週間天気予報解説資料 2016 年 6 月 15 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 6 月 16 日から 6 月 22 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):今期間サブHは、次第に日本の南で強まり、西に勢力を伸ばし華南付近に張り出す。日本付近は緩いゾーナ ルな流れとなって、17日以降はメアンダーの小さいメリハリの無い流れとなる。そのような中、5700~5820m付近のトラフが、 19日沿海州から朝鮮半島付近で、20日に日本付近を通過する。22日には北日本に次のトラフが中国東北区付近に進む。前 線は、18日にかけても九州の南(種子屋久~奄美付近)では残るが、本州付近では陸から離れてリシスする。19日トラフの 東進に伴い、太平洋高気圧の縁辺を回る暖湿気により、華中から朝鮮半島の南で新たに明瞭となって、22日にかけて太平洋高 気圧に押し上げられる形で日本海を指向して東にのびる。全国的に気温の高い日が多く、本州では地上風が南西となる期間中頃 は気温が上がりやすく、内陸部を中心に晴れ間があれば最高気温が35℃前後となる所もある。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、中国東北区から華中付近にトラフ、オホーツク海付近にリッジがあり、日本付近は西 南西の流れで、日本付近は弱い正偏差だが、西日本は平年並に近いー。予報期間は、サブHが華南付近に張り出し、日本付近は 緩いゾーナルな流れとなる。全体的に高度が高くなり、日本付近の正偏差が強まる。 ●18日:リッジ場となり全国的に前線の影響は小さくなるが、九州の南、種子屋久~奄美付近には前線が残る。北日本は17~1 8日にかけて北海道の北を通過する低気圧の影響で、雨の残る所がある。東日本から沖縄にかけては晴れる所が多くなるが、前 線に近い九州南部・奄美では雨の降る所がある。 ●19日:リッジは次第に日本の東に進み、華中から朝鮮半島の南で前線が明瞭となる。西日本では曇りや雨で、北・東日本も次第 に雲が多くなる。 ●20~22日:20日、5700~5820m付近のトラフが日本付近を通過する。20日から21日にかけて北日本をリッジが通過する。 期末にかけて、前線はサブHの日本付近への張り出しに伴い、日本海を指向する。北日本は高気圧に覆われて北海道を中心に晴 れる所が多くなるが、22日は次第に雲が広がり雨の降る所がある。東・西日本は前線に近い日本海側を中心に雨が降りやすく、 太平洋側でも南からの暖湿気により曇りまたは雨の降る天気が続く。 ●沖縄・奄美:期間のはじめは前線や湿った空気の影響で曇りや雨の降る日があるが、その後は次第に高気圧に覆われるになり、沖 縄地方から晴れベースの日が増える。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:期間の終わりに日本付近に明瞭な低気圧を予想しているメンバーは2割程度。位置は太平洋側、 日本海側など区々。 ・ スプレッド:昨日資料より前半は同じか縮小、後半は拡大。特定高度線は、各高度線ともに昨日よりばらつきは小さめ。 ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、変化は小さいほうだが、19日西日本でやや拡大、21日陸上にかからなくなった。 ・ 予想T850時系列:北~西日本は概ね正偏差。沖縄は平年並か正偏差。 2.防災事項等 ・ 17日にかけて、北日本では気圧の谷の通過、東・西日本では前線に向かって暖湿気が流れ込むため、大雨となる所がある。 ・ サブHの強まりにより、東日本から沖縄・奄美にかけては気温がかなり高くなる所がある。熱中症など、体調管理に注意が必要。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 500hPaは、日本の南海上で高気圧が発達。夜には5940m高度線が現れ、南西諸島方面に張り出す。ウラジオストク付近の500hPa低 気圧は、夜には日本海北部に進む。 ・ 地上では、関東付近の前線上に低気圧が発生し北東進。前線は日本の南海上の高気圧の張り出しにより、西日本から東日本の南海 上では活動が不活発となる。500hPa渦直下のウラジオストク付近の低気圧は、夜には日本海北部に進む。 ・ 北日本は低気圧の接近により曇りで雨が降りやすい。下層では暖気が残る中、上空に寒気が入るため、雨量が多くなるおそれがあ る。 ・ 東日本は始め雨が残るが次第に回復。雨後晴れの傾向。西日本や南西諸島は概ね晴れるが、九州では前線位相が残るため、雨の降 る所がある。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北日本から西日本にかけて、期間の中頃を中心に晴れる日もあるが、前線や気圧の谷の影響で曇りや雨の降る日が多い。 ・ 沖縄・奄美は、期間の前半は前線や湿った空気の影響で曇りや雨の降る日があるが、後半は高気圧に覆われて晴れる日が多い。 ・ 最高気温・最低気温ともに、北日本は平年並の日が多い。東・西日本は平年並か平年より高い日が多く、平年よりかなり高い日 もある。沖縄・奄美は平年より高く、平年よりかなり高い日もある。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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