【装置紹介】 ハイブリッド型質量分析計(Q-TOF/MS)

技術レポート No.A1504
2015.08.27
【装置紹介】 ハイブリッド型質量分析計(Q-TOF/MS)
概要
MS/MS 法は特定の質量成分のみを選択的にフラグメント化することが出来るため、微量成分の定性や構
造解析に必須の手法です。弊社では、前段に四重極(Q)型 MS を、後段に飛行時間(TOF)型 MS を備えたハ
イブリット型質量分析計(Q-TOF/MS)による MS/MS 測定が可能です。
この装置はフラグメントイオンの検出を高分解能な TOF/MS で行うため、精密質量や同位体パターンから
分析対象の部分構造を同定し、分子構造全体を解析することが出来ます。主成分の同定や各種材料中の
添加剤及び不純物の分析にご活用下さい。
主なスペック
イオン源
ESI、APCI、APPI、DART
質量分解能
20,000(FWHM)
検出感度
サブ ng~
質量精度
<2ppm
直接導入法
測定法
*
UPLC -MS/MS、GPC-MS/MS
*
:超高速液体クロマトグラフ
図1 Q-TOF/MS の外観写真
測定例
・高分子材料中の添加剤分析
Intens.
x105
-MS2(641.3905), 50.0eV, 4.9min #263
フラグメント①
m/z
423.2223
(Irganox1035)
親イオン
②
0.6
381.2119
0.4
③
④
0.2
脱離
イオン
実測
理論値
親イオン
641.388
641.388
C38H57O6S
-H
①
423.222
423.221
C23H35O5S
-H
②
381.212
381.211
C21H33O4S
-H
③
④
363.202
277.183
363.200
277.181
C21H31O3S
C17H25O3
-H
-H
1.0
0.8
分子組成
641.3882
277.1828
0.0
300
400
500
600
m/z
図2 ポリマー抽出液の MS/MS スペクトル(m/z = 641.388)と組成解析結果
<Irganox1035 の分子構造>
O
O
CH3
H3C
H3C
CH3
S
O
O
H3C
HO
③
CH3
H3C
CH3
②
CH3
OH
④
CH3
H3C
①
観測された 4 種のフラグメントを全て同定し、
検出成分(親イオン)を Irganox1035 に帰属
CH3
材料キーワード:プラスチック・ゴム、添加剤、酸化防止剤
適用分野:有機微量分析、分子構造解析
株式会社
東ソー分析センター
南陽事業部 営業窓口 TEL 0834-63-9819
FAX 0834-63-9940
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