまで現
いくと言われています。医療界も集団の医療から
役を続けられたことは賞賛に値します。
それでは、
個の医療へ、個別化医療（Precision Medicine）
どうしてあのような過酷な労働環境で、ここまで
も夢ではありません。研究者のレイ・カーツワイ
しぶとく生き残ることができたのでしょう
ルは AI が deep learning を繰り返し最終的に人
か・・・。プロになる人間の多くは生まれ持った天
間の能力を超える Singularity（技術的特異点）
賦の才能と身体能力など先天的な要素があるはず
が訪れるのは2045年ころと主張します。そのころ
なのに・・・です。
に野球というスポーツはどういった変遷をしてい
ペンシルバニア大の心理学教授アンジェラ・
くのでしょうか？第２、第３のイチローを科学者
ダックワースの著書に「GRIT」という書物があ
がコピーできるようになって彼は72歳になっても
ります。GRIT（グリット）とは2016年米国で流
プレーしているのかも・・・これならピートローズ
行語にもなった言葉で、ものごとが上手くいくた
も文句はつけられないだろうな・・・などと創造の
めに大切なものは、IQ や天賦の才もさることな
翼を広げてみる2017年新春でした。
がら「GRIT：やりぬく力」であるというのです。
（佐藤雄一郎　記）
広報委員会委員：恩田晃・山内春夫・勝井豊・佐藤雄一郎・高桑好一・永井博子・橋立英樹・高橋暁・上野光博・山村倉一郎・永井雅昭
新　潟　県　医　師　会　報・第 802 号〔平成29年１月〕
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新潟県医師会報　Ｈ29.１　№ 802

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