平成28年3月号(PDF)

な い こ と、 法 人 化 に よ っ て 農
京 」 を 提 唱 す る。
「農業の将
間的距離から「グレーター東
今回の改正の つの論点と
対応課題を①JA全中の監査
論 」 の 実 態 を 明 ら か に し、 農
検 証 し、「 政 策 な き 農 協 改 革
か ら、 改 革 の 方 向 性 の 過 程 を
長を務めた著者は客観的視点
集 票 の た め の 機 構 ―― の 理 由
悪 い イ メ ー ジ ―― 既 得 権 益、 准組合員を取り込んでいく工
きた経緯に世間がJAに持つ
政の代行組織として機能して
食管制度との関連の深さと農
夫の必要性を示している。今
域農協の運営・意思決定には、
商社の機能発揮の検討、④地
に は、 経 営 責 任 を 明 確 化 し、
冊だ。
最近では催促の連絡が来るほど。J
い」
。以前は東京や神奈川で会社員を
Aおおふなとでは販売店からの注文
していた村上誉博さん(44)
。興味の
を受け、集荷をすることで村上さん
あった園芸の勉強の傍ら勤めていた、
JAおおふなとから勧められ、ビオ
たち生産者を支えます。
イベントで保育園児たちに花をプ
ラやパンジーの栽培を始めました。
レゼントしたとき、
「きれいなお花を
それから18年。今では毎年40万
ありがとう、また来てね」と、言われ
~50万ポットを出荷します。
「インター
たことがうれしかったと、村上さん。
ネットが普及しても、実際に会って
新品種の栽培や販売方法など、考え
対話をする。それが経営というもの
ることは山積みですが、笑顔を絶や
だ」との先輩のアドバイスもあって、
さず従業員たちとの息もぴったりで
東京や仙台、岩手県内のホームセン
す。
ターへ足を運び積極的に営業をして
小さな花の輝きは町の復興を支え
います。
「商談に来てください」と、
る大きな原動力のように感じました。
47
月刊 JA
読書の窓
業でも市場原理が働き発展で
来に向けてJAができるこ
開 を 概 観 し た 上 で、 J A の 事
機能の分離に伴う外部監査の
業のあるべき方向とJA改革
章)では、土地から離れら
んでおかなければならない
日の論点を理解するために読
の展望を考察している。
章 ) で は、 今 回 の 改 正
「JA改革で何が変わるのか」 本の農業に未来はあるか」
(第
(第
1
「陸前高田に戻り、ここで仕事がした
評者=堀田 学
(県立広島大学生命環境学部准教授)
の新産業論化」として可能性
があることが議論されている。
次産業化への活路、時
きるとする考え方に依拠して
と」
(第
また
い る こ と、 農 政 の 機 能 自 体 が
今後の向かうべき方向が複数
あ り、 本 質 的 に は 変 わ っ て い
弱体化していることを指摘し
提案されている。
章 ) で は、 J A の
て い る。「 J A と は 何 か 」
(第
さ れ て い る 状 況 に 合 わ せ、 緊
業では信用事業の割合が高い
方法の検討、②JAグループ
4
2016/03
『JAが変われば日本の農業は強くなる』
杉浦宣彦
「農業協同組合法」の改正が
急 出 版 さ れ た 著 書 で あ る。 中
こ と、 正 組 合 員 数 と 准 組 合 員
章 ) で は、 農 政 の 歴 史 的 展
央大学ビジネススクール教授
の問題があることが示される。 の組織改革および③JA全農
成 立 し、 さ ま ざ ま な 議 論 が な
で あ り、 J A グ ル ー プ の 自 己
5
を 求 め 説 明 さ れ て い る。
「日
3
れ な い 農 業 だ か ら こ そ「 農 業
4
写真と文:大塚雅貴
表紙のことば
6
改革に関する有識者会議の座 「JAの功罪」
(第 章)では、 の株式会社への転換の可能性
2
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
定価:1,080円(税込み)
はJA全中を解体しただけで
1