も の だ。 著 者 は 『 サ ン デ ー 毎 くりにして語れない。それで までさまざまであり、ひとく い光に包まれていました。ほのかな 「そのとき、決心したんです。俺は て忙しさが続きます。 てくれるのは、周囲の温かなサポー 「イチゴ栽培の手伝いは、やらされ トや、大学校時代の先輩で、JAふ ているという気持ちで、好きではな くおか八女営農指導部の職員・木原 かった」と、話すのは2014年 4 月に 一也さん(写真左)との交流です。 (右 のとき、父親が交通事故で大けがを 就農した室園翔太さん(21) 。高校生 はJAふくおか八女・壇信弘係長) 仕事に厳しい父親の背中を見て育っ したのをきっかけに農業大学校に進 た室園さん。確実な一歩を踏み始め むも、後を継ぐか悩みました。 ています。 評者=堀田 学 (県立広島大学生命環境学部准教授) 日 』 編 集 長、 学 生 新 聞 本 部 長 も現存する新聞は、特定の意 著者によると地域紙が盛ん な土地は、地域がまとまって 冊だ。 「俺がイチゴをやる」と言ったとき、 「本当にいいのか」と父親に問われ、 読書の窓 『新聞のある町 地域ジャーナリズムの研究』 等 を 歴 任 し、 綿 密 な 取 材 を 重 見に傾かない姿勢を貫く。面 カバーする地元に根付いた新 おり、共同体の意識が強いこ ルを上げる効果があることを 示している。 れる 冷たい風が吹く外とは違って、ハ ウスの中は暖かな空気と朝のまぶし 47 月刊 JA 2016/02 四方 洋 刊 な ど 多 様 で あ り、 発 行 部 視した記者の姿勢は本書から 白いのは、地元の人たちに喜 万部以上 も感じられる 。 人々の名前を載せることを重 万部弱から さ て 地 域 紙 だ が、 郷 土 紙 と も 呼 ば れ、 一 般 に 地 方 紙 = 県 視していることだ。 が あ っ た。 担 当 の 記 者 に 推 敲 聞 の こ と を 指 し て い る。 何 よ と、活字文化への関心が根強 日刊、週 2 0 1 4‐ 2 0 1 5 年 版 』 に 地元の情報の重要さ、紙媒 よ る と 全 国 に 2 0 4 紙 あ る。 体の大切さを再認識させてく 発 刊 も、 日 刊 、 週 母親と2 人でのイチゴ栽培を支え 女市では、収穫期の11~ 5 月にかけ やるぞ」って。 「これまでとは違う、 甘酸っぱいイチゴの香りが漂います。 数も 紙 よ り も 記 事・ 配 布 の 領 域 は し て い た だ く と、 私 が 書 い た り身近に感じる方も多いこと く、文化度が高い特徴がある ばれるようできるだけ多くの 以 前、 研 究 で 取 り 組 ん で い る内容を示す小さなコラムを 論旨を全く変えずに表現の修 だろう。 市程度を 正 で、 す っ か り 良 い 新 聞 記 事 的に行政の動きを住民に示し、 ~ 狭 く、 多 く は に 仕 上 が っ て 驚 い た も の だ。 地域紙は戦前から存在した が、 戦 後、 民 主 化 の シ ン ボ ル 行政は住民の目を強く意識す すいこう 本 書 の 著 者 は、 記 者 の 技 術 や と し て 林 立 し、 玉 石 混 交 で 月号に という。さらに地域紙は日常 心意気も知り尽くしているこ とう た る。この緊張感が行政のレベ とだろう。 年 1 仕事への責任感が湧いてきました」 「あまおう」の栽培が盛んな福岡県八 10 あ っ た が、 徐 々 に 淘 汰 さ れ 今 1 本書は個性を放つ全国 の 日の状況に至っているのだそ 地 域 紙 を ひ と つ ず つ 紹 介 し、 う だ。 『日本地域新聞 ガ イ ド 月号~ 27 月 刊『 リ ベ ラ ル タ イ ム 』 平 成 年 1 掲載した原稿をまとめ上げた 1 写真と文:大塚雅貴 表紙のことば 1 地方紙に書かせてもらう機会 発行:清水弘文堂書房 定価:1,620円(税込み) 26 2 3 25
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