*グローバル投資環境 No.1405* ご参考資料 髙木証券投資情報部 ブラジル中銀の金融政策会合~8会合連続で政策金利据え置き 2016年7月21日作成 *ブラジル中央銀行は19日から20日にかけて金融政策会合を 開催し、政策金利を14.25%で据え置いた。同中銀は2013年4 月から昨年7月にかけて一時的な中断を挟んで累計で700ベー シスの利上げを実施した後、足下では8会合続けて政策金利を 据え置いており、この間には一部の委員が利上げを主張した時 期もあったが、ここ3会合は連続して全会一致での据え置き決定 となっている。 *ブラジルの経済について声明文は、「前回会合以降の経済指 標は、短期的な経済見通しが安定を示す一方、経済が引き続 き高水準の弛みを伴って運営されていることを示唆している」と 述べている。 *ちなみに、IMFが19日に発表した「世界経済見通し」ではブラ ジルの成長率を、2016年が▲3.3%、2017年が0.5%と予想、 4月時点に比べて両年とも0.5%引き上げており、IMFはその理由 について、「消費者と企業の信頼感がボトムアウトしたようにみえ るほか、第1四半期のGDPの落ち込みが想定ほど大きくなかった (前期比0.3%のマイナス成長ながら、昨年第4四半期の▲1.3 %減に比べて大きく改善)」ことを挙げているが、「政治や政策の 不確実性は強く、見通しを曇らせている」と述べている。 *インフレ率は1月の前年同月比10.71%をピークに緩やかな低 下傾向にある。声明文によると、中銀は2017年のインフレ率をタ ーゲットの4.5%前後と考えており、見通しは若干改善傾向にあ る。中銀のインフレに対する楽観度が増せば利下げも視野に入 ってくるとみられるが、今回の声明文では「全てを考慮すれば、 現在のベースシナリオとリスクバランスは金融政策を緩和する余 地がないことを示している」と述べており、従来のスタンスを変え ていない。 *このように、ファンダメンタルズ面での多少の明るい兆しもみら れるが、同国の株式市場や通貨レアルは、5月12日に議会上 院が弾劾手続きの開始を決定したことにより、現在180日の職 務停止となっているルセフ大統領退陣の可能性を好感する形で 、本来であればファンダメンタルズの好転に伴ってもたらされる べき上昇を先取りしてしまった感があるため、現時点では大幅か つ持続的な上昇は見込みにくいと思われる。こうした中、債券利 回りが世界的に低下する中で、投資対象として考え得る国として は最も高い利回りを誇る同国の債券市場への資金流入が、通 貨レアルを支える可能性もあろうが、ブラジルは現在、3大格付 け会社の全てから「投資不適格」を付与されていることは理解し ておく必要があろう。 (文責:勇崎 聡) ▼政策金利及びインフレ率(%) ↑政策金利 14.25% 6月 8.84% 消費者物価↑ ▼消費者信頼感指数 ▼PMI指数 製造業↓ 非製造業→ ▼GDPの推移(%) 前期比 ↓ 前年同期比→ ▼ボベスパ指数 ▼ブラジルレアルの推移 レアル/米ドル ↓(左軸) レアル/米ドル (右軸)→ ▼大手格付け会社の格付け一覧 自国通貨建 ムーディーズ Ba2 S&P BB フィッチ BB 外貨建 Ba2 BB BB 見通し ネガティブ ネガティブ ネガティブ (出所:ブラジル統計局、ブラジル中央銀行、格付け会社各社及びBloombergのデータより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
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