平成28年2月号(PDF)

も の だ。 著 者 は 『 サ ン デ ー 毎
くりにして語れない。それで
までさまざまであり、ひとく
い光に包まれていました。ほのかな
「そのとき、決心したんです。俺は
て忙しさが続きます。
てくれるのは、周囲の温かなサポー
「イチゴ栽培の手伝いは、やらされ
トや、大学校時代の先輩で、JAふ
ているという気持ちで、好きではな
くおか八女営農指導部の職員・木原
かった」と、話すのは2014年 4 月に
一也さん(写真左)との交流です。
(右
のとき、父親が交通事故で大けがを
就農した室園翔太さん(21)
。高校生
はJAふくおか八女・壇信弘係長)
仕事に厳しい父親の背中を見て育っ
したのをきっかけに農業大学校に進
た室園さん。確実な一歩を踏み始め
むも、後を継ぐか悩みました。
ています。
評者=堀田 学
(県立広島大学生命環境学部准教授)
日 』 編 集 長、 学 生 新 聞 本 部 長
も現存する新聞は、特定の意
著者によると地域紙が盛ん
な土地は、地域がまとまって
冊だ。
「俺がイチゴをやる」と言ったとき、
「本当にいいのか」と父親に問われ、
読書の窓
『新聞のある町 地域ジャーナリズムの研究』
等 を 歴 任 し、 綿 密 な 取 材 を 重
見に傾かない姿勢を貫く。面
カバーする地元に根付いた新
おり、共同体の意識が強いこ
ルを上げる効果があることを
示している。
れる
冷たい風が吹く外とは違って、ハ
ウスの中は暖かな空気と朝のまぶし
47
月刊 JA
2016/02
四方 洋
刊 な ど 多 様 で あ り、 発 行 部
視した記者の姿勢は本書から
白いのは、地元の人たちに喜
万部以上
も感じられる 。
人々の名前を載せることを重
万部弱から
さ て 地 域 紙 だ が、 郷 土 紙 と
も 呼 ば れ、 一 般 に 地 方 紙 = 県
視していることだ。
が あ っ た。 担 当 の 記 者 に 推 敲
聞 の こ と を 指 し て い る。 何 よ
と、活字文化への関心が根強
日刊、週
2 0 1 4‐ 2 0 1 5 年 版 』 に
地元の情報の重要さ、紙媒
よ る と 全 国 に 2 0 4 紙 あ る。 体の大切さを再認識させてく
発 刊 も、 日 刊 、 週
母親と2 人でのイチゴ栽培を支え
女市では、収穫期の11~ 5 月にかけ
やるぞ」って。
「これまでとは違う、
甘酸っぱいイチゴの香りが漂います。
数も
紙 よ り も 記 事・ 配 布 の 領 域 は
し て い た だ く と、 私 が 書 い た
り身近に感じる方も多いこと
く、文化度が高い特徴がある
ばれるようできるだけ多くの
以 前、 研 究 で 取 り 組 ん で い
る内容を示す小さなコラムを
論旨を全く変えずに表現の修
だろう。
市程度を
正 で、 す っ か り 良 い 新 聞 記 事
的に行政の動きを住民に示し、
~
狭 く、 多 く は
に 仕 上 が っ て 驚 い た も の だ。
地域紙は戦前から存在した
が、 戦 後、 民 主 化 の シ ン ボ ル
行政は住民の目を強く意識す
すいこう
本 書 の 著 者 は、 記 者 の 技 術 や
と し て 林 立 し、 玉 石 混 交 で
月号に
という。さらに地域紙は日常
心意気も知り尽くしているこ
とう た
る。この緊張感が行政のレベ
とだろう。
年
1
仕事への責任感が湧いてきました」
「あまおう」の栽培が盛んな福岡県八
10
あ っ た が、 徐 々 に 淘 汰 さ れ 今
1
本書は個性を放つ全国 の 日の状況に至っているのだそ
地 域 紙 を ひ と つ ず つ 紹 介 し、 う だ。
『日本地域新聞 ガ イ ド
月号~
27
月 刊『 リ ベ ラ ル タ イ ム 』 平 成
年
1
掲載した原稿をまとめ上げた
1
写真と文:大塚雅貴
表紙のことば
1
地方紙に書かせてもらう機会
発行:清水弘文堂書房
定価:1,620円(税込み)
26
2
3
25