Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン アジア 2016年6月15日 MSCI、中国A株採用を見送った4つのポイント 中国A株がMSCI新興国株価指数に組み入れられるとの期待が市場にあったものの、見送られました。ただ今回の決 定は見送りであり、2017年の定期レビュー、もしくは改善が認められれば事前の組入れの可能性も言及されています。 中国A株:さらなるアクセス向上を求めMSCI は指数への採用を見送り 株価指数を開発・算出する米MSCI社は2016年6月14日(現 地時間)、中国本土に上場している人民元建て株式(中国A 株)のMSCI新興国株価指数への組入れを見送ると発表しま した。A株を同指数に採用しない判断は今回で3度目(14年、 15年)となります。MSCIは発表資料で、中国当局は売買停 止や投資枠に関する措置を講じるなど市場開放へのコミット メントを行動で示してきた点を評価しつつも、投資家が市場 アクセスのさらなる改善を求めていると述べ、中国は資本市 場の自由化をさらに進める必要があると指摘しています。 どこに注目すべきか: 中国A株、QFII、取引停止制度、事前承認 中国A株がMSCI新興国株価指数に組み入れられるとの期 待は市場の一部にあったものの、見送られました。ただし今 回の決定は見送りであり、2017年の定期レビュー、もしくは 改善が認められれば事前(定期レビュー前)の組入れの可 能性も言及されています。 まず、見送りを発表した後の中国株式(A株)市場の動向は 落ち着いた動きとなっています(図表1参照)。14日(日本時 間では15日)の発表の1週間ほど前にMSCIが記者会見を行 わないと発表したことで、ある程度結果は想定されていた可 能性があること、2015年の定期レビュー前後の変動からの 学習効果(?)の可能性も考えられます。 では、なぜ採用が見送られたのか?MSCIは今回のレビュー にあたり、中国A株採用で4つの課題を示唆していました。 ①株式所有権の明確化 ②適格外国機関投資家(QFII)制度の市場アクセス改善 ③取引停止に関する制度の整備 ④金融商品発売の際に国内取引所から求められる事前承 認 MSCIはプレスリリースで①については問題は解決済みとし ている以外は課題を指摘しています。 ピクテ投信投資顧問株式会社 例えば、②については、中国当局がQFIIにおける営業日ごと の資金還流の容認、資格申請手続きの簡素化などが発表さ れたことは認めつつも投資家の評価は定まっておらず、評価 に時間が必要としています。 また、MSCIが市場アクセスで最も懸念しているのがQFIIでは 月次資金環流が前年純資産の20%までに制限されることによ り、ファンドの解約対応に障害が出る恐れがあること、この点 についてMSCIは改善を求めています。 ③の取引停止に関してもMSCIは懸念を指摘していました。特 に、中国の市場では株式の発行体が自発的に取引停止を求 めるケースがあり、投資家から流動性リスクとして指摘されて いました。ただし、中国当局は最近になって取引停止に関し て新たな規制を公表しており、MSCIは2016年5月27日に上 海・深センの両取引所が株式の売買停止を制限する新たな 規制により取引所が投資家保護のため、市場の動きが激し い状況では上場企業による売買停止の申請を拒否すること などが含まれたことなどに歓迎の意向を示しています。 ④のA株に関連する金融商品の導入に際して国内取引所か ら求められる事前承認についても未対応と評価されています。 今回、MSCIは中国A株の採用を見送りましたが、4つの課題 へは対応済み、または取り組み中がほとんどで時間の問題 とも見られます。反対に、中国当局が採用を焦って拙速な市 場の自由化を進めるよりは、良いことなのかもしれません。 図表1:上海A株指数 (日次、期間:2015年1月15日~2016年6月15日(日本時間午後)) 5,500 指数 上海A株指数 4,500 3,500 2,500 15年1月 ※2015年前 回レビュー 15年7月 16年1月 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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